「もう、見たくない…」
零~刺青の聲~とは、テクモが製作・販売するホラーゲームである。
注意:一部ネタバレを含む記述があります。
概要
テクモの零シリーズ第3作。新たな要素を取り入れつつ過去の2作のストーリーも取り込み、プレイステーション2における零シリーズの総まとめと言える仕上がりになっている。
システム
シリーズ恒例の射影機を使用した戦闘、撮影によるフラグ回収などをベースにストーリーを進めていく。
今作の新要素として現実世界と眠りの家(夢の中)を行き来することによるストーリー展開や、現実世界へ戻ることでの回復などがある。
またこれもシリーズ恒例であるパズルによる謎解きは新しいパズルに加え、前二作で登場したパズルもパラメータを変えて再登場している。
演出
主題歌『聲』は前作・零〜紅い蝶〜に引き続き天野月子が作詞・作曲・歌唱を担当。
ストーリー
黒澤怜はフリーのカメラマンである。ある日、彼女は取材の為に朽ちた廃屋に訪れる。そこで雪の降りしきる巨大邸宅の白昼夢を見た。そこにいたのは彼女が起こした交通事故により亡くした恋人・麻生優雨であった。その日から彼女の眠りは不気味な夢に侵されていく…。
登場人物
主人公たち、主人公たちに関わる人々
- 黒澤怜(くろさわれい)(声:皆川純子)
本作の主人公の一人。フリーのカメラマン。 23歳。
自身が起こした交通事故により恋人・麻生優雨を亡くす。
零~紅い蝶~に登場した黒澤家との関係は不明。
魅力的なヒップと美乳とシャワーシーンでファンを悩殺する。 - 麻生優雨(あそうゆう)(声:黒田崇矢)
黒澤怜の恋人であった。黒澤怜の起こした交通事故により死亡している。
眠りの家に現れ、黒澤怜を屋敷の奥へと導いていく。
雛咲真冬、 天倉螢とは仕事仲間だった。
射影機を開発した麻生邦彦の子孫である。 - 雛咲深紅(ひなさきみく)(声:わくさわりか)
本作の主人公の一人。黒澤怜の助手・家事手伝いをしている。19歳。困った顔がたまらん。
基本的に(なぜか)家から出れない怜に代わりいろいろ調べてきてくれる。あと黒猫を飼っている。
零シリーズ第1作、零~zero~の主人公。
氷室邸の事件の後、霊的な能力は見られなくなっていた。しかし眠りの家に引かれる黒澤怜の影響を受けるかのように霊的な能力が復活。自身の兄への想いも重なり眠りの家に囚われる。 - 雛咲真冬(ひなさきまふゆ)(声:金丸淳一)
雛咲深紅の兄。故人。
零~zero~において氷室邸を封じる霧絵に寄り添うために霧絵と運命を共にする。
麻生優雨、 天倉螢とは仕事仲間だった。 - 天倉螢(あまくらけい)(声:織田優成)
本作の主人公の一人。ノンフィクション作家。26歳。
零シリーズ第2作、零~紅い蝶~の主人公である天倉澪、天倉繭の叔父にあたる。
眠りの家に囚われた天倉澪を助けようと調査をするうち、自身も夢に引きずり込まれた。
麻生優雨、雛咲真冬とは仕事仲間だった。
すんごい脚力の持ち主であり、操作できる主人公の中では最も足も早いが、代わりに割と致命的な欠点がある。
ところでほぼ初対面の怜をいきなり呼び捨てにするってなにごt - 天倉澪(あまくらみお)(声:神田朱未)
零~紅い蝶~の主人公。
皆神村の事件で自らの手で殺害してしまった天倉繭への思いにより眠りの家に囚われている。 - 天倉繭(あまくらまゆ) (声:川澄綾子)
零~紅い蝶~の主人公。
天倉澪の双子の姉。皆神村の事件において死亡。
眠りの家に関わる人々
- 久世零華(くぜれいか)(声:皆川純子)
人々の痛み、柊を刺青として引き受ける刺青の巫女。
柊を刻む役割を終え眠りにつこうとしていたが、そこである悲劇を目撃してしまったことにより「破戒(ハガイ)」が引き起こされ、怨霊となって眠りの家を彷徨うことになった。 - 久世鏡華(くぜきょうか)
