概要
義体化とはもとは『攻殻機動隊』における用語に発して用いられてきたが再生医療や機械工学、ブレイン・マシーン・インターフェースの進歩により現実味を帯びてきた現在では肉体の能力向上もしくは損なわれた能力の補完を目的に生身の肉体の一部あるいは全身を人工の機械に置き換える事を呼ばれる場合もある。
言葉の由来としては『攻殻機動隊』の用語として義手・義腕・義足の延長線上において全身にわたる機械化＝”全身義体”として用いられる他にも作中では限定的な四肢及び臓器の機械化も”義体化”に含まれて呼ばれる。
ただし現実では四肢の欠損を補うために使用される義足・義腕や義腕等も広義で言えば義体化に含まれるが一般的にそう呼ばれる事は少なく狭義における(脳の機械化を問わず全身の機械化)を指す”全身義体”の意で呼ばれるケースも多い。
ちなみに脳の機械化を指す場合は”電脳化”や”精神転送”が近いが前者はフィクション用語の域を出ず現実でも理論構築の域を出ないほか後者はあくまでも”同じ精神を持った別人”のコピーであるため義体化とは別概念で語られる事が多い。
フィクションにおける”義体化”
”サイボーグ”を指す場合SFには古くから強化人間の一種として用いられ、登場キャラクターの超能力化及び特別化を演出する舞台装置として用いられる。
そのため作中での義体の運用は”生まれ持った適正”や”高度な訓練”等特別感を演出するため使用者に大きな負担や制約が与えられるケースも多い。
ただし部分的な義体。例えば”高性能な義肢”を指す場合はその限りではないが作品や作中スペックによっては特別な訓練を要するケースも存在する。
また『攻殻機動隊』においては機能補完および機能向上を目的として希望者に施術されるものであるが操作の難易度は高く特に全身義体は完全に順応できる者は世界でもごくわずかとされるいっぽうで航空事故で重傷を負った少児へ施術されたり大深度地下での作業員募集の条件になっていたり戦傷への治療目的や一般にも機能補完や機能向上目的で施術されたりと施術自体のハードルは高くないようである。
現実における”義体化”
現実では生命倫理や宗教的観点から決して好意的な評価ばかりでは無く法制度の面でも難があるため一般的には程遠いが単純に”義肢”という観点で見れば義足や義手・義眼等は古くは紀元前から存在し欠損部位の機能を限定的に補完する目的や機能面では肉体のそれよりははるかに劣りつつも見た目の変化を嫌うために装飾として使用されてきた。
現在では機械工学の進歩により筋電義手等の高性能な義肢が開発・実用化されているが知名度は依然低く、高価であるほか支援する技術者及び団体・機関も能動義手の経験が少なく難渋されやすい。
また保険適用する場合において公費を使用するため真にやむをえない事由がない限り極力安価な義肢＝装飾義肢を勧められるほか使用者の経済的負担からも装飾義手が選択されやすいため現実の義体化にはハードルが多いが3Dプリンターの使用や電子工学研究の進歩により研究・実証例は増えつつある。
機械的な人工臓器に関しては主要臓器の多くに実証例が存在するがシステムが大掛かりであったり機能面で制約が多いため完全埋め込み式においては実用例は少ない。
また欠損部位の外観を補う事のみを目的としたものは”エピテーゼ”とも呼ばれる。
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