超時空世紀オーガス02とは、J.C.STAFF制作のロボットアニメである。
超時空世紀オーガス02 | |
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ジャンル | SFファンタジーロボットアニメ |
原作 | 高山文彦(ストーリー原案) |
監督 | 高山文彦 |
キャラクターデザイン | 川元利浩(原案:美樹本晴彦) |
メカニックデザイン | 阿部邦博 |
音楽 |
ヒカシュー(1-4話) |
アニメーション制作 | ヒーロー、J.C.STAFF |
製作 | |
放送局 | OVA |
発売日 |
第1巻 1993年12月5日 |
話数 | 全6話 |
概要
元々テレビアニメとして1983年に放送されていた「超時空世紀オーガス」の続編であり、放送終了から10年後にOVAでリリースされた作品。
監督は前作の放送時の制作会社アートランドのスタッフだった高山文彦(通称:仙人)が務め、彼の得意とするリアルな戦争の描き方により、ただ単に人が死ぬだけでなく、権力闘争による毒殺、軍人だけでなく子供や一般市民等の力を持たない人達の死といった陰惨なシーンもふんだんに描かれている。
音楽を担当したヒカシューによる劇中曲の出来はとても良いが、OPテーマの「不思議をみつめて」とEDテーマの「ブラックボックス」がヒカシューのボーカル巻上公一による独特な歌い方の為、この2曲が注目されがちである。(因みに5話と6話の音楽担当が変わったのは、契約のトラブルで勝手に担当を外された、と言われている。尚、5、6話の音楽担当であるトルステン・ラッシュ氏も当時のヒカシューのメンバーであった。)
第1話の時点で、前作に登場していたロボットであるオーガスや軌道エレベータ、ムーのロボット兵士らしき物の描写はあったものの、その後暫くは前作との繋がりがどうなっているのかハッキリと出て来ずに物語は進むが、後半にその全てが明らかになる。
ストーリー
どことも知れぬ世界。中世ヨーロッパの匂いが漂うこの世界はリヴリア王国とザーフレン王国との二大大国の微妙なバランスによって成り立っていた。
しかし約200年前から突如、この世界の科学技術を遥かに凌ぐロボット兵器が地中や海中から発掘されはじめた。
このロボット兵器アーマーの出現によりザーフレンとリヴリアの対立が深まり、小競り合いが頻発し、一触即発の危機的状態に陥っていた。
そんな中、ザーフレン、リヴリア両国は近い将来に勃発されるであろう有事の際に戦略的優位に立つため、アーマーの発掘に狂奔していた。
登場人物
- リーン (声優) 太田真一郎
- ナタルマ 中村尚子
- ザーフレン領のコスマーの街でリーンが出会った少女。頭に2本の触手があり不思議な力を扱う為に、幼い頃からザーフレン軍で兵器の部品として扱われていた。最初は心を閉ざしていてリーンに名前すら教えなかったが、リーンと出会い少しずつデレて心を開いていく。軍服、売春婦の服、下着姿etcと1話毎に衣装が変わっている。オーガス02のピンナップでは、売春婦の服の下を捲って見事な尻を見せてくれたり、トリアと二人で裸で抱き合っていたりと、本当にご馳走様です。
(ネタバレ注意)
彼女は前作の主人公「桂木桂」とヒロイン「ミムジィ・ラース」の間に出来た子供の子孫であり、前作の最終回の時空再構成の後に、無数の存在に分裂したミムジィの内の一人が「02」の世界の過去(再構成から取り残された世界におけるチラムに相当する場所の過去)に飛ばされ、そこで生まれた桂との子が後のナタルマの祖先となった。最期は大尉と共に時空振動弾を作動させ、元の世界に戻る。
- トリア 山崎和佳奈
ザンテの娘。リーンに好意を寄せており、リーンが軍に入る事を反対している。劇中ずっとリーンを心配していたり、そのリーンに誤解とはいえひっぱたかれて鼻血を垂らしながら泣いたり、リヴリアの憲兵に銃で殴られたり、牢屋に入れられたりと散々な目にあっている。戦争終結後、マニングにぼったくられる予定。
- マニング 山寺宏一
