貴樹の飛ばされた手紙とは、栃木県小山駅で自動販売機で飲み物を買おうとした際、ポケットから落ち強風で宇都宮線方向に飛ばされた手紙である。
だから、あれほど立ち食い蕎麦を食えと言ったのに・・・
手紙の内容
大人になるということが具体的にはどういうことなのか、
僕にはまだよくわかりません。
でも、いつかずっと先にどこかで偶然に明里に会ったとしても、
恥ずかしくないような人間になっていたいと僕は思います。
明里のことが、ずっと好きでした。
どうか どうか元気で。
さようなら
~新海誠 著 小説秒速5センチメートル 第三話「秒速5センチメートル」後編より~
~オサーソ解説~
明里に比べて短い内容だが、中学2年生の男子なら普通だと思う。
奇しくも、貴樹の手紙も、感謝と別離の心中を記載している明里と同じ内容になっている。
岩舟での再会を前に、二人とも「離れてしまう事によるある種の諦め」と「いま抱いている相手への気持ち」が同じだった。
この、どちらかの手紙が相手の手に渡っていたら、また違う結末になったのかも知れない。
しかし、この後、朝、駅のホームで判れる時には、微妙に気持ちのズレが生じている、と言う意見が多い。
つまり、貴樹は手紙を書い時の気持ちが変わり「また明里を守って行きたい」と思い、
明里は手紙の書いた時の気持ちと、基本は変わってなく、手紙に書いた言葉「貴樹くんはきっと大丈夫。」と言う言葉を使っている。
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