逆ロンダリングとは、所属していた大学の学部よりレベルが低いとされる大学の大学院へ進学することを揶揄するネットスラング。略称は「逆ロンダ」。
概要
大学院に進学する際に学部よりランク(基本的には大学入試における偏差値)が低いとされる大学の大学院に進学すること。「学歴ロンダリング」の対義語であり、厳密には逆学歴ロンダリングとすべきだろう。しかし、基本的に率先して何かを汚すことはないはずなので、入試を経る学歴においてくらいしか使わないので逆ロンダリングで通じる。学歴に対してロンダリングという言葉を使用するのは不適切と言われる由縁でもある。
国立大学の場合は税金で成り立っているので教育機会の平等性に基づき、大学院に入るには自分の大学でも入学試験を受ける必要性がある。私立大学の場合、成績上位者に推薦がある場合があるがそれ以外は大学院入試を経る必要がある。大学としてはより優秀かつ意欲が高い学生が欲しいので外部の学生と秤にかけた方がいい。ここまでは大学までの入学試験と同様である。
大学までの入学試験と大学院入試の大きな違いは偏差値の有無である。理系に関しては英語の模擬試験はあるが、専門科目に関してはカリキュラムが大学・学部ごとに異なり模擬試験ができない。従って合格可能性がわからず、母校以外のどこを受験すべきか判断が難しい。但し国家資格が関係する法科大学院や臨床心理士指定大学院に関しては模擬試験があるようだ。
自分の大学の大学院の場合は大学院入試の範囲が授業の内容と一致するので外部から入るより有利である。だが単位を取るための勉強だけで、きちんとした学習を怠った者は大学院入試で苦しむことになる。違う大学から入るのは難しいということは有名なので、上位大学を目指す人達は本気で勉強してくる。また東京大学工学系研究科や情報理工学研究科のように自大学だけで志願者が定員数を上回っている場合、自然と落ちる人が出てくる。
入試で上手くいかなかった場合、浪人(いわゆる院浪)か就職に切り替えるかの二択がせまられる。しかし大学院入試は8月くらいに多く、落ちてからだと就職が大変になるのも現実。もしランクが下の大学院でも受かっているか、人気のない大学院には1月頃に二次募集があることがあるので受験して、そちらに行った方が無難と考える人もいるだろう。しかも年齢的にも院浪はリスクのある行為なので妥協して進学せざるを得ないと考える人も多い。
また法科大学院等の資格取得が目的な大学院は、志望校に受からなくても合格した大学院へ行くことが多い。それが現在よりランクが下とされる大学院だったとしても、改めて努力して資格を取ればいいのだから。
意図的に行う場合
大学ごとに得意分野が分かれていることもあるので、自分の大学の院が自分の進む分野に弱い、力を入れていない場合は敢えて「逆ロンダリング」する場合もある。これは大学名だけで学歴を評価した結果、生まれた言葉ともとれる。
例えば師事したい教授がいる場合である。大学院レベルになると大学名よりも研究室の質や研究内容の方が重要である。有名教授の場合は人気があるので難易度はかなり高い。その研究室に入りたくてその大学を選びましたという人がいるくらいだから。
法科大学院の場合は司法試験の合格者数や合格率を考えて進んで下位とされる大学院に行くという人も居る。
社会人の場合は仕事の都合で地方に行っている場合がある。それから大学院に通おうと考えると交通の便を優先し、ランクが下がってもその地域の大学院を選ぶこともある。特に公務員の場合、大学院研修で大学院へ行き修士号を取得することを命じられる場合がある。地方公務員なら大抵はその地方の国立大学の院になるので、結果的に「逆ロンダ」と呼ばれるケースになる。
4年間で家庭の経済状況が悪くなって学費の安い国公立の院へということもある。ただ、国立と私立ではレベルが比較しづらいので注意が必要である。
関連項目
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