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概要
簡単に言えば、体がうまく処理し切れなかった糖が血液中に多く流れることで、血管を含めた体のいろいろな部分に害を与える病気。
細胞の糖吸収を促進し、血糖を下げる働きのある唯一のホルモンである"インスリン"の分泌障害または抵抗性亢進により、細胞への糖の吸収が出来なくなり、高血糖となる。
治療・完治が現時点では不可能であり、様々な療法を重ねつつ一生付き合わなくてはならない、厄介な病である。
また、数多くの合併症を引き起こし、症状が悪化していくにつれ悲惨さも増していく。
国連が、エイズに続いて「国連(病名)デー」を作った、2つ目にして現時点で最後の病気。
種類
1型糖尿病
膵臓にある、インスリン分泌をつかさどるβ細胞の異常により、体内のインスリンが不足して起こる。
いわゆる自己免疫疾患であり、β細胞が自らの免疫の異常によって破壊されてしまう。
原因としては遺伝の要素が大きいが、確実には断言できない。殆どの患者は小児の時点もしくは若年で発症する。
言ってしまえばなるかどうかは運であり、節制などによる予防の効果はかなり薄い。
2型糖尿病
いわゆる生活習慣病。糖分・塩分過多の食生活、肥満の悪化、運動不足、ストレスなどが主な原因。
膵臓の疲弊によってインスリンを分泌する能力が低下したり、細胞のインスリンへの感受性の低下によって起こる。
日本の糖尿病患者の95%以上はこのタイプ。ちなみに、日本では前者の「インスリン分泌障害」優位のタイプが多く、欧米では後者の「インスリン感受性低下」優位のタイプが多い。
平均発症年齢は53歳。そして、発症した患者の平均寿命は67歳。通常の人の平均寿命が82歳であることを考えると、かかった人の寿命は、健常者の半分であるといえる。
妊娠糖尿病
妊娠中に起こる糖尿病。一時的なものだが、将来的に糖尿を患う可能性が上がる上、胎児に合併症が現れることもある。
その他
薬剤の副作用、他の病気による膵臓異常などで糖尿を発症することも多い。
合併症
主な合併症は3つある。治療=血糖コントロールをしないままでは、糖尿病発症から5~10年で重度の物が発症する。
- 神経障害
最も早く出現する合併症。よく糖尿の前兆として「手足のしびれ」が挙げられるが、これに含まれる。初期は手足のしびれ程度だが、悪化すると怪我や火傷にも気づかないレベルの痺れになる。やがてこれらの末端神経異常から、筋肉の萎縮、内臓異常、発汗異常などのほか、自律神経の異常にも発展する。
末期まで進行した場合には、手足の先から壊死が始まり、最悪、徐々に切除していくことになる。糖尿病が悪化して入院している人の手や足がどんどん縮んでいくのは、これが原因。 - 網膜症
網膜の血管に異常をきたし、視力の低下などが起こる。初期は、かすみ目、視力低下などだが、進行した場合は突然失明することもある。 - 腎症
腎臓の血管に異常をきたし、尿を作る能力が低下する。進行すれば、当然透析を行わなくてはならなくなる。日本における人工透析の原因第1位であり、社会生活にも影響を及ぼす重大な症状。
早期発見・適切な治療で発症を防ぐことも可能であり、失明などをしないまま寿命を迎えるケースも徐々に増えていはいるが、多くの場合自覚症状に気づかないまま進行を許してしまうため、糖尿病患者はこれらの病気で亡くなることが殆ど。
原因
- 自己免疫疾患
ある意味、防ぎようのない異常。両親からのリスク因子の遺伝はあるものの、原因は一つではなく、防ぐことも難しい。免疫疾患が引き起こすのは、糖尿病に限らない。 - 遺伝
1型よりも2型の方がむしろ遺伝の影響が強く、2型は、親族、特に両親などに糖尿病がいる場合に、かなり発症の確率が上がる。また、日本人の約35%、β3アドレナリン受容体の遺伝子に変異のある人は特に発症しやすいと言われている。 - 食生活
糖分過剰摂取は膵臓の疲弊を起こし、脂肪分過剰摂取などによる肥満は細胞のインスリン感受性を低下させる。また、摂取カロリー事態に問題がなくても、糖質=(炭水化物)の割合が高いとやはり血糖値は上がってしまう。土台、日本人の食生活は糖尿病発症のリスクが高いものである。 - 運動不足
運動不足は肥満を招き、インスリン感受性を低下させる。 - 肥満
上に同じ。 - ストレス
比較的まれなケースだが、過度のストレスによって膵臓に異常をきたしたりすることもある。
治療
残念ながら糖尿病は一度発症すると二度と治らない。そのため糖尿病の治療は血糖値をコントロールし、合併症の進行を防ぐことが目的である。
治療法は食事療法・運動療法・薬物療法に大別される。薬物療法はさらに経口薬とインスリン注射に分けられる。
2型糖尿病の治療は基本的に食事療法と運動療法から開始するが、診断された時点で症状がある程度進行していた場合は初めから薬物療法が行われる場合もある。
