超攻速ガルビオンとは、1984年に放送された国際映画社製作のロボットアニメである。全22話。
概要
地球人の野蛮さを恐れた宇宙人により飛行機などによる飛行が不可能となってしまった世界で、ロボットに変形するスーパーカー「サーカスI・ガルビオン」を駆って、無宇と麻矢は己の自由を得るために道交法違反しつつ活躍する。
たがみよしひさが初めてアニメーションキャラクターデザインに抜擢された作品だが、本編の作画で彼の画風が再現されていたかというと、アニメアールが作画した回以外はまるでダメだったと言わざるを得ない。もちろん、OPのカットのような爽快なアクションは本編には見られない。
たがみよしひさはその後、自身の漫画作品中に「ガルビオンなんてきらいさ」と書いて物議を醸している。
余談ではあるが、途中まではサブタイトルに必ず大が入っていた(一挙の時は21話以降急にテンプレ破りが来て困惑した視聴者多数)。
22話で打ち切りになるまでの経緯
あまりに急な打ち切り決定にほぼ完成していた22話を直す暇もなく、ラスト30秒に止め絵とナレーションによる「結末」を加えて強引に終了させざるを得なかった。唐突な打ち切りすぎたため、全国のファンから抗議の電話やハガキが国際映画社へと送られたらしい。ちなみに国際映画社も資金繰りが急激に悪化し、翌年(1985年)に潰れてしまう。
なお、後半2クールに予定されていた構想は当時リリースされたサントラ盤のライナーノーツやアニメ誌に掲載された。
あらすじ
第三次世界大戦により一度は崩壊した人類の文明は 西暦23世紀には都市部を中心にほぼ復興した。
それは地上輸送機関のみが異常に発達した世界であった。
戦後、永い平和が続き人類はその平和に馴れきっていた。
そんな人類を意のままに支配することを目的とした 秘密組織“SHADO”が暗躍を開始した。
警察機構特務第一班主任のレイ・緑山は二人の若者“無宇(ムウ)”と “麻矢(マヤ)”を中心に私設機動車輌チーム“サーカス”を結成しこれに対抗。
かくて超近代都市を舞台とした戦いの火蓋が切られた。
主な登場人物
サーカスチーム
19歳のガルビオンのパイロット。かつては天才レーサーとして名をはせたが、傷害事件を起こして禁固280年の判決を受け、釈放と引き換えを条件にレイのもとでSHADOと戦う。情には熱いがかっとなりやすく喧嘩っ早いのは御覧の通り。
18歳のガルビオンのナビゲーター。オンライン詐欺が失敗して逮捕され禁固250年の判決を受け、釈放と引き換えを条件にレイのもとでSHADOと戦う。キザで知性派を気取り、何かと無宇を下に見ようとするが、正直どっちも中身は大して変わらずなかよく喧嘩しな、という感じ。
23歳の若き緑山財閥の令嬢であるが、特務警察の捜査官でもある。SHADOの暗躍を察知しサーカスチームを組織する。6話で父親をそのSHADOに殺される一方、お互い正体も知らないまま敵であるヘンリーに求婚されてたびたび言い寄られる。
本来の予定ではヘンリーにさらわれる予定であった。
サーカスチームのメカニックの少女で、途中からガルビオンⅡであるゼクターのパイロットにもなった。無宇のことが好きだがまったく伝わらない模様。
サーカスチームのコンピューター・通信担当の少女。瞳の描き方の影響か、どこか人間離れした雰囲気を感じさせるおとなしげの美人。
実は後半で活躍する予定だったらしい。
サーカスチームのメカニックの少女。元気がよく子供っぽいが正義感は強い。
高性能なロボだが、普段は無宇と麻矢のポイント査定くらいしか仕事がない(しかも割と適当な気が…)。
SHADO
全世界を陰から牛耳る秘密結社で各界のトップ13人から構成されており、1話にてヘンリーもこのメンバーとなった。
ヘンリー以外のメンバーはジェネラルK、メアリー・ゴードン、ドン・ジュリアス、グレゴリー・アントン、キエフ・カイザロフ、カーマイン・ジョンソン、デイブ・ドラゴン、ジョージ伯爵、オーズ・マルドネス、アイリーン・ミルホード、アイザック・エイモフ、トーマス・ギルデンの12人。(正直一部のメンバー以外は自分が死ぬ回以外あんまり目立ってないような…)
物語がちょうどヘンリーがSHADOを掌握するために毎話彼の暗躍でメンバーが次々死ぬ段階で終わってしまったために、ナンバー1のジェネラルKをはじめ中途半端に生き残った。
まだ26歳だが全世界の車産業を牛耳るイーグル産業のトップとなった実業家で、その功績が評価されて作中でSHADOに加えられた。しかし彼はその地位に満足することなく更なる野心を見せ、部下のジョニー(声:平野義和)やマルゴX(声:沢木郁也)をあちこちで活動させたり失われた技術であるメタルバトラーの復活に着手したりして暗躍するも、結局彼がどのような野望を持っていたかも明らかにならないまま物語は終わってしまった。
レイには敵とは知らず恋愛感情を抱いている。
その他
たびたび交通法規を犯す無宇と麻矢を目の敵にしているハイウェイパトロールの警察官。わずか2クールの間にメイン回が2回あるなどサブレギュラーの中でも割とメイン格に近い存在であった。
チェイサーポリスに所属する冷血漢で、18話で犯罪を犯した無宇の幼馴染のマニー・クラウド(声:水島裕)を無宇の目の前で射殺したが、打ち切りのため因縁づくりだけでそのまま終わってしまった。
主題歌
オープニングテーマ:『ロンリー・チェイサー』 (歌:田中利由子 作詞:亜蘭知子 作曲:山本正之 編曲:中島正雄)
エンディングテーマ:『メモリー・ララバイ』 (歌:田中利由子 作詞:亜蘭知子 作曲:山本正之 編曲:中島正雄)
*ロンリー・チェイサーはのちにトヨタ自動車「チェイサー」のラジオCMに使用された。
関連動画
一挙放送
関連項目
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