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紀伊山地の霊場と参詣道とは、日本の世界遺産(文化遺産)である。2004年7月登録。
和歌山県・奈良県・三重県にまたがる3つの霊場とその参詣道が含まれ、指定面積は自然遺産も含め、国内最大である。2016年10月には和歌山県の部分だけ拡張指定された。
概要
紀伊山地の文化的景観は、自然崇拝に基づく日本古来の「神道」と渡来した「仏教」が融合したものであり、東アジアにおける宗教文化の交流が伺われる。
特に紀伊山地における宗教文化や、それにまつわる建造物、遺跡、自然、伝統などは1000年以上の歴史を持ち、現在に至るまで大きく発展しながら多方面に影響を与えてきた。
このことが世界に評価され、2004年に世界遺産として登録された。
世界的に珍しい「道」の世界遺産であり、その先例である「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
」のあるスペイン・ガリシア州と和歌山県は姉妹道提携を締結している。
構成遺産の一覧・関連動画
登録対象は3つの霊場(吉野・大峯、熊野三山、高野山)と、それらを結ぶ参詣道(熊野古道・熊野参詣道、大峯奥駈道、高野山町石道)。なお、当初イコモスは伊勢界隈も視察しており指定を諮詢していたのだが、伊勢神宮側が、式年遷宮などができなくなることを懸念し、留保している（そのため、伊勢参詣道のみが構成遺産となった）。
吉野・大峯
| 名称 | 画像 | 所在地 | 概要 | 国指定文化財 |
|---|---|---|---|---|
| 吉野山 (よしのやま) |
 sm6756674 
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奈良県吉野町 | 金峯山寺を中心とした、社寺が点在する地域を総称して吉野山という。古くから桜の名所として知られ、100万本以上のヤマザクラが植栽されている、名実ともに日本一の桜の名所。 |
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| 画像募集中 | 奈良県吉野町 | 水を司る神を祭った神社。「みくまり」が「みこもり」と訛り、子授けの神としても信仰されるようになった。 |
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| 画像募集中 | 奈良県吉野町 | 吉野山奥地にあり、吉野山の地主神を祭っている神社。創建の経緯は分かっていない。 | ||
| 金峯山寺 (きんぷせんじ) |
 sm23415853
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奈良県吉野町 | 7世紀の山林修行者・役小角が創立したと伝わる。山岳信仰の聖地・吉野山の中心的な寺院で、近代以降は「大峯山寺」が分離している。 | |
| 吉水神社 (よしみずじんじゃ) |
画像募集中 | 奈良県吉野町 | 金峯山寺の僧坊が神仏分離によって独立したもの。主祭神として後醍醐天皇を祭っている。 |
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大峯山寺 |
画像募集中 | 奈良県天川村 | 大峰山・山上ヶ岳の頂上にある修験道の寺院。開山以来女人禁制の習慣が守られている。 |
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熊野三山
| 名称 | 画像 | 所在地 | 概要 | 国指定文化財 |
|---|---|---|---|---|
| 熊野本宮大社 (くまのほんぐうたいしゃ) |
 sm23637044
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和歌山県田辺市 | 熊野三山の一つ。祭神である熊野坐大神とその使いの八咫烏にまつわる伝説がある。1889年の大洪水に遭うまで、社地は熊野川の中州にあった。大斎原はその遷座前の跡。 | |
| 熊野速玉大社 (くまのはやたまたいしゃ) |
 sm26497359
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和歌山県新宮市 | 熊野三山の一つ。創建時期は不明。神倉山に祀られていた祭神が現在地に移されたという。樹齢1000年以上というナギの神木を祀る。 |
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| 熊野那智大社 (くまのなちたいしゃ) |
 sm16650307
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和歌山県那智勝浦町 | 熊野三山の一つ。熊野那智大社は那智滝を神聖視する原始信仰に始まるため、社殿が創建されたのは他の二社より遅い。 | |
 sm12780792
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和歌山県那智勝浦町 | 古来より那智滝を中心とする自然信仰の場として伝わる。隣接する熊野那智大社とともに神仏習合の修験道場であり、神宮寺の現存例としてもよく採り上げられる。西国三十三箇所観音霊場の一番札所としても有名。 |
