阿覧 欧虎(あらん はくとら、1984年1月31日 - )とは、ロシア連邦北オセチア共和国ウラジカフカス市出身の元大相撲力士である。現役時代の所属は三保ヶ関部屋→春日野部屋。本名はアラン・ガバライエフ。最高位は関脇。得意技は右四つ、寄り、吊り、叩き。
概要
ロシアでは露鵬、白露山兄弟が所属した道場でレスリングを学び、国内のジュニア王者になるまでに成長したが、露鵬らの活躍に刺激を受けて相撲に転向。2006年10月に世界相撲選手権に出場し団体戦でロシア代表に初優勝をもたらしたほか、個人戦でも市原孝行(後の清瀬海)を破って優勝した。同年8月に把瑠都が新設された尾上部屋に移籍して外国人枠が空いていたことや、露鵬の世話もあって12月に三保ヶ関部屋へ入門。世界王者の大相撲入りは史上初であった。世話係は白露山が務めた。
2007年1月場所に初土俵を踏んだ。負け越しなしで出世し元十両の兄弟子・柳川から部屋頭の座を奪取、2008年7月場所に十両昇進した。9月場所は場所前に発生した大麻問題の影響で唯一のロシア人関取となったが、兄弟子の最高位だった西十両6枚目で優勝し11月場所で新入幕を果たした。
2010年5月・7月場所の2場所連続で敢闘賞を受賞し、9月場所に新三役となる関脇に昇進した。しかし新関脇では7勝8敗と負け越し、翌11月場所は新(?)小結に降格し4勝11敗に終わった。2011年9月場所で小結に復帰したが5勝10敗と跳ね返された。
2013年9月場所前に三保ヶ関部屋の閉鎖と春日野部屋への吸収が発表されたため、部屋閉鎖前最後の本場所として臨んだが3勝12敗と大敗。10月3日に移籍したが気力の衰え(体重の減少とする説もある)からか8日に突如引退を発表した。その翌々日に仲間内で断髪してロシアに帰国した。11月場所の番付では東前頭16枚目に四股名が残っている。
帰郷してすぐにホテル経営に乗り出しており、今後は実業家の道を進むとみられる。
エピソード
- 当時の三保ヶ関親方(元大関増位山)曰く、四股名は本名と「欧州から来た虎のように強くなってほしい」という願いに由来する。
- 2009年5月場所11日目の時天空戦は自身初めて(相手にとっては3度目)の水入りとなったが寄り切りで敗れた。
- 筋骨隆々の恵まれた体格を活かした力相撲が持ち味だったが、立ち合いの変化や引き技も多用した。通算白星の半数近くを叩き込み、引き落とし、突き落としが占める。叩きでの呼び込みや相手の髷に指が入る癖もあり「悪癖のデパート」と称された。
- 師匠の三保ヶ関が審判部副部長だった頃は露骨な優遇(ロシアだけに?)とも言えるほど番付運に恵まれていた。さすがに負け越して番付据え置きという兄弟子みたいな事態は発生しなかったが。
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関連項目
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