株式会社コナミデジタルエンタテインメント所属 脇田 潤(wac)
解析BMSとは
beatmaniaシリーズ、O2JAM、DJMAXなどの音楽ゲームのデータを解析しキー音を抽出しBMS化したもの。言うまでも無くブラックであり、このようなBMSが出回ることはBMSのイメージを悪化させる。
また、DJMAXなどの別の音楽ゲームからIIDXの譜面に移植したケースは解析bmsではないと主張する輩がいるが、
音声やムービーそのものは解析したデータである以上、解析データからbmsを作ったことにかわりない。
見つけたらしかるべき権利者に通告しましょう。
beatmania シリーズの楽曲データを(MIDI で打ち込んで音源で出力して、といったいわゆるコピーBMSではなく)
解析などの手段によってそのままBMS化したものを俗に本家BMSと呼びます。
この本家BMSを公開することは、つまりbeatmaniaシリーズの著作権に違反し、
さらには違法ではないオリジナルBMSへの圧力なども予測できます。
最低限のルールは守って楽しいBMSライフを送りましょう。(BMS Journal Guidanceより転載)
http://www.bmsjournal.info/guidance/
解析bmsの派生
解析データは楽曲だけに留まらず、ゲーム内で使用しているありとあらゆるデータも抜き出せるため、このデータを利用した派生がいくつか存在する。
解析mp3
解析した楽曲データをそのままmp3にしたもの。IIDXやpop'nといったキー音がある楽曲は元々演奏感を高めるためにキー音を意図的に大きくしている曲がほとんどで、サントラの音質と比べると楽曲のクオリティとしては低いが、それでも十分聴くことができる。希に動画として上がっている事があるが、聴くだけならともかく、そのデータをダウンロードする行為は違法なので要注意。解析bmsとは違い、解析mp3はサウンドトラックCDに収録(または収録予定)の楽曲を丸上げしている行為に該当する為、権利者に削除されやすい。
解析スキン
スキン(皮)=外見、つまりゲーム画面をそのまま本家と摸倣したもの。特に細かいレイアウトが設定可能なnazobmplayやLunaticRaveではゲームのベースとなっているIIDXのゲーム画面はおろか、セレクト画面やリザルト画面、各画面の挙動まで再現できるため、スキンによっては(外見は)本家と区別が付かないほどの完成度を誇っている物もある。
前途の通り言うまでも無くブラックであり、動画でこれらのスキンを使用するのは御法度となっており、現在はIIDXのレイアウトに似たオリジナルのスキンを使用している動画が多い。また、DDRMAXの解析データをそのままデフォルトのテーマとして使用していたStepManiaも、著作権の問題により最新バージョンではオリジナルのテーマに差し替えられている。
キー音余りbms
使用していないキー音を使って新たに再構成する「キー音余り」というタイトルがついた動画がいくつかあるが、キー音の余りは解析データを使用して抜き出す以外に方法が無い為、これも解析bmsを使用している可能性が高い。
ムービーのみの動画
主にIIDXでムービー以外のゲーム画面が一切表示されていない動画があるが、これらに関しても解析データからムービーデータを引き抜いてそのまま投稿している可能性が高い。ただし、CS版6thstyleはムービーを鑑賞するモードが存在するのと、「beatmania IIDX VISUAL EMOTIONS」というIIDXのムービーを収録したDVDが販売されている為、そのどちらかをキャプチャまたはリッピングした動画であり、解析データを使用していないケースも存在する。
いずれにせよ、これらの動画はアニメで言う本編を丸上げする行為に該当する為、権利者により削除されるのが殆どである。
解析データによる悪影響
解析はbmsに限らず様々なデータを見つけ出すことができ、解析行為が原因でアーケードにも影響を及ぼした事例がある。
beatmaniaIIDX 10thstyleではインターネットランキング#02の解禁コマンドが解析により流出。
隠し曲の解禁が本来の予定から1週間早まるという事件が起こった。
この件に関してディレクターのKAGEが解析云々の内容は伏せているものの、
FROM STAFFページで不正があった事をコメントとして掲載している。
以後、IIDXREDからは隠し要素の解禁方法がパスワードでの解禁からオンラインのみでの解禁となった。
このように解析データの流出は、BMSのイメージ悪化に限らず、
BEMANIシリーズを中心としたアーケードゲーム事業にも悪影響を及ぼす可能性がこめられている。
注意
この記事はあくまで解析bmsの解説が目的であり、実際に配布している解析bmsサイトを取り上げないでください。
いかなる理由があろうとも、配布サイトを紹介することは結果としてBMSのイメージ悪化、最悪オリジナルBMSに圧力がかかる懸念に繋がりかねません。
「解析bmsサイトをこの記事で紹介する」ことは、「ミイラ取りがミイラになる」のと同等です。
関連項目
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