遠山奬志単語

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遠山奬志（とおやま しょうじ、1967年7月21日-）とは、阪神タイガース、千葉ロッテマリーンズに所属していた元プロ野球選手である。本名は「遠山昭治」。
阪神では投手として、ロッテでは野手としてもプレー、90年代後半の阪神では左のリリーフとして活躍し、「松井秀喜キラー」としても名を馳せた。

概要

1985年のドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受け入団、ルーキーイヤーの翌86年は5月14日の広島戦でプロ初勝利を完投で飾ると、6月20日の中日戦ではセ・リーグでは竹内広明以来14年振り、阪神ではあの江夏豊以来19年振りとなる高卒新人での完封勝利を達成する。
この年は主に先発として優勝した広島から4勝を挙げるなど計8勝の活躍を見せた。

しかし86年オフに肩・肘を痛め、チームが暗黒時代に突入する中で遠山の成績も徐々に低迷し、90年にはわずか7試合の登板に終わり、この年のオフには高橋慶彦とのトレードでロッテオリオンズに移籍する。
ロッテではそこそこの出場機会を得る者の、「一度は野手で勝負したい」という要望を首脳陣に伝え、94年オフに野手に転向する。

野手としては96年にはイースタンで最多安打（99本）を記録したが、一軍ではわずか3安打しか記録できず、97年にロッテを自由契約となる。
ロッテを自由契約となった遠山は阪神のテストを野手として受けるが不合格。しかし首脳陣から「ブルペンで投げてみるか」と言われ、今度は投手としてのテストを受けたところこちらは合格したため、遠山は思わぬ形で阪神及び投手に復帰することとなった。

98年は投手としての練習を重ねたため出場機会は少なかったが、99年は主に左のワンポイントリリーフとして活躍、特に4月4日から9月22日にかけて巨人の主砲であった松井秀喜を15打席連続ノーヒット（犠飛・死球含む）に抑えて「松井キラー」と称され、松井秀喜をして「顔も見たくない」とまで言わせしめた。（その後松井には翌2000年6月8日に初安打を許し、6月18日には22打席目にして本塁打を許している。）

また5月22日の巨人戦では同点の7回から登板すると、代打二岡、後藤、清水を凡退させ、その裏に阪神が勝ち越すと、8回も松井秀喜を空振り三振に打ち取るなどして無失点に抑え、遠山は10年振りの勝利投手に輝いている。
 
99年は63試合に登板し2勝1敗1セーブ、防御率2.09という活躍で見事な復活ぶりを見せつけた。

続く2000年、2001年もチームの貴重な左の中継ぎとして活躍したが、2001年には坐骨神経痛のような症状を患うこととなり、2002年に引退を決意。
最後は2002年10月14日の中日戦にて9回2アウトから登板し、渡辺博幸を三振に打ち取って有終の美を飾った。

引退後は2005年から2011年まで阪神にてコーチを務め、2012年からは解説者として活動。

2019年6月から浪速高等学校硬式野球部のコーチに就任。11月からは監督に就任した。なお、浪速高校では本名の「遠山昭治」名義で監督・コーチを務めている。

プレースタイル

プロ入り当初はスリークオーターのフォームからナチュラルに変化する真っ直ぐを武器にしていたが、ロッテ時代から徐々に腕の位置を下げ、阪神復帰後は完全なサイドスローに変化し、当時の監督だった野村克也からシュートを覚えるように言われ、生き残るためにこれをすぐに覚えた。
サイドスローからスライダー、シュート、カーブを投げ分けた他、相手の内角にも容赦なく投げることが出来る強心臓も持ち合わせており、松井秀喜に対しては内角にストレート・シュートを投げて意識させ、外角のスライダーをより遠くに感じさせる投球で翻弄した。

その他にも同僚の中継ぎ投手である葛西稔と共に相手打者の左右に合わせ、一方が投手、もう一方が一塁を守る「遠山・葛西スペシャル」で話題を呼んだ。

通算成績

投手成績

通算:14年	登板	完投	完封	勝利	敗戦	セーブ	ホールド	勝率	投球回	与四球	奪三振	防御率
NPB	393	3	2	16	22	5	--	.421	480.1	167	283	4.38

野手成績 

通算:16年	試合	打席	打数	得点	安打	本塁打	打点	盗塁	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺打	打率	出塁率
NPB	408	101	90	4	14	0	1	0	8	0	3	0	25	0	.156	.183

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