「袁煕」( エンキ ?~ 207)とは、あの袁紹の息子として生まれながらひたすら地味な扱いをされ地味に生きた、後漢末のルイージである。
袁紹死亡前まで
身も蓋もないことを言うと、これといった活躍はない。あの甄氏を妻としていたが、幽州を任地として与えられた際に冀州に置いて行っている。夫婦仲がよくなかったのか、それとも妻のためを思って置いていったのかは不明。
ただ袁譚が青州を、袁尚が実質的に冀州(本来は并州の予定だった)をと中原に近い土地を任されていたのに対し、袁煕が当時の価値観においてはまさに僻地だった幽州を任されていた時点で、袁紹が彼をどう思っていたかは分かると思われる。
とはいえ彼は別段不満を漏らすこともなくちゃんと自分の仕事をこなしていたことが、後に烏丸の協力を得られたことから推測できる。
これで兄や弟がマリオのような性格や武勇を持っていたらよかったのだが、あいにくこの二人はクッパから統率力を引いたような人物だった。
袁紹死亡後
袁紹が死ぬと、袁譚と袁尚は自分こそが後継者にふさわしいとして争い始める。部下までも真っ二つに割れる始末である。
その一方で同じ息子であるはずの袁煕は配下達から完全にスルーされていたし、袁煕自身も後継者争いに身を投じようとはしなかった。
真の敵は曹操だと考えていたのか、それとも兄弟で争いたくなかっただけなのかは定かではない。
……もっとも彼一人が賢明な判断をしたところで状況が変わるはずもなく、袁譚は曹操に投降してまでも袁尚を殺そうとした挙句、袁尚が曹操に敗れて甄氏を曹丕に横取りされるわと、無関係な彼が被害を受けるはめになった。
そして袁家が斜陽を迎える羽目になった原因の一人である、弟・袁尚が袁煕の元へと逃げこんでくる。
袁尚を見捨てて曹操に降伏することを袁煕の部下が主張したことは想像に難くない。
少なくとも、降伏すら許されなかった袁尚はただの疫病神でしかなかっただろう。……しかし。
お人好しの意地
袁紹の息子としての意地か、それとも弟を殺したくなかっただけか、袁煕は袁尚を匿って曹操と戦う道を選んだ。
部下達はそこまで付き合いきれるか、とばかりに袁煕を叩き出して曹操に降伏する。ちなみに彼らは列侯に封じられた。
それでも袁煕は烏丸へ向かい、その軍勢と共に曹操に反抗する。袁家配下からの人望はなくとも、異民族からの人望はあったらしい。
しかし、その程度で人材コレクターに勝てたら苦労はしない。やはり敗れて、遼東の公孫康を頼る。
当然疫病神に付き合う義理なんぞ公孫康にはなく、二人を罠に嵌めるために盛大に歓迎をした。
少なくとも公孫康以上の頭を持っていたらしい袁煕は罠だと疑ったが、公孫康の軍を奪い取る気だった袁尚は無謀と勇敢を取り違えて虎穴へと向かう。
結果、二人は首を斬られることになった。処刑前に寒がって筵を求めた袁尚に対し、袁煕は「首級が万里の旅に出るのに、なぜ今さら筵がいるのか」とたしなめた逸話が残っている(公孫康が言ったという説もあるが、少なくとも袁尚がボンクラであることは変わりないだろう)。
ちなみに、袁譚は袁尚の軍勢を取り込んだことで曹操に目を付けられ、二人に先んじて一族共々皆殺しにされた。袁譚に謀反する気があったため曹操が先手を打ったのか、それとも最初から口実をつけて殺すつもりだったのか、或いは両方とも正解なのかは分からない。
確実に言えるのは、所詮袁譚は曹操の掌の上で踊っていたに過ぎないということだけである。
地味に生きて地味に意地を見せた彼であるが、袁譚も袁尚も死後に弔ってくれる者はいたのに袁煕だけいなかった。カワイソス。……え?そもそも袁紹からまともな基盤や部下を与えられなかったって?袁紹の後継者を名乗った二人ならともかく、ルイージの袁煕じゃ忠節をアピールする材料にならないって?おいやめろ。
ほとんど兄弟のとばっちりで死んだ袁煕であるが、家族には何らかの処置をしていたようだ。
唐代、袁煕の子孫が宰相を輩出している。
演義
父親からの冷遇っぷりがはっきりと現れており、袁紹からはひどい評価をされている。実際、正史でもこう思っていそうな扱い方なのがなんとも。
三國志シリーズ
光栄の三國志シリーズでは意外と昔から登場している。
救いようのない脳筋として兄や弟が描かれているのに対し、袁煕は器用貧乏な人物として設定されている。あまり優れているとはいえない能力ではあるが、少なくとも袁譚よりはよっぽど使える。
能力一覧 | 統率 | 武力 | 知力 | 政治 | 魅力 | 陸指 | 水指 | 身体 | 運勢 |
三國志 | - | 46 | 52 | - | 89 | - | - | 73 | 22 |
三國志II | - | 60 | 63 | - | 50 | - | - | - | - |
三國志III | - | 58 | 63 | 65 | 52 | 57 | 22 | - | - |
三國志IV | 70 | 54 | 65 | 64 | 53 | - | - | - | - |
三國志V | - | 60 | 68 | 64 | 73 | - | - | - | - |
三國志VI | 69 | 57 | 72 | 67 | 75 | - | - | - | - |
三國志VII | - | 57 | 64 | 67 | 62 | - | - | - | - |
三國志VIII | - | 59 | 60 | 67 | 68 | - | - | - | - |
三國志IX | 65 | 55 | 64 | 72 | - | - | - | - | - |
三國志X | 69 | 54 | 68 | 70 | 66 | - | - | - | - |
三國志11 | 66 | 51 | 63 | 65 | 64 | - | - | - | - |
真・三國無双シリーズ
ずっとモブ武将だし永遠にモブのままだろうが、猛将伝では意外とメインになったりする。
3猛将伝ではまだ曹丕がモブだったため、甄姫が袁煕を選ぶ場合もあった。曹丕がモブじゃなくなったのでもうないだろうな。
6猛将伝ではなんと袁譚と袁尚の仲を取り結び、袁家の兵力をまとめて曹操に挑むという偉業を成し遂げる……がそんな人物を郭嘉が放っておくはずがなく、真っ先に狙われてぶっ殺される。そして郭嘉の読み通り、袁煕が死ぬと袁譚と袁尚は仲違いを始めるのであった。ダメだこいつら・・・早く何とかしないと・・・
三国志大戦
袁兄弟として登場。どんなカードかというと、袁譚と袁尚が仲間割れしている間で袁煕が頭を抱えるカード。やっぱりダメだこいつら・・・早く何とかしないと・・・
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関連項目
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