リヴリア王国近衛騎兵隊の中尉。32歳。立ち回りの良さと行動力、情報に耳ざとい上にアーマーの操縦にも長けた有能な軍人。だが女癖が悪く、同僚からは色魔、鬼畜呼ばわりされ、5回の離婚歴がある。リーンを軍にスカウトし、二人で敵の領地であるコスマーに潜入した際、リーンを置き去りにした事でトリアにひっぱたかれる。そんな性格だが、軍に捕らわれたトリアを逃がして別れた嫁の家に匿ったり、最終決戦ではリーンの手助けをしたりと、美味しい所をもっていくイイ男である。
(ネタバレ注意)
実は右大臣アカマスの甥であり、ケラチとミランによるメンデス国王暗殺を突きとめ、ケラチを失脚させる。
ペリオンと共に巨大アーマー「リボー」に乗り、ペリオンに無駄な虐殺を辞めるよう進言するも聞き入られず、遂には自国の領土にまで被害が及ぶ事を顧みないペリオンの首をへし折り、オーガスⅡの突破口を開く手伝いをする。その直後、復活したペリオンに腕をへし折られるが、隙をついてリーンと共にペリオンを倒す。
戦争終結後には商売人に転職し、最終的に6人目の嫁をゲットする。
- メンデス国王 菅原正志
リヴリア王国の国王。臣下からの信頼も厚い有能な王。後継者には前妻との子であるペリオンと後妻ミランとの間の子シプレーがいる。が、シプレーは権力を掌握しようとする左大臣ケラチとミランとの間に出来た子であり、シプレーに王位を継がせようとする二人の暗躍により毒殺されてしまう。
- ケラチ・トルナド 秋元羊介
リヴリアの左大臣。権力の亡者で、王妃ミランと共謀しメンデス国王を暗殺。ミランとの間に出来た子であるシプレーを王位に就け、国政を牛耳ろうとする。自分の同類としてマニングを可愛がっていた。が、結局は彼の策略により失脚してしまう。
- アカマス 岸野一彦
リヴリアの右大臣。メンデス国王の信頼も厚い軍事戦略家。ケラチ失脚後にザーフレン軍の巨大アーマー「ベリファ」を破壊する為に、発掘した特殊爆弾を使った作戦を指揮するが、足を破壊するのがやっとであり、ベリファの反撃で葬られる。
- ミラン王妃 榊原良子
リヴリア王国の王妃。老けて見えるが28歳。巨乳。ケラチとは男女の仲であり、二人の間に出来た子であるシプレーに王位を継がせようとメンデスを暗殺するが・・・
- シプレー 大谷育江
ケラチとミランの間に出来たリヴリア王国の第二王子。メンデスの死後に若干6歳にして国王の座に就く。人を殺す所が見たいと言ってザーフレンからの使者を殺させたりと、戦争を遊びの延長の感覚で見ている。
- ペリオン 塩屋浩三
リヴリア王国の第一王子。メンデスと前妻の間の子。元々は美しい容姿で国民にも人気があったが、7年前に馬車の事故によって痴呆になってしまう。毎日涎を垂らしてうすら笑いを浮かべたり、湖で花を見ていたりと、王位を継ぐ事は出来ないと思われていた。
(ネタバレ注意)
しかし、それはミランに殺される事を防ぐために痴呆を演じていただけであり、マニングやアカマスにのみ真実を伝えていた。ミランがメンデスを暗殺した毒薬を使いシプレーを殺害しミランを発狂させ、その後国王暗殺に加担したケラチも自らの手で処刑したりと、実際は相当の切れ者である。5話の冒頭でその正体を明らかにするシーンは必見である。
その後、王都を守る為にマニングを連れ湖の地下に眠る巨大アーマー「リボー」を起動させ、ベリファを撃沈。そのままザーフレンの王都アルナスルに向かい中性子ミサイルで陥落させる。だがリボーのシステムの欠陥により破壊衝動が暴走し、見境無く虐殺をくりかえしていた所をリーンとナタルマの操るオーガスⅡによって止められ、最後はコックピット内でリーンとマニングに銃で頭を撃ち抜かれ死亡。死ぬ間際に大量のミサイルを世界中に発射するが時空振動弾の発動により、オーガス02の世界の全ての発掘兵器と大尉、そしてナタルマと共に本来あるべき元の世界へ消え去ってしまった。因みに5話のラストでは陛下のサービスシーンが拝める。誰得。
スカラマンガ国王 曽我部和恭
ザーフレン王国の国王。大型アーマー「ベリファ」を発掘し、戦況を優位に立たせる。
(ネタバレ注意)
しかし、その最期は風呂場で勝利を確信しながら夕日を眺めていたら、浴槽で石鹸を踏んですっころんで死亡、というマヌケなオチである。が、石鹸を踏んで転ぶ直前に、ペリオンが操る巨大アーマー「リボー」が首都アルナスルに向けて中性子ミサイルを放ち、国王はそれに気付いたと同時に転んだので、ミサイルで死んだのか頭を打って死んだのかで意見が分かれる。だがどちらにしろ、最後は風呂で全裸で死亡。
