概要
ロープウェイやゴンドラ、リフトなどの総称で、空中にケーブル(索条、ワイヤロープ)を張り、そこに人や物を運ぶ搬器をつけて動かすものを指す。
輸送に際して地形の影響を受けにくく、山における交通手段としてよく見られる。
物によってはそこそこの高さがあり揺れもある為、高所恐怖症には厳しい面がある。
だがそれを乗り越えれば綺麗な景色が拝める。
以前から万博会場 やテーマパークなどの移動・観望用として架けられることがあったが、近年では都市型ロープウェイとしても注目が集まっている。
分類
索道は主に2つの比較的大きな搬器(かご)が交互に行き来する交走式と多数の比較的小さな搬器(かご、あるいはイス)がエンドレスに回る循環式に大別される。さらに循環式は停留場間は高速で動く索条(支曳索あるいは曳索)に搬器が掴まって移動し、停留場では乗客が乗り降りするためレールの上を低速で移動する自動循環式と索に搬器が固定されっぱなしの固定循環式に大別される。搬器を懸垂させる索条の本数や種類によって単線(支曳索)、複線(支索と曳索)、複式単線(支曳索が2本)などに分類される。搬器の種類によっても分類され、搬器が箱状のもの(ゴンドラやロープウェイ)を普通索道、イスだけのもの(いわゆるチェアリフト)を特殊索道という。一般的には、交走式や複線自動循環式普通索道、複式単線自動循環式索道などの索条が2本以上のものをロープウェイ、単線自動循環式普通索道や単線固定循環式普通索道はゴンドラ、単線自動循環式特殊索道や単線固定循環式特殊索道はリフト(チェアリフト、スキーリフト)と呼ばれる。他に滑走式リフトやロープトゥなども存在する。国内に存在するのは以下の方式である。
- 交走式
いわゆるロープウェイとして思い浮かべるものは大体これだと思われる。数十人~100人乗りの搬器が山頂駅と山麓駅を交互に行き来する索道である。多くの場合、搬器の重量を支える支索(しさく)と搬器を引き動かす曳索(えい索)の複線式で、大きいものだと支索が2本のものが多い。ぶっちゃけ空飛ぶケーブルカーとも言える。支柱間の距離を長く取れるため地形の影響を受けづらいことや移動速度が速い(国内最速は秒速12m)、維持コストが比較的安いなどの利点があるが、あまり長くできず、1時間あたりの輸送力が低い欠点もあるのが特徴。 - 複線自動循環式普通索道
昔(20世紀)よくみられたロープウェイの形式。多数の小型搬器(定員10人前後)が停留場間をぐるぐる回る。索条は搬器の重量を支える支索と搬器を引き動かすえい索からなり、かつては法令の関係で3線(1支索2えい索)自動循環式が多く架けられていたが、架け替えなどにより現存するものは1支索1えい索のものが宮島と御在所に2ヶ所残るだけの絶滅危惧種である。支柱間の距離を長く取れることや交走式よりも1時間あたりの輸送力があり、長くできるが、コストが高くメンテナンスも大変な欠点がある。旅客用以外に貨物用としての架設も多かった。他、日本での架設事例はないが、近年の海外では輸送力と速度、強風の耐性に優れる3Sゴンドラ(2支索1えい索)が注目されている。 - 複式単線自動循環式普通索道
最近建設されることが多いロープウェイの形式で、フニテルと呼ばれる。搬器が搬器の幅より少し幅広く平行にかけられた2本の索条(支曳索)の間に懸垂する。正面から見ると搬器がバンザイしている(人生オワタ\(^o^)/に似ている)ようである。後述のゴンドラの特徴に加え、風に強いという利点がある。複式単線交走式普通索道というこれをそのまま交走式にしたタイプも国内に1機だけ存在する。 - 単線自動循環式普通索道
いわゆるゴンドラ。多数の搬器が停留場間は高速で動く支曳索に掴まって移動し、停留場では乗客が乗り降りするためレール上を低速のフック付きベルトチェーンや押送タイヤで移動する。支柱間の距離はあまりとれず、比較的地形に沿って移動するが、1時間あたりの輸送力が大きい、速度もまあまあ(最速で秒速6m)で、長距離にも対応(最長5.5km)できるが、コストがかかるなどの特徴がある。中間駅があるものもあり、ルートを屈曲させることもできる。 - 単線自動循環式特殊索道
いわゆる高速リフト。仕組みや特徴はほぼ単線自動循環式普通索道と同じで、搬器がイスになっているだけの違い。あとはゴンドラほど長くできず(最長で2km強)、地表から低い位置に架設する必要があるが、1時間あたりの輸送力が最多であるなどの特徴がある。乗客を厳冬期の寒さや風雪から守るフード付きリフトもよくみられる。 - コンビリフト(ハイブリットリフト)
単線自動循環式索道の一種で、ゴンドラと高速リフトが交互に並んでいるタイプ。最近国内でも架設されるようになった。
単線自動循環式索道については自動循環式リフトも参照されたし。
- 単線固定循環式特殊索道
パルスゴンドラともいう。一般的なゴンドラと違い、索条と搬器の着脱はない。ゴンドラの集団(8人乗りが2-3台)が停留所では低速、停留所間では高速で移動する。この速度変化は支曳索自体の速度が変わることで起こる。長距離には向かず、輸送力も多くはないが、コストをあまりかけずに架設できる利点があり、最近増えている形式。 - 単線固定循環式特殊索道
いわゆるリフトとして思い浮かべるものはこれだと思われる。搬器(イス)が索条に固定され、山頂/山麓停留場間をエンドレスに回る。パルスゴンドラとは違い、停留場でも速度を落とすことはないが、配慮が必要な乗客(子供など)の乗り降りの際は速度を下げることもできる。あまり長くできず(最長で1.5km、多くは1km未満)、速度も遅く(最速で秒速2.3m)、地形から高く架設できないが、コストが安いなどの特徴がある。スキー場だけでなく山岳観光地でも登山用リフトがあるが、多くはこの形式である。 - 単線滑走式特殊索道
滑走式リフトともいう。搬器は棒状あるいは円盤状の形状で、乗客に引っ掛けたり跨らせることで滑走させることで移動するリフト。設備が簡単かつ地表への影響が少ないので氷河や万年雪の上などに期間限定で架設されることもあるが、乗り方に慣れが必要であり、地形上の制約を最も受けやすい。当然のことだが、乗客はスキーやスノボなどの滑走具を身に付けなければならない。かつては多くのスキー場にあったが、今では珍しい形式。1人乗りをJバーまたはプラッターリフト、2人乗りをTバーリフトと呼ぶことがある。 - ロープトゥ
索道の定義に当てはまるかは不明だが、一応記載する。山頂と山麓の折り返し滑車と動力源、索条、索条に着いた棒だけからなる極めて簡便な索道。中にはぐるぐる回るロープに掴まるだけという手抜き簡素なものもある。小規模なスキー場や、スキー場のコース間の短距離移動用に設置されている。当然乗り方の難易度は最も難しい。
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関連項目
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