自浄作用とは、
- 川・海・大気などに入った汚濁物質が、沈殿・吸着や微生物による分解などの自然的方法で浄化されること。特に河川の浄化に関して使われることが多い。
- 1から転じて、組織内で発生する悪をその組織が自ら防ぐこと。その際たる例が「内部告発」である。
- ネット上において、問題を起こした集団に対する批判としてよく用いられる語句。
本記事では3について説明する。
ネットでの用法
ネット上では概ね「ある特定の団体・コミュニティなどに属する人々が悪事を行ったり、他者に迷惑を描けないようにすること」あるいは「他者に迷惑をかけた人に対して、同じ集団に属する人が何らかの対処を行うこと」という意味で使われている。
などのことを指す。
よく使われる状況としては、例えばある特定の物に対する愛好者がその対象に関して何らかの問題を起こした際があげられる。これらの事件が発生したとき、2ch等をはじめとする掲示板などではほとんどの場合これらの分野のファン全体が攻撃の対象にされる。
しかし愛好者によって構成されたコミュニティというのは、大抵の場合個人の集まりであり、人間関係は他人の域を出ない。つまり個人が起こした問題を取り上げてファンと一括りにして批判する事は、個人の問題を全体化することになり正当性を欠く。そのため多くの場合一緒くたにされたファン達からはそれらの批判に対して何らかの反論が行われることになる。
そしてその際、それらの反論に対する攻撃の文句として「○○ファン(○○厨)は自浄作用が無い」といった表現が用いられることが多い。この場合実質的な二重のレッテル貼りとなり、批判者からの攻撃が更に加速することになる。また情報の拡散速度が格段と上がるため、無関係だった人が批判者側に入って勢力が拡大する事態にも繋がる。
「自浄作用のあるコミュニティ」とは
言葉の本来の意味に沿うならば「厄介なファンを同じファンが自ら糾弾・排斥する」機能を持つものが「自浄作用があるコミュニティ」と判断されると思われる。しかし大抵の場合、厄介なファンというのは何かしらの問題を起こした後にその存在が判明するものなので、事後的な対処にならざるを得ない。つまり問題が起こることを未然に防ぐことは出来ないのだ。
故に問題が起きて厄介なファンが見つかる度に、コミュニティ総出でそれを叩き出すことが繰り返されるわけだが、果たしてこれを「自浄作用のある"健全な"コミュニティ」と判断するべきかは甚だ疑問である。視点を変えれば事あるごとに内ゲバを起こしているようにも見ることが出来るので、やはり危険な界隈だと思われるのがオチだろう。別の意味で批判する者からの誹りを免れることは出来ないと言える。
対策・対処
敢えて言うとすれば、「問題行為を起こさない」「他者に迷惑をかけない」「迷惑をかけたら素直に謝る」といった一般的なマナーを一人ひとりが守り、無闇に問題を拡大させないことである。目を付けられて「自浄作用がないコミュニティである」と糾弾される事自体を避ける以外に対処の方法は無いだろう。
しかしこれは個人の良識に委ねられるものであるため、確実性のある対策とは言えないのが実情である。一度コミュニティに厄介者が紛れ込み炎上を起こしたが最後、瞬く間にその情報は拡散し、批難者が大挙して押し寄せるであろうことは想像に難くない。
そうなった際にコミュニティに求められるのは、非難者に対して怒りに任せて食って掛かることではなく、粛々と事態に対応する冷静沈着さであろう。下手な反論は批難者に「◯◯は自浄作用がない」と確信させることになり、更に炎上して収拾不可能となってしまいかねない。また騒ぎをまとめブログ等に目をつけられて記事を書かれることで、無関係な界隈にも延焼が拡大&沈静化した後に掘り返されて再炎上という危険性も発生するため注意が必要である。
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