百人一首とは、大和~鎌倉時代のヒットソング・ベスト100である。
概要
基本的に「百人一首」といえば、藤原定家が私撰した『小倉百人一首』を指す。
本来は100人の歌人の和歌を、それぞれ1首ずつ100首集めたもの、それらすべてが「百人一首」なのだが、
小倉百人一首以外のものは「異種百人一首」という、また別の括りにされてしまうことが多い。
『小倉百人一首』
撰者は藤原定家。 「有心」という新コンセプトで音楽シーン(歌壇)を席巻した気鋭のソングライター(歌人)にして
評論家(歌論書著者)であり、またディレクター(撰者)を務めたアルバム(歌集)も帝プロデュース(勅撰)含め多数。
アーティストとしては華々しい彼だったが、生業(官職)にはとことん恵まれなかった。
1235年頃、平安末期~鎌倉初期の歌壇の第一人者だった定家も既に齢80の手前。
政争渦巻く官吏の世界を離れ、悠々自適の生活を送っていたそんなある日。息子・為家の嫁の父に、
「小倉山の別荘の障子、歌したためたジャケ(色紙)貼ったら超クール(風雅)じゃね? ちょっくら選んでくれYO!」
・・・・・・というノリかどうかは知らないが、ともかくグラフィックデザイナー(書家)としては一部のコアなファンに
人気のある彼が依頼を受けて書き上げた『古来人の歌各一首、天智天皇自り以来家隆雅経に及ぶ』の色紙、
これが小倉百人一首の原型と言われている。
『小倉百人一首』という名称は後世の人が名付けたもので、定家が付けたものではない。
歌はすべて、『古今集』以降の勅撰和歌集10種、10,000首以上の歌の中から年代順に撰出されている。
天智天皇から順徳院まで、その年月は実に600年もの長きに及ぶ。
100首の歌
男性の歌が79首、女性の歌が21首、選ばれている。
元歌の出展としては『古今集』が最も多く(24首)、『続後撰集』が最も少ない(2首)。
八代集(『古今集』~『新古今集』)から94首選ばれていることから、ほぼ八代集のアンソロジーともいえる。
内容的には恋歌が43首と最も多く、季節を詠ったものが32首(春6・夏4・秋16・冬6)、その他(雑の歌)が25首である。
なお、恋歌のほぼ全てが恋の辛さを歎いた「悲恋歌」である。
歌の撰出については、定家の好みがあったり、或いは勅撰集ではない『万葉集』が撰出対象から外れていることもあり、
ここで選ばれた歌がその歌人の代表作とは一概には言い切れない場合もある。
それぞれの歌の内容については、こちらを参照のこと。 → 百人一首の一覧
100人の歌人
天皇・貴族・農民・僧侶・女房・武士・・・・・と、歌人の階層は多岐に渡る。
天皇・親王の撰出に関しては、不遇な生涯を遂げた人物が何故か多い。
一方、女性歌人においては、かなりネームバリューが優先されている節がある。
勅撰集からの撰出ということもあり、総じて歌の質より歌人の地位、といった作用が働きがちな傾向が見られる。
たとえば河原左大臣(源融)や三条右大臣(藤原定方)のように、
残した歌も決して多くなく、当時から歌人の名声が高かった訳でもない人物が選ばれている一面もある。
また、優れた武家歌人として知られる源三位頼政については、
頼政が残した歌には総じて低評価を与えていた定家の、私情による露骨なハブである(?)。
なお、巻頭と巻末では、天智・持統父娘と後鳥羽・順徳父子との首尾照応が成されている。
『百人秀歌』
『小倉百人一首』の関連書としては、同じ定家の撰による『百人秀歌』が挙げられる。
小倉百人一首で選ばれている歌人・歌とは98人97首が一致しており、歌の数は合計101首と、1首多い。
→ 代わりに、一条院皇后宮・権中納言国信・権中納言長方の3人の歌が収められている。
・源俊頼(74)の歌は、別の歌になっている。
→ 「山ざくらさきそめしよりひさかたのくもゐにみゆるたきの白糸」・・・・・・という歌が挙がっている。
・歌の配列順序が違う。
→ 基本的に、百人秀歌は「二首一対」の、云わば歌合的な構成によって成されている。
百人秀歌は小倉百人一首に先立って成立した「草案」である、という見解が一般的だが、異説もある。
遊戯としての『百人一首』
現在では『百人一首』は、それぞれ100枚ずつの読み札・取り札を用いた「カルタ」の一種、という認識が強い。
読み札には、歌と、詠んだ歌人の大和絵・名前が書かれ、取り札には歌の下の句が平仮名のみで書かれている。
最も一般的な遊び方は「散らし取り」と呼ばれるもので、まぁ、いろはカルタを少し難しくしたような感じ。
取り札をバラバラに散らして置いて、読み手が読み上げた歌の取り札を取る、というもの。
取り札には下の句しか書いていないが、読み上げは上の句から読み始める。
つまり、歌を覚えていれば、下の句の読み上げを待たずに素早く取り札を取ることが出来る。
・・・・・・そしてそれこそが、必勝条件であるともいえる。
その他、よくある遊び方には次のようなものがある。
- 源平合戦・・・・・・源氏チーム・平家チームとに分かれた団体戦。
取り札を50枚ずつに分け、それぞれ自陣に横3列に並べる。
あとは散らし取りと同様、読まれた歌を取っていく。
相手陣の札を取った場合、自陣の札を1枚相手陣に送ることが出来る(送り札)。
最終的に早く自陣の札をなくしたほうの勝ちとなる。 - 坊主めくり・・・・・・読み札(絵札)のみを使う。
読み札を裏返して「山」にして場に置き、それを1枚ずつめくる。
男性(坊主除く)札なら手札にする。坊主札なら手札を全て場に戻す。
女性札なら場にある札を全て手札に出来、最終的に手札の多い人が勝ちとなる。
ローカルルールも多く、何故か蝉丸が特別扱いされてたりすることも。 - 競技かるた・・・・・・要するに、大会ルール。ルール的には源平合戦の個人戦、といっても良いかも知れない。
ただし、陣に並べる取り札の数は、それぞれ25枚ずつである。
また、並べられた取り札の配置を暗記する時間が15分、設けられている。
使う取り札は50枚だが、読み札は100枚全て使うので、場にない歌を読み上げることがある。
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関連項目
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読み:ヒャクニンイッシュ
初版作成日: 11/06/19 20:41 ◆ 最終更新日: 12/02/14 00:51
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