防火ロイドとは、書き込み代行などのネット工作を職業とする者の内、VOCALOIDに対してネガティブな印象操作を行う者の事であり、
亞北ネルの上位概念的な通称である。
亞北ネルが、工作書き込み、印象操作などを請け負うアルバイトをしていることから、
クライアントをネット炎上被害から守る者という意味で名づけられている。
しかし、工作書き込みは、かえって炎上を増大化させる場合があるため、
そのことを揶揄して放火ロイドと呼ばれることもある。
ただし、放火ロイド単独で使われることは少なく、通常は防火ロイドとセットで使われることが多い。
防火ロイドそれ自体は架空の存在ではあるが、現実に起こった事件を基に設定された存在であり、非常にリアルな一面を持つ。
防火ロイドの概要
発端
2007年の10月14日、TBSの番組「アッコにおまかせ」において、発売後間もない「初音ミク」の特集が組まれる事となり、
当時のVOCALOIDファンは期待を込めてその放送を待ち望んでいた。
しかしいざ番組が始まってみると、本来はDTMユーザー用であるこのソフトを、
徹頭徹尾「現実の社会には興味が無いキモオタ」用の「二次元萌え」ソフトとして悪意的に紹介する内容で、
ファンは悉くショックを受けざるを得なかった。
この一方的な放送内容への抗議に、TBSは錯誤の存在を認めながら、しかし謝罪を拒否。
結果として「初音ミク」販売元であるクリプトン社は、TBSのインタビュー要請に応えた事自体を遺憾とする程の騒ぎとなった。
そうした放送のショックから立ち直る間もない2007年10月17日。
こんどは比較的メジャーな検索エンジンにおいて、「初音ミク」を画像検索すると、
元ページには画像があるにも関わらずなんの関係も無い画像ばかりが反映される現象が指摘され始めた。
これは事実上の検索拒否であり、特にGoogleやYahoo!JAPANといった比較的利用者の多いサイトが強くこの傾向を示した。
後に「初音ミク画像検閲事件」「初音ミクの消失」などと呼ばれた出来事である。
14日に行われたTBSの悪意有る放送、17日に始まった事実上の画像検索拒否、
更には日を置かずWikipedia日本語版から「初音ミク」の項目が削除されるに至り、
この一連の不可解な動きに対して「初音ミクを貶めようとする何者かが組織的に行っている事なのではないか?」とする憶測が、
2ちゃんねる(主にニュース速報+板)などでまことしやかに語られるに至った。
翌18日にはITmediaにも取り上げられ、その記事が大手ポータルサイトなどのニュースソースとして使われ始めると、
この事態は2ちゃんねる外部の人々にも知られるようになり、騒ぎはさらに拡大していった。
そんな中、それらの憶測を否定し、騒ぎを沈静化させようとしたり話題を逸らそうとするような書き込みが増え始める。
何故かどれも内容が似通って(テンプレート化されて)いたり、同じ内容の書き込みが数秒の間に複数書き込まれるなど、
その不自然さから組織的な書き込み工作ではないかとされた。
“テンプレート”の中で頻繁に用いられた書き込みの中には「もう飽きた」「寝る、お前らも寝ろよ」などがあり、
これらを組み合わせた形のものも大量に書き込まれた。
その後さまざまな経緯から、そうした書き込みの多くが実は同一の場所から発信されていると判明。
さらには「工作員」とされる者のIPを得る事に成功するなどした結果、VOCALOIDに対して組織ぐるみで
ネガティブ・キャンペーンを行う企業が実在していると明らかになった。
「印象操作を狙う企業が存在していた」
当初は陳腐な陰謀論と思われていたその現実は、当然ながら多くのVOCALOID愛好者に驚きをもって迎えられた。
しかしこの出来事によって正体を暴かれた工作企業は撤退を余儀なくされ、その結果、掲示板などへの工作書き込み自体は
そのほとんどが途絶える事となった。
またGoogle八分(検索拒否)やWikipediaからの全面削除などに見られる異常事態も、
後にシコリを残しつつ暫時解消へと向かって行った。
そうした数々の事件の渦中にあった2007年の11月1日、この工作書き込みを行ったとされる「工作員」を萌え美少女化した
「亞北ネル」なるキャラクターのイラストと初期設定が、ニュース速報+板の関連スレッドに投下される。
その名前は、テンプレート書き込みとして頻繁に使用された「飽きた」「もう寝る」から付けられた。
萌え化されたのには、氾濫していた工作と思しき書き込みに対して
