「社にほへと」とは、DMM GAMES(DMM.com)から発表されたブラウザゲームである。
2017年夏からの配信を予定していたが9月11日に開発中止が発表された。略称は「社にほ」。
概要
2017年3月15日に公式サイトがオープン。同時に事前予約が開始された。
当作に登場するのは、日本各地に存在する神社を擬人化した女の子たち。
プレイヤーは彼女たち「社巫娘」をこの世に顕現させ、その力をもって妖化(あやかし)に立ち向かう物語である。
……とされていたが、後述の通り開発中止となった。
あらすじ
日ノ本の中心が
「平安の京」と呼ばれていたころ、
穢れと共に妖化(あやかし)どもが世に溢れ出した。「神社」はことごとく瘴気に沈み魔物の巣窟となり
唯一の希望であった神々の加護は絶たれた。絶望の中、このまま穢れによる滅びを
待つばかりかと思われた時、
八百万(やおよろず)の神が人々を哀れみ
その身に神の力を宿した
「社巫娘(しゃみこ)」の姿を示した。社巫娘をこの世に喚び現し
神気をもって穢れを払い
全てのもの・・・妖化さえもその力で救う。
それが「咒師(じゅし)」となったあなたの使命・・・
事前登録のおみくじについて
2017年4月4日、おたぽるにて「神社本庁も「これはちょっと……」と漏らした。「DMM GAMES」新作『社にほへと』から考えるオタクの信仰」と題する記事が公開された。
記事によれば、事前登録のおみくじにて「凶」に割り当てられた石清水八幡宮の広報担当者は、当作からの連絡は受けておらず「無断使用」であると言い、他の神社とも話をすると、しばらくは様子を見るという話に落ち着いたと語っている。
その一方で、キャラクターの名前を「石清水八幡宮」ではなく「石清水八幡」と、一文字だけ削ることで神社と無関係に見せる意図を感じ取り、「あまり気持ちのいいものではない」と正直な気持ちを吐露したという。
これに関連した記者の問い合わせに対するDMMの回答は下記の通りである。
1.「社(やしろ)」の擬人化について
本ゲームは「神社」をイメージした「フィクション」である内容のため、実際に実在する人物・建物・団体とは一切関係はございません。また、実在する地域や神社等の関係性につきましても、一切関係がございません。
事前登録おみくじは、結果の運勢に「社(やしろ)」が紐づいているものではなく、結果の運勢についてキャラクターが説明しているものになります。
その後、Twitterの運営公式アカウントでは、本件について一切触れることはなかったが、4月25日に「事前登録おみくじにおいて不具合を確認した」と報告するとともに、長期間の緊急メンテナンスに入り、5月12日の報告を最後にTwitterの更新も止まることとなった。
また、本件と関連するかは不明であるが、6月初めにはYoutubeで公開していたPVが非公開設定になっている。
なお当初の発表では当作のリリース予定時期は2017年夏とされ、メインシナリオなどを担当した鈴木一也氏も6月12日に「シナリオ一段落」とTwitterで報告するとともに、8月にはリリースできるだろうとの見解を示したが、8月が終わっても緊急メンテナンスは明けず公式からの近況報告もされなかった。
その他指摘されていた問題点
大変な許諾申請
前提として説明すると、有名な神社の多くは宗教法人である神社本庁に属しているが、伏見稲荷大社などはこれに属さない単立神社である。また、神社本庁は各都道府県にひとつずつ地方機関である神社庁を設置している。しかしながら、いずれにせよ神社への許諾申請に関して取りまとめている組織はないとされる。
御朱印集めをテーマにした川崎順平氏の漫画『朱にまじわれば』では、その許諾申請の大変さについてエッセイ漫画という形で述懐しており参考のため紹介する。
金刀比羅宮の社紋
当作のキャラクター「金刀比羅」は腹部付近の提灯や撒き散らしている紙に金刀比羅宮の社紋が描かれているが、金刀比羅宮のウェブサイトにも記されている通り、当該の社紋は金刀比羅宮以外の使用が許可されていない。「金刀比羅宮のウェブサイトについて」を参照。
開発中止の発表
2017年9月11日、DMM GAMESより「社にほへと 開発中止に関するお知らせ」と題して、開発中止が発表された。
DMM GAMESは「度重なる検討の結果、正式サービスを行うためのクオリティの確保、並びにお客様への安定的なサービスの提供に支障があると最終的に判断し、開発の中止を決定いたしました」としている。これに伴い、Twitterの運営公式アカウントおよび公式コミュニティが削除され、公式サイトは同様のお知らせを掲載するだけになっている。Youtubeで公開していたPVも非公開設定ではなく削除された。
一方で、メインシナリオなどを担当した鈴木一也氏はTwitterで「開発も遅れてはいたが順調だった。小林さんのシナリオも上がり、わしのシナリオもすでに書き上がり、かなり自信作であった……」と開発のクオリティが配信中止の理由ではないかのように語っている。
また、一般社団法人神社崇敬会の代表理事である秀島康右氏は「「社にほへと」開発を中止した神社の擬人化ゲームは何が問題だったのか。」と題するブログ記事にて、神社における商標の問題について触れつつも、「本当に怖いのはIPではなくイメージの乗っ取り」であるとして、いわゆる検索結果の汚染やオリジナルを連想させる二次創作の恐ろしさについて語っている。
主題歌
スタッフ
スタッフ | 担当 |
---|---|
鈴木一也 | メインシナリオ、世界設定・システム・キャラクター監修 |
小林正親 | キャラクターシナリオ |
西谷史 | 全体監修 |
キャスト
キャスト | 社巫娘(所在地) |
---|---|
本渡楓 | 函館八幡(北海道函館市) |
竹内順子 | 太平山三吉(秋田県秋田市) |
茅原実里 | 竹駒(宮城県岩沼市) |
丹下桜 | 開成山(福島県郡山市) |
小清水亜美 | 鹿島(茨城県鹿嶋市) |
井上麻里奈 | 三峯(埼玉県秩父市) |
野中藍 | 妙義(群馬県富岡市) |
大西沙織 | 鶴岡八幡(神奈川県鎌倉市) |
雨宮天 | 白山比咩(石川県白山市) |
川澄綾子 | 諏訪(長野県諏訪市周辺) |
水樹奈々 | 伏見稲荷(京都府京都市) |
秦佐和子 | 春日(奈良県奈良市) |
小松未可子 | 猿田彦(三重県伊勢市) |
遠藤ゆりか | 住吉(大阪府大阪市) |
佐藤利奈 | 八坂(京都府京都市) |
中島愛 | 厳島(広島県廿日市市) |
柚木涼香 | 石鎚(愛媛県西条市) |
村川梨衣 | 金刀比羅(香川県仲多度郡) |
西明日香 | 鵜戸(宮崎県日南市) |
洲崎綾 | 波上(沖縄県那覇市) |
この他、井上喜久子・釘宮理恵・斎藤千和・斎賀みつき・佐倉綾音・田中理恵・日笠陽子・悠木碧などが登場する予定となっていた。
関連リンク
関連項目
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