久世夜舟の娘であり、乙月要、雨音の実の母親。ニイナエとして招かれた柏木秋人と恋に落ちるが、
秋人の死を知らず、悲しみに暮れながらも帰りを待ち続けている。
秋人との間にできた赤ん坊、要を外の村へと逃がしたことが、後の悲劇の一端を担うことになる。 - 久世夜舟(くぜやしゅう)
久世家当主。零シリーズ初の女当主。眠りの家のいろんなところで寝てる。
儀式のために零華の目の前で乙月要を殺害する。直接的に破戒の引き金を引いた人物である。 - 乙月要(久世要)(おとつきかなめ、くぜかなめ)
柏木秋人と久世鏡華の間に生まれた忌子。
久世家では男児は殺される決まりだが、鏡華によって外の村に逃がされ、そこで零華と知り合う。
眠りにつこうとしている零華にひと目逢うため、実妹・雨音の助けを借りて零華の元へたどり着くが…。 - 柏木秋人(かしわぎあきと)
(実在していた頃の)眠りの家に招かれた客人。民俗学者。柏木は久世家の調査を希望しており、ニイナエを求めていた久世家と利害が一致した。天倉螢に容姿が良く似ていたという。
眠りの家に囚われた人々
- 瀧川吉乃
航空機墜落事故のただ一人の生存者。事故により家族や恋人(吉乃の日記に「直哉」という名が記されている)を亡くす。「生き残った」ことへの自責の念から眠りの家に引き込まれる。
物語の序盤では病院で眠り続けたまま夢に囚われていたが、その後に完全に眠りの家に取り込まれ怨霊と化す。
現実世界に最初に浸食した怨霊となる。本籍地はサイレントヒル静岡県。
『わたしは 悪くない。
好きで生き残ったんじゃない。』 - 浅沼切子
強盗に自分以外の家族を殺され、隠れていた押入れから出られなくなっていたところを救出されるが、 その後眠りの家に取り込まれた怨霊と化す。床下、押入れ、さらには現実世界にまでしつこく怜を追いかけてくる。
眠りの家
眠りの家とは
かつての久世家の事。
現在では、死者に会う事が出来る都市伝説として語られている。
『死者に強い想い』を持っている人がこの家に誘われてしまう。
この家に誘われた者は体中に刺青が広がる幻覚を見始め、眠りに落ちている時間が増え、最終的には煤だけを残し消えてしまう。
怜は優雨への想い、深紅は兄の真冬への想いにより眠りの家へと誘われてしまう。
また、『都市伝説「眠りの家」』のファイルによれば『眠りに落ちた人が恋人や友人の夢を見たら、その人を眠りに誘ってしまう』とあるので、眠りに落ちた澪が夢で螢を見てしまったために螢も眠りの家に誘われる。
眠りの家の儀式
刺青の巫女
代々刺青の巫女は、久世家近隣で身寄りを失くした娘を巫女とする。
つまり、零華も元々は久世家とは関係のない家に生まれていたことになる。
迎えられた巫女は刻宮で人々の柊(ひいらぎ)を刺青という形でその身に刻む。
柊とは、人々の『死者に対する想い』であろうと推測される。(刺魂ノ儀)
柊を刻み終わった巫女は、四肢を鎮女により杭で穿たれ、柊を沈めるために永遠の眠りにつく。(戒の儀)
刺青の巫女が自らの柊を残してしまった場合、刺青を刻んだ巫女の皮膚を剥ぎ、その身は涯に捨てられる。
剥いだ皮膚は祠に祭り、そこに刻まれた柊が涸れるよう、鎮め歌を歌って祈る。(逆身剥ギ)
破戒
戒の儀が失敗してしまった際に起こる厄災。
全ての柊が返され、門が開かれ狭間が漏れだしてしまう。
今回の厄災が起こった原因も、結構切ない。
謎
黒澤怜に射影機を差し出した手は誰の手なのか?
正確に記されているところはなく、未だに不明。
優雨ではないか、という説もあるが、あの射影機の元々の保有者は柏木秋人である。(紫の表紙の日記一より)
よって、柏木秋人の手ではないかとも言われている。
一番の有力説は制作スタッフではないかとも言われている。
関連動画
関連項目
外部リンク
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