「それを書き込んでいるのが可愛い女の子なら腹も立たない」「『キモヲタ共』と煽って話題ずらししているのに
『ネルたん(;´Д`)ハァハァ』と相手に喜ばれたのでは、工作員がいたとしても仕事になるまい」という皮肉を含んでおり、
荒らしや工作書き込みを陳腐化させる目的によるものだった。
またキャラクター化には、クライアントを含めて複数の企業が暗躍したこの「騒動」を風化させない意図も含まれており、
そのため初音ミクの消失後の工作書込騒動はしばしば「亞北ネル騒動」とも呼ばれている。
この亞北ネルの誕生に伴い、彼女の属する組織「DEN2」「D2」、及びその職業である「防火ロイド」が同時に設定された。
仕事内容
防火ロイドとは、上述の事件を元にして設定された(架空の)職業である。
その名前はVOCALOIDの発音とVOCALOIDブームを一種の「炎上」と見立て、これを鎮める意味を込めた当て字からなる。
その業務は、クライアントからの依頼によってVOCALOIDの社会的評価を貶める事であり、
その為デスクトップ・パソコン(その大部分は高性能とは言い難い)や携帯電話などを使い、
動画や掲示板などを監視しつつネガティブな書き込みを行う。
まれに「カキコロイド」「放火ロイド」等と呼ばれる事も有るが、これはその工作手法が書き込みを主として居る事、
書き込みによって掲示板が炎上する事から名付けられた別名である。
ただ「カキコロイド」「放火ロイド」の語が単独で使われることは少なく、通常は防火ロイドとセットで使用される。
実情
名目的には日本を代表する広告代理店「DEN2」の系列社員ではあるが、
その実態は名の有る企業がリスクの大きな仕事であるネガティブ・キャンペーンを行うに際し、
「泥を被らせるため」用意した下請け企業の、しかも労働環境も不安定なアルバイトに過ぎない。
いわゆる「IT土方」更には「ワーキングプア」などと呼ばれる人々も多いと推定される。
防火ロイドを代表するキャラクター亞北ネルも、都市部の最低賃金を下回る時給700円で生計を立てなければ成らず、
種々の社会保障についてもどの程度受けられているか疑問である。
そのため、時に揶揄と憐憫の両方の意を込め「ワーキングプアのお姫様」などと呼ばれる事もある。
また頻繁な監視の結果、却ってVOCALOIDのファンとなる者も居るようであるが、
そうした場合も表面的にはVOCALOIDに敵対的な態度を取らなければならないため、
その結果愛するジャンルを支える人々から自分の書き込みが否定される姿を見続けねばならず、
どうしようもない感情を覚える事も有るとされる。
経済において企業価値を図る尺度は複数存在しているが、その最も根本となるものは常に生産力である。
現代ではアメリカの特許戦略や新興国を含めた資源獲得競争などを原因として、
「技術」や「物資」の面から生産量を拡大する事は容易ではないとされる。
言わばその皺寄せとして、生産物の「価値(イメージ)」と「生産リスク(人件費)」を
企業生き残りのための重点的コントロール項目とする場合が多い。
その意味において防火ロイドとは、過剰に企業間競争を激化させるグローバル社会の結果として、
生産手段が逆に人間を疎外する傾向の強かった19世紀さながらの時代へと向かいつつある「現代」を
最も象徴する職業であるとも言える。
(アンチVOCALOIDを仕事とする現実の工作員は、おそらく既に存在しないと思われる。
しかし、対象を代えて現在も同じ事を繰り返している可能性に付いてはやぶさかではない。
なぜなら、それを必要とする構造が存在する限り、この種の職業は無くならないからである。)
防火ロイドの関連動画
関連タグ
※このタグが付いた動画以外でも、一連の騒動が起きた時期に作られたVOCALOID系動画には、
当時、事件の渦中に在った人々の生々しいコメントが保存されている例が多い。
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E9%98%B2%E7%81%AB%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89


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読み:ボーカロイド
初版作成日: 08/05/21 04:14 ◆ 最終更新日: 09/02/16 00:53
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