謎の老人 堀之紀
ザーフレン軍のアーマーに襲われたリーンとナタルマを、謎のアーマーを使って助けた老人。何故かナタルマを連れて行こうとしたが、リーンによって阻止され、その後敵の追撃を受け、撤退してしまう。
その後、リーンがリヴリア軍に捕えられたナタルマを救出しに行き、深手を負ってしまった際に再び現れ、謎のアーマーを使いリーンとナタルマを救出して逃走。その際に何故か至近距離で銃で撃たれたにも関わらず平気だった。
(ネタバレ注意)
その正体は、前作に登場したムーのロボット戦士「大尉」である。大尉は前作の最終決戦の際、傷つきながらも何とか生き延びており、時間をかけて体を修復していた。前作のラストで、桂とオルソンが時空振動弾を使い、バラバラになった時空の修復を行った際、その修復が完全なものでは無かった為、幾つかの世界がまた何処か別の時空に飛ばされてしまい、大尉の居た軌道エレベータ付近の土地や数多くのアーマーやロボット兵士も主人公のリーン達のいる世界に飛ばされてしまった。その後大尉は壊れた体を修理し、時空振動弾を再設計し、オーガスⅡを設計し、亜空間を転移する際に自分と同じ世界に飛ばされたミムジィの子孫探しを開始。そしてナタルマを見つけ出し彼女の能力を使い、壊れた時空を完璧に戻そうとする。
登場する兵器
- アーマー
200年前に突如発見された人型兵器で、リヴリア軍、ザーフレン軍双方の主戦力である。
リヴリア軍で使用されているのは、かつてオーガスと呼ばれていたアーマーと同じ形をしており、第一話の初登場のシーンではかつて主人公桂木桂が使っていた時の姿で発掘された。しかし02の世界の科学技術では整備できても修理製造することは出来ず、変形も出来ない状態で利用している。頭部は取りはらわれており、代わりに機銃やサーチライトが備え付けられている。戦闘時等は有視界操縦を行う。
ザーフレン軍は、ナイキック型と呼ばれたアーマーを使用しており、機銃や白兵戦用の斧を使って戦う。
(ネタバレ注意)
この世界にあるアーマーは巨大アーマーを除き全て時空振動弾の影響で、オーガス02の世界の未来で作られたもので、200年前にこの世界に飛ばされたものである。巨大アーマー2機は前作の、人間のいた時代のムーの世界で作られたもの。 - ベリファ
ザーフレンの領地コスマーで発掘された巨大アーマー。
光線兵器とミサイルを駆使した圧倒的な火力でリヴリア軍を圧倒する。だが運用の際にはシーカーと呼ばれる人間の特殊能力でモニターを稼働させる必要があり、シーカーがいなければ視界が全く見えなくなってしまう。アカマスによる特殊爆弾を使った部隊の攻撃を受け、下半身を破壊されるも、上半身だけで進撃する。
(ネタバレ注意)
リヴリアの首都ゲランに向かう途中、ペリオンの操る大型アーマー「リボー」の猛攻を受け、撃沈。 - リボー
リヴリアの首都ゲランの湖の地下で発掘された巨大アーマー。
ベリファよりも少し小型で脚の無い機体だが、空中を移動して戦う事が可能。
(ネタバレ注意)
大尉曰く、圧倒的な火力を持つうえに、操縦の際にはパイロットと有機的にリンクして操作する事で、優れた機動力を得られるが、潜在意識を暴走させ、敵味方関係無く攻撃してしまうため、前作オーガスの世界では欠陥品として扱われていた。ペリオンはこのシステムにより攻撃衝動が暴走し、無差別破壊を行ってしまう。
バリアを展開してベリファの光線兵器から身を守り、空中からビームでメッタ撃ちにしてこれを撃破。
オーガスⅡ
(ネタバレ注意)
大尉がオーガス02の世界に漂着し、軌道エレベータの中で100年かけて建造したアーマー。
劇中のアーマーの中では飛びぬけて高性能で、ビーム兵器とミサイル6発という武装ながらリボーを圧倒した。
劇中で唯一変形が可能なアーマーであり、人型、飛行形態、そして一瞬だけガウォーク形態も登場した。
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関連項目
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