糖尿病の食事療法では過食、偏食を避け規則正しい食生活を送ることが基本となる。本格的に行う場合は1日必要カロリーを算定し、食品交換表を用いて3食と間食にカロリーを割り振ることで1日のカロリー摂取をコントロールする。
……という治療が日本糖尿病学会により推奨されているが、実はカロリー制限による血糖コントロールは全く科学的根拠がなく、世界的には「糖質制限食」が主流となっている。
これは「血糖値を上げるのは成分は糖質のみであり、糖質を含まない食品であればいくら食べても血糖値が上がらない」という生理的事実に基づいたもの。糖質とは炭水化物に含まれる食物繊維以外の成分のことで、米、小麦、イモ類などに多く含まれる。この場合は糖質を多く含む食品は厳しく制限されるが、肉や魚などは糖質を含まないので好きなだけ食べても良いとされる。
運動療法は30分以上の有酸素運動をなるべく毎日行うというもの。十分に酸素を取り込みながら一定時間筋肉を動かし続けることでインスリンの効きが良くなり、血糖値を下げる、また運動から48時間は血糖値が上がりにくい状態を維持することができる。
薬物療法は前述したように基本的に食事療法・運動療法から先に開始し、それで効果が不十分な場合に開始する。薬物療法は強力に血糖値を低下させるが、副作用などのデメリットもあるためである。また経口薬の中には膵臓からインスリンの分泌を促進させるタイプのものがあるが、このような薬を飲みながら食事療法・運動療法を正しく行わなかった場合、いたずらに膵臓の疲弊を助長しインスリン分泌能を低下させ糖尿病を悪化させる恐れがある。このような事態を避けるため薬物療法は慎重に行う必要がある。
しかし合併症により腎症を患うと食事制限にたんぱく質、脂質、塩分、生野菜、水分などが加わるためより困難なものとなり、また網膜症では運動療法も禁止されるので、最終的には薬物療法(主にインスリン注射)に頼らざるを得なくなる。
そうならないために初期の段階から積極的に治療を行うことが重要である。
なお、1型糖尿病の場合は膵臓のインスリン分泌能がほぼ完全に失われているためインスリン注射が必須になる。
自覚症状・なりやすい因子
予防や発見が難しい1型・妊娠糖尿病は仕方ないにしても、2型糖尿病は自覚症状が多い上、自分の食生活を少し鑑みれば発見もかなり容易である。自身の健康を過信せず、以下の条件に心当たりがあれば、生活の改善・病院での検査をお勧めする。
なりやすいかどうか
- ピザだ
- ガリだ(1・2、要はBMI指数が基準値を外れていること)
- 毎回食べすぎだ
- 酒をよく飲む
- 喫煙している
- 間食が多い
- 甘いものが好き
- 脂っこいものが好き
- 親類に患者がいる
- 食事のとり方・時間・回数が不規則だ
- 野菜を食べない
- 運動不足だ
- コンビニ弁当をよく食べる
- ストレスが多い
- 中年だ
- 妊娠糖尿病を経験している
- スポーツドリンク・ジュース・缶コーヒーを毎日複数本飲んでいる
別に糖尿病に限らず、上記の条件を満たしていればいるほど、様々な病のリスクが上がる。
が、糖尿病に関して特に注意すべきなのは17.である。缶コーヒーは特にわかりづらいが、これらの飲料は砂糖をかなり多く含んでおり、1日に何本も飲んでいるとリスクが笑えるぐらい跳ね上がる。仕事場でコーヒーを1日に2,3本は飲む、なんて人は注意。無糖か、せめて微糖にしろ。
自覚症状
- 手足の痺れがよく起こる
- 喉の渇きが激しい上に頻繁に起こる
- 頻尿だ
- 尿が妙に泡立つ
- 尿のにおいが変
- 大便のにおいも変
- 妙に体(特に下腹部)が痒い
- 甘いものを食べないでいるとイライラする
- こむら返り(夜中、睡眠中に体が吊る)がよく起こる
- 十分食べているはずなのに食欲が止まらない
- 急激にやせてきた
どれも見過ごしやすいが、これらの症状(特に赤いの)が出た場合にはかなり進行していると覚悟しなくてはならない。出来れば、1つでも当てはまったら明日にでも血液検査・尿検査を受けるべき。
なお、尿の泡立ちは、腎臓の病では広く起こる症状であり、手足のしびれも軽い脳血栓などであることが多い。糖尿でなくとも受診した方がいい。
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関連項目
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リビジョン番号: 1488871
読み:トウニョウビョウ
初版作成日: 10/04/11 06:53 ◆ 最終更新日: 12/04/02 15:59
編集内容についての説明/コメント: 食事療法
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