花の乱とは、1994年4月~12月に放送された第33作目のNHK大河ドラマである。
概要
純粋な意味で室町時代を扱った唯一の作品であり(太平記は鎌倉・南北朝時代、それ以外は戦国時代も扱っている)、応仁の乱が描かれた貴重な作品である。
主人公は悪妻として知られる足利義政の妻・日野富子で、三田佳子は1986年の大河ドラマ「いのち」以来となる2度目の主演作である。大河ドラマのご多分に漏れず、富子が(自分が原因の一つもであるが)応仁の乱を終わらせようと尽力するなど美化されてもいるが、富子を含めて登場人物の大半(一休・森侍者らごく一部の人物を除く)が、腹に一物ある野心家など悪人や曲者ばかりなのが特徴でもある。
時代設定がマイナーで馴染みが薄いことに加え、一族同士が争ったり裏切りを繰り返すなど人間関係が複雑かつドロドロしている上に、ウィキペディアに説明してあるとおり、フィクションかつファンタジー的な内容が多かったことから視聴率は低迷。「平清盛」「花燃ゆ」が放送されるまで、最高・平均視聴率ともにワースト1を記録してしまった。
但し、駄作かと言えばそうでもなく、室町時代の退廃した雰囲気や萬屋錦之介・野村萬斎らの好演など見所も多く、これまでほとんど描かれることが無かった室町時代を選んだ意欲作もある。大衆受けこそ悪かったものの、もっと評価されるべきという声も多く(これは後の「平清盛」も同様)、視聴者にとってかなり好き嫌いの分かれる作品であったと言えよう。
なお、歴代大河ドラマの中で唯一主演俳優が語りを兼任しているが、三田のナレーションは完全に第三者視点のものであり、富子が語り部というわけではない。
スタッフ
- 作:市川森一
- 音楽:三枝成彰
- 時代考証:今谷明
- 風俗考証:二木謙一
- 建築考証:川上貢
- 衣装考証:小泉清子
- 振付・所作指導:猿若清三郎
- 馬術指導:日馬伸
- 殺陣・武術指導:林邦史朗
- 能楽指導:観世清和
- 題字・切り絵・エンドカード:宮田雅之
- 制作:木田幸紀
- 共同制作:NHKエンタープライズ
- 制作協力:NHKアート・NHKテクニカルサービス
- 演出:村上佑二、小林武、黛りんたろう
キャスト
- 大館佐子(蛍火):鶴田真由
- 大館右馬助:せんだみつお
- 畠山政長:赤羽秀之
- 太田垣光景:石田太郎
- 伊勢貞親:北村総一朗
- 飯尾左衛門大夫:大橋吾郎
- 朝倉孝景:林邦史朗
- 近江屋二郎五郎:東野英心
- 綾:鮎ゆうき
- 足利義材(義稙):大沢たかお
- 細川政元:今井雅之
- 少年時代の伊吹三郎:黒田勇樹
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関連項目
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