砲台小鬼とは、DMMのブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する敵ユニットである。
概要
2016年3月11日のアップデートで追加実装された新マップ「中部北海域ピーコック島沖」の主力艦隊(ボス)マスにて、離島棲姫のお供として初登場。艦種は新登場となる「沿岸」。
外見は、ヘアドライヤーに足が生えたような形状。提督(艦これ)なら、「たこや機に足が生えて、口から砲身が伸びている感じ」といえばわかるだろうか。
ボスではないザコ敵としては初の陸上タイプ。小鬼と名がついているが、PT小鬼群とは対照的に、非常に高いステータスをもつ。
性能や装備により3種類存在することが確認されている。イラストは共通なので護衛要塞のように外観で判別することはできない。また、PT小鬼群と違って耐久に差はないので、見分けるには攻撃の瞬間にだけ表示されるステータス及び装備に目を光らせるしかない。
例として、西方海域【Extra Operation】 カレー洋リランカ島沖(4-5)や中部海域MS諸島沖(6-2)に出現する強敵、戦艦ル級改flagship(通称フラル改)と比較してみよう。
耐久 | 火力 | 雷装 | 対空 | 装甲 | 装備 | |
1. | 130 | 100(装備込み108) | 0 | 85 | 100 | 5inch沿岸設置砲/4inch連装両用砲+CIC/機銃/沿岸設置レーダー |
2. | 130 | 100(装備込み103) | 0 | 75 | 105 | 5inch沿岸設置砲/機銃/機銃/沿岸設置レーダー |
3. | 130 | 100(装備込み106) | 0 | 65 | 110 | 5inch沿岸設置砲/5inch沿岸設置砲/機銃/沿岸設置レーダー |
フラル改 | 130 | 110(装備込み150) | 0 | 88 | 110 | 16inch三連装砲/16inch三連装砲/電探/偵察機 |
つまり、砲台小鬼の火力はちょっとした戦艦なみで、しかも沿岸設置レーダーは命中+16と高性能なので命中率がやけに高い。
装甲も高く、長門型改(装甲98)をも上回る。耐久はフラル改とおなじく130もある。生存性でいえばフラル改とほぼ同等といってよい。
全パターンで機銃が装備されているうえ、パターン1が搭載している4inch連装両用砲+CICはあの防空棲姫の主砲でもある。こちらの艦載機は大きな打撃を被るだろう。攻防ともに秀でた難敵といえる。
陸上に設置された砲台は、波の動揺を受ける艦船と違い揺れることがなく、また、被弾しても絶対に沈まないため、洋上の艦からすれば天敵といってもよい存在である。やたら強く設定されているのはそのせいか。
PT小鬼群同様に、攻撃時や被弾時のボイスがある。攻撃時のボイスは「シュゥー!」超!エキサイティン!
被弾時は小さくうめく。
久々となる通常海域の新実装に際し、アップデート前日の運営のツイートでは、「久々登場の離島棲姫。新しいお供も連れています」とほのめかすかたちで登場を示唆。さらにアップデート直前にはその詳細がアナウンスされた。
ツイートによると、これまでの陸上タイプの敵には三式弾が有効であったが、離島棲姫および砲台小鬼は従来のソフトスキン型の地上目標と防御特性が異なる。とくに砲台小鬼はトーチカであるため三式弾は有効でない、とのこと。
ソフトスキンとは、非装甲という意味である。たとえば、戦車や装甲車、掩蔽壕(えんぺいごう)などのように、装甲が施された堅固なものがハードスキンで、人間やトラックまたは地上に駐機してある航空機のようにあまり防御力のないものがソフトスキンとなる。
トーチカは鉄筋コンクリートで覆われた砲台であるため、れっきとしたハードスキンだ。三式弾はいわば燃える散弾をばら撒く兵器であるので、トーチカたる砲台小鬼には効果が薄いのであろう。
かわりに有効な装備として、徹甲弾、大発動艇、WG42などが候補に挙げられているが、なにぶん現在の最深部だけあって難易度が非常に高く、砲台小鬼の待ち受けるボスマスに行くのも一苦労という状況であるので、検証には時間がかかると思われる。
