―――このたび新生徒会長に就任いたしました 清和院花緒と申します
―――それでは早速ではありますが 通例の新校則を発表させていただきます。
『パンツの着用を禁止』
私立はかない学園とは、双葉社が発行していた漫画雑誌「コミックハイ!」(2015年6月号で休刊)に連載されていた紺野あずれ作の漫画である。
概要
礼節に重きを置く私立学園「儚衣学園」が本作の舞台。
その高等部にて突如発令されたぶっ飛んだ新校則により一変した学生たちの日常を描く「゛はいてない”系ラブコメ漫画」。
女の子の赤面姿をこよなく愛する作者の趣味全開の内容となっている。
基本的にはメインヒロインの片割れである深草夕夏を中心にストーリーが組まれるが、カップル単位で他のキャラクターたちにもスポットを当てる群像劇風のスタイルも取り入れている。
作者曰く「ちょっと頭のおかしい漫画ですが楽しんでいただければ幸いです」とのこと。ちょっと?
新校則について
儚衣学園高等部では新たな生徒会長が就任した際、新生徒会長が新たな校則を作ることができる。
本作のメインヒロイン・清和院花緒が発表した新校則は上記の通り「パンツの着用禁止」。
この校則は男女を問わず全校生徒に適用され、制服の下は常にノーパンとなる。また、はいていないかどうかを毎日風紀委員によってチェックされる。劇中で見る限りスパッツ等を代用するのも不可。
通常の下着はもちろんのこと、テニスやチアリーディングで使用されるアンダースコートにすら適用される。
当初は登校から下校までの間全てに適用されていたが、電車通学をする女子生徒が痴漢にあう被害が発生したため、後に「下着ロッカー」を開設し電車通学の女子生徒は登下校中のみ下着の着用を認められた(学校に着いたら脱がなければならなくなる)。
女子の制服は当然スカートであるため、かなり気を付けなければ即丸見えとなること必至である。
一方で男子にとっては役得……というわけでもなく、体のある部分の変化が普段より丸わかりになってしまい、しかも女子が常時パンツ穿いてないとあればその変化を抑えることがほぼ不可能なため、それがバレて女子に変態扱いされかねないという苦悩もはらんでいる。ズボンのチャックが開いてたら人生終了間違いなし。そうでなくても前述の風紀委員のチェックを毎日受けなければならず、見る方も見せる方も阿鼻叫喚である。
「パンツ禁止令」は男に対してもものすごい精神力を求められるんだよ!
登場人物
儚衣学園生徒会
- 深草 夕夏(ふかくさ ゆうか)
- 本作のメインヒロインその1。儚衣学園高等部2年B組。
ガサツで男勝りな性格をしており、そのせいで大抵の生徒からの二人称が「深草くん」になっている。
運動は得意だが学業のほうは微妙で、何より色気とは縁遠いのがコンプレックスとなっており、親友である花緒を自身の憧れの存在としている。
花緒と同じく生徒らの推薦を受けて副生徒会長に就任。人当りがよく、誰とでも仲良くなれるため交友関係が広い。
中学時代に男子に告白するもそのガサツさが災いして振られてしまい、その悔しさをバネに女らしくなるべく儚衣学園に入学した。幸か不幸か「パンツ禁止令」によってそれまで無縁だった恥じらいが生まれたことにより急に男子にモテるようになる。
とあるアクシデントで八尋に股間を見られてしまって以来、八尋を男として意識し始める。
清和院 花緒(せいわいん はなお)- 本作の諸悪の根源メインヒロインその2。儚衣学園高等部2年B組。
容姿端麗・成績優秀・品行方正の三拍子揃った超優等生。
生徒からは崇拝に近い信頼を集めているが、その反面夕夏以外の友人がいない。
学内のほぼ全生徒からの推薦を受けて生徒会長に就任し、生徒たちの品位や振る舞いの向上を目指すべく「パンツ禁止令」を発令する。
自身はこれまでの人生で一度もパンツを穿いたことがなく、曰く「パンツを穿かないことこそ私の作法の根源」。
常にノーパンであるにも関わらずスカートの中身を絶対に見せない動きが可能で、たとえ激しい運動をしたとしてもギリギリのところで全く見えない、ある意味天才的な作法の持ち主。
正しい意味でも間違った意味でも“淑女”と呼べる人。
菱丸 八尋(ひしまる やひろ)- 儚衣学園高等部2年D組の男子生徒。夕夏の幼馴染みであり、小学時代に通っていたテニススクールで知り合う。
互いに数少ない異性の友達であるため、言い争いをすることもあれど場合によってはお互い相談相手にもなる気心の知れた仲。花緒の頼みにより生徒会総務に就任する。
