阿野全成(1153~1203)とは、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した僧侶である。
概要
源義朝と常盤の息子…つまり源頼朝の異母弟で、源義経の同母兄である今若のことである。
平治の乱後捕らえられるが一命を助けられ、醍醐寺に入り出家する。しかしこのころ悪禅師と称されるなど、義経と大して変わらないような武芸に打ち込んだ青春時代を送ったようだ。
1180年に兄・源頼朝の挙兵を知ると駆け付け、佐々木四兄弟と出会い、渋谷重国に保護される。頼朝と合流すると、武蔵国長尾寺の別当に付けられ、また駿河国阿野を拝領し阿野氏を名乗る。その後北条時政の娘・阿波局を娶り、時政に近い立場となったようだ。
1203年突如として謀反の嫌疑をかけられ、武田信光に捕らえられ、宇都宮朝業に預けられた後常陸に流された。その後一か月もしないうちに八田知家に誅殺され、京都東山延年寺にいた息子の頼全も殺される。もう一人の息子の阿野時元も、1219年の源実朝暗殺後の混乱期に、反幕府の挙兵をして討伐され、彼の男系は絶えてしまった。
なお、娘婿の閑院流藤原氏、藤原公佐が公家・阿野氏の祖である。
関連項目
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