追い込みとは、「追い込む」の名詞的用法である。主に以下の意味で使われる。
- 終盤に力をいれること。速度をあげること。ラストスパート。(例:勉強に追い込みをかける)
- 人間を別の場所に移動を促すこと。(例:犯人の追い込みに入る)
- 競馬用語で競走馬の脚質を表す言葉。馬群の最後方からレースを進めて、直線で一気に他馬を交わすという作戦。
- 競輪用語で選手の脚質を表す言葉(主に先行型選手の後位[番手]につく選手)、またはそのような戦法の1つ(捲り~など)。「追込」と書かれることも多い。競馬との違いは、先行型にも適用される場合があること。
- 金融業用語で、返済期限に遅延した債務者に対して督促を過剰に行うこと。法的手段で回収に入ること。
- 出版・印刷用語で、「文章の途中の改行を減らしてスペースを捻出する」「文字の間隔や句読点の後ろの余白を詰めることで、句読点や閉じ括弧など、行の1文字目に置くことができない(行頭禁則)記号類が前の行に入るよう調節する」操作を指す。対義語は「追い出し」。
本項では3.について記述する。
追い込み(競馬)
スタート後、無理をさせずに後方につけスタミナを温存し、最後の直線で他馬をごぼう抜きする豪快な作戦である。
この脚質が見事に嵌(ハマ)った場合、豪快な勝ち方になることが多く、この脚質を得意とする馬を追い込み馬と呼ぶ。直線というどの距離・コースでも盛り上がる場面で一気に上がってくるため印象に残りやすく、追い込みが好きな競馬ファンも多い。映像で競馬が面白いと思うキッカケの1つが追い込みである。あとは大逃げか。
基本的にコースロスが多い分、馬のポテンシャルが高くなければ勝てない脚質とも言われている。
また、ペースや展開に左右されやすく、スローペースになれば前を行く逃げ・先行馬を捕らえ切るのが難しくなる。逆にハイペースになれば後ろで温存していた分、有利になる可能性がある。
スタミナ切れにより伸び悩む先行馬を捌いて交わしたり、囲まれて身動きが取れなくなる危険性を覚悟し馬群の中を進んだり、コースロス承知で大外を回らざるを得ないことになる。
展開が有利に向いても不利を受けやすく、上位までは届かないというケースもある。
直線が短い競馬場では、3~4コーナーで外側から上がっていかなければならないので勝つのが難しく、騎手の判断能力が勝ち負けに大きく関わってきたりもする。
なお、3~4コーナーで外側からじりじりと上がってきて、直線で先団に迫り、ゴール前で先頭に立つ脚質のことを「まくり」と言い、直線に入ってから一気に追い抜く脚質を「追い込み」と定義して、両者を区別する場合もある。(基本的には「まくり」も追い込みの一種である。)
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関連項目
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