見境なき絵師団(みさかい-なき-えし-だん、仏語:ISR:Illustrateurs Sans Raisons)とは、ネット上で自然発生した、文字通り見境のない絵師の集団である。[1]
いかなる干渉も受けず、あらゆる境界を超えて、萌えが必要な人びとのもとへ
脆弱な立場におかれ、本当に萌えを必要とする人びとのためにイラストを描いています。――見境なき絵師団
見境なき概要
これらは日本のおたく文化が進化、ないしメタモルフォーゼ(変容)を遂げる段階の一側面であり……等と、どっかの評論家が書く前に、見境なく解説をする。
絵師団と言っても、特に組織的な統制の下での活動をする集団ではなく、況してや代表や本部といったものが存在する訳でもない。あるムーブメント(お題)に対し、ネット上で活動をするWebユーザー「絵師」達が同じベクトル(方向性)を持つ作品を大量に投稿するに至った為に、「絵師団」と見做されている。所謂「SAC:Stand Alone Complex」である。
無駄に見事なまでにクオリティにも見境がなく[要出店]、にも関わらず行為自体で代価を受け取る訳ではない。絵そのものに対する評価や、投稿などの形で参加した事、及びその結果に対する評価や反響が代償となる。これは贈与文化の一部と見做せよう…多分。
見境なき創造
この集団の目的や主張といったものをまとめる事は事実上不可能である。何故なら、この集団には特定の主義主張が存在しないためである。各絵師は「楽しそう・面白そうなので参加」「暇だった(ry」「特に主義主張がある訳ではないが、こう言う悪ノリは嫌いではない」「こまけぇこたぁいいんだよ!!」(以上全て大意)といった、非常にラブリーかつ様々な動機で自発的に活動している。
元来、日本には技能者や職人を大事にする風潮がある。このため、ネット上で華麗な技術を披瀝するものに「職人」の尊称が付くのは、むしろ自然かつ自明と言える。
しかし、当の職人が「絵を描く」という手段のために目的を選ばなくなることがある。見境はないが、決して悪いことではない。絵を描くことに限らず、何かを創造することにはそれなりのモチベーションが必要であるため、目的を探しているうちに、複数の職人が同じ目標にたどり着いたという見方ができる。
※いくら見境がないと言っても、好き勝手な主張まで通る訳ではない。一定のガイドラインが設けられる場合もある。これは故意の乱用や悪用といった事態を防ぐためには仕方のない付帯措置であり、各自のある程度の自重が求められる。「空気読め」や「無粋だ」という評価が待っているため、自然と自重する者も多いが、これも裏を返せば日本文化の裏打ちがブレーキとして働いている、と考えることもできる。
見境なき影響
ネットで作品が公表ないし公募されたり、人気投票が実施されたり、薄い本が自作・自費出版されたり、それが原価に近い価格で頒布されたり、といった活動は以前から存在した。
しかし中国による反日活動が激化したことにより、カウンターアタックとして「萌え擬人化」が考案された。罵倒語「日本鬼子」を女性名と解釈し、萌えキャラとして相手に返すという、想像の斜め上を行くこの提案に多くの職人が求められるでもなく参加した。それにとどまらず、はっきりと派生効果が確認された。詳細については「日本鬼子」「描く兵器」の項を参照されたい。
見境なき越境
日本国内で盛り上がっているだけであれば、まだ通常の範囲であると言える。だが、この活動は中国人を当惑させ、海外の高い評価を受け、台湾ではニュース報道されるなど、国際的な側面も持ち合わせてしまった。この時点を「見境なき絵師団」の存在が確認された瞬間であると考えて差し支えないであろう。
擬人化キャラ「日本鬼子」・「小日本」は国境を超え、日本鬼子の二つの意味を理解する漢字文化圏の住民、中華人民共和国、台湾(臺灣:中華民国)の絵師達にも理解・共感を得、現在では、中国人・台湾人絵師の見境なき絵師団入りが実現し、まとめWiki設定準拠のメイド・イン・チャイナ、メイド・イン・タイワンの日本鬼子・小日本も生まれるに至っている。
見境なき関連動画
見境なき萌え国旗 ”Moe National Flag”
見境なき関連項目
脚注
- *注:フランス語表記は引用元「国境なき医師団」(MSF:Médecins Sans Frontières)への敬意を篭めてのもので、当然正式名称ではない。又、「国境なき医師団」の「Médecins」=「医師-団」同様、「Illustrateurs」=「Illustrators」=「絵師-団」であり、「絵-師団」ではない。
- 49
- 0pt