その後検証が進み、特効の詳細が分析された。従来の陸上型に有効だった三式弾は全く効果がない。徹甲弾が1.85倍、大発動艇が1.8倍、大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)が2.15倍、特二式内火艇が2.4倍、WG42が1.6倍(それに加え火力ボーナスあり)となっている。また、水上戦闘機・水上爆撃機に1.5倍の特効がついているほか、駆逐艦や軽巡洋艦は艦種補正で1.4倍になる。
また、以上に加えて基地航空隊の陸攻にも特効があるようで、攻撃対象がうまく集中すれば一気に破壊までもっていくことも可能。6-4は基地航空隊の実装で大幅に難易度が変化した海域といえる。
参戦! 16春イベント
だいたいイベント前に実装された通常海域はイベントに向けた実験場あるいは練習台、予行演習のような意味合いを兼ねている場合が多いが、ご多聞にもれず、砲台小鬼も2016年春の期間限定海域「開設!基地航空隊」にさっそく登場。【前段作戦】北太平洋前線海域(E2)で集積地棲姫とともに敵主力(ボス)旗艦を務めている。
どういうことかというと、当該マップではボス旗艦がランダムで集積地棲姫だったり砲台小鬼だったりするのだ。
もちろんマップには敵戦力ゲージが設定されている。このゲージはボス旗艦にダメージを与えることで減っていき、最後はボス旗艦を撃沈すればゲージ破壊=クリアとなる。
さてここで問題が生じる。ゲージの減少量はボス旗艦へのダメージ量に正比例する。だが、集積地棲姫のHPが600であるのに対し、砲台小鬼は130しかない。つまり、砲台小鬼が旗艦として出現した場合は、たとえHPを0にしても、HP130ぶんしかゲージを減らせないのだ。集積地棲姫が旗艦なら、倒すことさえできればHP600ぶんを一気に減らせるので、運悪く砲台小鬼が選ばれ続けたなら、どうしても出撃回数が増えることになる。砲台小鬼が出て「おまえじゃねぇ!」と叫んだ提督はどれくらいいるのだろうか
ちなみに、当該マップはゲージ破壊可能な段階になると旗艦が集積地棲姫-壊に固定される。-壊のHPは480。ボス編成はゲージ残量HP480以下から破壊可能な形態、つまり-壊を旗艦とする最終編成に変化する。ようするに、ゲージ残量が「481~600」のときにボス旗艦に集積地棲姫が出現し、かつ彼女を倒せば、最終編成になる前にゲージを破壊してしまうことが可能だったりする。
なお、最終編成では、PT小鬼群3とともに、2基の砲台小鬼が-壊の護衛についている。弱点があるとはいえ、砲台小鬼の持ち前の頑強さと火力、命中率は艦娘たちを苦しめてなお余りあるだろう。
沿岸砲台の史実
海岸部に砲台を設置する防衛法は大砲が登場して以来行われており、特に産業革命で元込め式の大口径砲が製造出来るようになると、重要な港湾部には大口径の沿岸砲台や要塞砲が設置されるのが常態化するようになる。
この沿岸砲台に対し、装備出来る大砲に限りのある軍艦は手も足も出せない状態が長期間に及び、20世紀になっても港湾部に籠った敵に対して有効な対処法が存在しなかった。
港湾への攻撃法としては、港口部に大型の船舶を沈めて艦船の出入りを阻害する閉塞作戦が米西戦争や日露戦争で試みられたが、いずれも沿岸砲台の激しい攻撃で失敗に終わっている。
第一次世界大戦では超弩級戦艦の登場で沿岸砲台を砲力で圧倒する事が期待されたが、ガリポリの戦いではダータネルス海峡の突破を図った英仏連合艦隊がトルコ軍の砲台と機雷によって撃退されてしまう。
第二次世界大戦では航空母艦の登場で港湾部は安全な場所では無くなったが、それでも沿岸砲台の脅威は依然として大きく、ウェーク島やペリリュー島の戦いでは上陸部隊が大損害を被っている。
大戦末期には日本本土の太平洋沿岸の主要な都市は、米軍の戦艦部隊による艦砲射撃に晒されたが、対馬要塞と大間要塞の要塞砲を脅威と判断した米軍は日本海側への侵入を断念している。
現在でも沿岸砲台は防御施設の一種として各地の軍港に存在する。
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関連項目
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