講とは、以下のことを表す。
- 講 - 同じ信仰をもつ人たちの集まり、結社
- 講 - 貯蓄や貸し借りのための相互扶助の団体
漢字として
- 意味
- 解き明かす、説明する、練習する、告げる、論じる、教える、習う、調べる、謀る、という意味がある。〔説文解字〕の本字は𧪸で、「和解なり」とある。和解の意味は媾が通じたもの。
- 斠と通じて、平らかにする、という意味がある。また顜と通じる。
- 字形
- 形声で声符は冓。冓は組紐を表す字。
- 音訓
- 音読みはコウ、訓読みは、とく、はかる、おしえる、はなしあう。名のりに、つぐ・のり・みち、がある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校5年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 異体字
- 𧪸は、〔説文〕での本字。
- 簡体字は讲。
- 語彙
- 講閲・講演・講筵・講解・講学・講義・講究・講座・講師・講肄・講釈・講習・講説・講談・講壇・講読・講武・講明・講論・講和・講話
相互扶助の団体としての講
概要
日本に古くからあった相互金融のこと。
第二地方銀行や消費者金融などに転換しており、その機能を代行するものとして共済が生まれている。
歴史
歴史的沿革としては、室町時代以降、盛んになった『講』と言う相互扶助組織が、純粋に金銭出資を目的として互いに営利を図りあう『頼母子講』のような組織に発展し、近代になり法の整備がなされ、営利無尽や相互金融に発展してゆく流れが勃興する近代資本主義の中で起きた。
そも、『講』は集まりを意味する漠然とした単語であり、人が集まって勉強会をすれば『講』義や『講』談、そして『講』師が準備した文章を読めば『講』読となるといったように、意味合いとしては信仰、もしくは考え方の似通った集団、さらには相互互助の寄り合いなどを指し示す単語である。時代が下がるに従い信仰としての『講』は氏子や氏神、神社信仰や寺社の檀家などといった冠婚葬祭と結びつく祭祀集団に変化していった。その一方で相互互助としての『講』はいざというときの資金融通の形式として長い間日本の文化の中にあった。
そもそもが金融機能を持った『講』の多くが多くの人から広く資金を募り、いざ参拝などを必要としたメンバーに(当時は参拝にはしばらくの旅行が必要であった)その資金を融通するからくりなどであったと言われる。それから転じて地域毎に金融補助の『講』が多く構築された。それを基盤とする頼母子講や無尽講といった金融補助の『講』は多くが、明治以降には銀行制度の構築・整理に伴い第二地方銀行や消費者金融などに転換している。
現代においては共済が類似したサービスを提供し講によく似た構造となっている。
関連項目
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