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赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律とは、日本の法律の一つである。
概要
「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」は、昭和23年(1948年)1月1日より施行され、平成16年(2004年)6月18日に改正された。
この法律は、日本赤十字社及び日本赤十字社の許可を受けた者を除き、白地に赤十字・赤新月・赤のライオン及び太陽の意匠や名称、及びこれらの意匠や名称に類似した記章や名称の使用を制限する法律である。これらの意匠・名称をみだりに使用した場合、六か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。
これらの意匠・名称は「戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約」によって、条約加盟国の赤十字社・赤新月社及び衛生兵以外の使用することが禁じられている。ただし、各国赤十字社・赤新月社から許可を受た上で、救急車や救護所での平時の使用することは例外的に認められている。
事例
- 2007年にNEXCO中日本・NEXCO西日本が電通に制作を依頼した高速道路の集中工事のチラシにて白地に赤の十字のマークが入っていたため、急遽チラシを回収する騒ぎがあった。
- セガのゲーム「ワンダーボーイ モンスターランド」及び「モンスターワールドII ドラゴンの罠」にて、白地に赤の十字の意匠が使用されていたため、バーチャルコンソール配信時にそれぞれのデザインが変更された。
- ニコニコ大百科:医学記事一覧にて掲載されている医学記事お知らせテンプレートにて、以前は白地に赤の十字の意匠を使用していたが、この法律に引っかかることが判明し現在は別のシンボルに変更された。詳しくは該当記事を参考。
- トレーディングカードゲーム「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」に存在する「お注射天使リリー」というカードは、日本語版ではナースキャップや背景に赤十字が使用されていた。しかしこの法律が影響したのか、後年赤十字は全てハートマークに置き換えられている。なお、海外版では最初からハートマークであった(赤十字の問題に加え、十字マークが持つ宗教的側面も考慮されたものと思われる)。
他にも罠カードの「白衣の天使」が該当。
対策
白地に赤の十字のマークは病院や医療のイメージが強いため気付かずに誤用されることも多いが、この法律に引っかかるため使用は避けよう。
ただし、問題となる赤十字のマークだが、実は寸法や色を厳密には定めていない。ちょっとでも基準から外れているからといって攻撃を正当化されるような事態を避けるためである。ということで、十字部分の色が赤っぽい統ならば類似となるし、背景部分も白っぽい色なら類似となる。また、十字が傾いていたり長さや形状が違っていても類似したマークとみなされる(参考)。
十字部分が青や緑、黒など明確に異なる色なら問題ないし、背景部分も白でなければ問題ない。
なお、赤十字社は法的機関ではないため赤十字標章(赤十字マーク)の許可や取締は行っていない。その為、規定に反してマークが使われていた場合はまず、当該企業・組織・人物等に対し法的に使用できない旨の説明や、不適切な使用にならないよう申し入れをするなどの対応が行われ、改善が見られない場合は何らかの措置が取られるという。[1]
関連項目
脚注
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