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那智滝 |
ニコニ・コモンズより |
和歌山県那智勝浦町 | 那智川の中流にある、落差133mの滝。華厳滝、袋田の滝とともに日本三名瀑に数えられる（三名瀑は諸説あり）。単一の落差なら日本一を誇るが、実はその上流にも無数の滝がある（神域なので一般人は入れない）。 | |
| 画像募集中 | 和歌山県那智勝浦町 | 那智滝の東に広がる、熊野那智大社の社有林。古くから保護されてきたもので、群生する植物は300種以上ともいわれる。 | ||
| 画像募集中 | 和歌山県那智勝浦町 | 「補陀洛」とはサンスクリット語で観音浄土を意味し、これを目指して船出する「補陀洛渡海」が行われていたことで知られる。 |
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高野山
| 名称 | 画像 | 所在地 | 概要 | 国指定文化財 |
|---|---|---|---|---|
| 金剛峯寺 (こんごうぶじ) |
 sm23416315
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和歌山県高野町 | 空海(弘法大師)が宗教活動の拠点とした寺院。高野山は金剛峯寺を中心に100以上の寺院が密集する、日本有数の宗教都市である。 | |
| 金剛三昧院 (こんごうさんまいいん) |
画像募集中 | 和歌山県高野町 | 鎌倉将軍家の菩提寺として信仰されていた寺院。江戸時代初期頃に金剛峯寺の院家として扱われるようになった。 | |
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慈尊院 |
 sm17215475
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和歌山県九度山町 | 高野山一山の庶務を司る政所として創建された。空海の母が亡くなった地でもあり、本尊の弥勒菩薩(別名「慈尊」)は空海の母の化身だとする信仰がある。室生寺とともに、女人信仰の寺としても知られる。 |
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| 丹生都比売神社 (にうつひめじんじゃ) |
 sm15917650
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和歌山県かつらぎ町 | 別名「天野大社」。高野山の鎮守社。古くより高野山と関係が深く、かつては高野山参拝前に丹生都比売神社を参拝するのが習わしだったという。 |
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| 丹生官省符神社 (にうかんしょうぶじんじゃ) |
 sm17191793
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和歌山県九度山町 | 816年に空海によって創建されたと伝わる。高野山の領する官省符荘の鎮守であった。 |
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参詣道
| 名称 | 画像 | 所在地 | 概要 | 国指定文化財 |
|---|---|---|---|---|
| 大峯奥駈道 (おおみねおくがけみち) |
 sm19917781
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奈良県吉野町 から 和歌山県田辺市 |
吉野山と熊野三山を結ぶ、修験道のために開かれた道。修行場は「靡(なびき)」と呼ばれ、現在は熊野本宮大社の本宮証誠殿をはじめ75か所存在する。 | |
| 熊野古道 (くまのこどう) |
ニコニ・コモンズより |
三重県 奈良県 和歌山県 |
熊野三山へ通じる参詣道の総称で、大阪へ至る「紀伊路」を除く4つの道が登録されている。一部の区間には整備された石畳が残っている（なお、紀伊路の一部は日本遺産「絶景の宝庫 和歌浦」の指定地となっている）。 |
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| 高野山参詣道 (こうやさんちょういしみち) |
画像募集中 | 和歌山県九度山町 ・和歌山県高野町。和歌山県かつらぎ町・和歌山県橋本市 |
高野山の表参道。道しるべとして1町(約109m)ごとに「町石」と呼ばれる石柱が建てられている。もともとは町石道のみであったが、拡張された。 |
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他関連動画
関連静画
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関連項目
関連リンク
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