夕夏に好意を寄せており、夕夏が急にモテだしたことに苛立って勢いで告白してしまうが、空気の読めない風のいたずらにより有耶無耶になってしまった。
「パンツ禁止令」が発令される以前は、きつめのブリーフを穿いて男子特有の興奮時の体の変化を押さえつけるという涙ぐましい努力をしていたらしい。
岩倉 佳澄(いわくら かすみ)- 儚衣学園高等部2年F組の女子生徒。文学部部長でもある。
女子高生でありながら官能小説を書いており、そのネタを膨らませる材料となる「パンツ禁止令」を支持する数少ない女子生徒。
小説を書く上で身に着けた、異常なまでのスピードのタイピングを得意とし、その腕を買われて夕夏の推薦を受けて生徒会書記に就任する。
ただし、タイピングの際に発声しながらでないと文字を打てないという欠点を抱えており、書いている文章の内容もあって極めて危ない状態になる。
スレンダーな体型で自身は「貧相な体」と言っており、そのせいか羞恥心を見せることなく非常識な行動をとることが多い。
鳳瑞 姫野(ほうずい ひめの)- 儚衣学園高等部2年G組の女子生徒。
珠算の経験があることから夕夏の推薦を受けて生徒会会計に就任する。
典型的なドジっ子体質で、何もないところでよく転んだり、物を運ぶ際にスカートを巻き込んでしまったりといったことが多く、「パンツ禁止令」の被害をモロに受けてしまっている可哀想な人。
対策として演劇部所属であることにちなんで前貼りの使用を許可されたものの、トイレの度に剥がすのが痛いことから断念する。
その他の生徒
- 冷泉 美月(れいぜい みつき)
- 儚衣学園高等部3年A組の女子生徒で前生徒会長。
生徒たちに内密に行ったアンケートを基に花緒と夕夏を生徒会長・副生徒会長に推薦する。ある意味全ての元凶の元凶。
責任感は強く、自分たちが推薦した新会長である花緒の「パンツ禁止令」を支持する。
御門 咲耶(みかど さくや)- 儚衣学園高等部2年E組の女子生徒。風紀委員長を務める。
「パンツ禁止令」には当然のごとく難色を示しているが、歩き方などの振る舞いの改善にも繋がるとしてある程度の理解は示し、自身が手本となるべく羞恥心を抑えてスカートを押さえずに歩くなど、比較的(見えないように)堂々と行動することを心掛けている。
生徒が痴漢被害にあった際には花緒に「パンツ禁止令」の撤回を求めるも残念なことに失敗に終わる。
中堂寺に言われたある変態極まる一言に時めく。
神崎 ヴィルヘルミーナ(かんざき ヴィルヘルミーナ)- 儚衣学園高等部2年D組の女子生徒。
2年生にしては背が低いため、実年齢より下に見られることが多く、本人はそれを非常に嫌がっている。日本人の父とフィンランド人の母の間に生まれたハーフ。
容姿端麗で本人もそれが自慢なのだが、花緒の完璧さには敵わずその存在を疎んでいる。その嫉妬心からちょくちょくイタズラを仕掛けているが、そのほとんどが裏目に出て自分に返ってくるかませ体質。花緒に反抗心をむき出しにして突っかかっていく唯一の生徒。
その反抗心を基に花緒を生徒会長から引き摺り下ろすべく「パンツ穿いていい党」を旗揚げし、不信任案を突き付けることを目指す。
中堂寺 準一(ちゅうどうじ じゅんいち)- 儚衣学園高等部2年C組の男子生徒で風紀副委員長。
風紀委員でありながら、隙あれば女子のスカートの中を覗こうとするいかがわしい男。ただし、風紀委員としての職務はしっかりこなす。
四ノ宮 雪(しのみや ゆき)- 儚衣学園高等部1年A組の男子生徒。
佳澄に想いを寄せているが、あるアクシデントをきっかけに彼女の立ち上げた文芸部に所属することとなる。
厳しい両親に教育された影響で常にオドオドしており、何かする度にすぐ謝る癖がある。
明神 快人(みょうじん かいと)- 儚衣学園の演劇部部長。部内では主に脚本を担当しており、その才能は部員たちにも(一応は)認められている。
しかし自覚があるのかないのか、会話の中で平気で下ネタを入れる明け透けな性格の持ち主。自身の脚本のセリフ回しも「サイテーな口説き文句」と評される酷さ。もしかして→酒波重一
冷泉美月とは幼馴染み。
星池 忍(ほしいけ しのぶ)- 儚衣学園高等部2年A組の男子生徒で新聞部部長。
美しい女性の姿を全校に伝える事をモットーに掲げており、そのためならばスカートがめくれる瞬間など、いかがわしい写真を掲載することも厭わない。
ただし、あくまで美の追求を目的としており、 ストレートに犯罪に繋がるようなことはせず、それに対する責任感も強い。
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