電波ジャック単語

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デンパジャック

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電波ジャックとは、

強い不法電波を発射することで使用中の放送波を上書きする行為。本項で詳説。
同一人物または同じ事例についての話題が複数の放送局や放送の一定時間を占めることを指す俗語。

概要

電波帯域の乗っ取り(ハイジャック)を指す。正式な用語ではなく俗語に近い。

理論としては比較的簡単である。高出力の電波発信設備を使用し、本来の放送波と同じ周波数、同じ変調方式の信号を送出することで、本来の放送に強引に割り込んで実行者が意図した映像や音声を"流しこむ"ものである。政治的な内容を「放送」するために電波ジャックが行われた事例が多いようであるが、「マックス・ヘッドルーム事件」（実例の節に詳述）のように意味不明のものもある。

理論は簡単であるが、例えばテレビ電波などは東京タワーから発信されていたアナログ波は50kWもの出力があり、これを重畳して乗っ取るためには超高出力の送出設備が必要になるため特定されやすい。このため実際に実行された例は少ない。当然ながら電波法違反として法的責任を問われる可能性が高い行為であり、実行にはかなりのリスクが伴う。
なお、デジタル放送は暗号化が行われているため、実行は不可能に近いと言われている。

似たようなものにジャミングがあるが、これは純粋に通信の妨害のみを目的としてノイズや音楽などを送信することであり、送信内容にこれといった意味は無い。

実例

国内外における実際に電波ジャックが行われたとされる例をいくつか述べる。

発生年	発生国	ジャック対象	容疑者	内容
1977	イギリス	テレビ波音声部サウザンテレビジョン	不明	銀河系協会の代表を名乗る謎の人物からの演説音声が重畳して流された。
1978	日本東京都	テレビ波 NHK総合テレビ	某政治主義者?	東京において、某政治主義者の演説が10分程度に渡って流された。
1985	日本東京都杉並区	防災無線	不明	東京杉並区において、東京都議会議員選挙の候補に対する中傷が放送された。該当候補の支持母体に敵対する政治主義者によるものと考えられているが未解決。
1986	アメリカ	テレビ中継用電波 Home Box Office	ジョン・マクドガル	通称キャプテン・ミッドナイト事件。キャプテン・ミッドナイトを名乗る人物によって、競合CATV局を視聴することを勧めるメッセージが表示された。HBOのサービスに不満を持っての実行であった。ちなみにジャックされたのはロングアイランドからの電波とのこと。
1987	日本東京都	テレビ波 NHK総合テレビ	不明	東京都議会議員補欠選挙の候補に対する中傷が放送された。
1987	アメリカシカゴ	テレビ波 WTTWテレビ	不明	通称マックス・ヘッドルーム事件。同名番組のキャラクターに扮した謎の男が意味不明な言葉を喚き散らし、尻を出して女性に叩かせる映像が映し出された。
2007	チェコ	テレビ波チェコテレビ	Ztohoven	山間の街の風景を写している長閑なパノラマ映像が突然ホワイトアウトし、やや後にキノコ雲が上がる映像が写ってそのままノイズに消えるという内容の映像が映し出された。容疑者であるZtohovenは所謂ゲリラアーティスト。
?	アメリカワイオミング州?	テレビ波とされているが詳細不明	?	通称ワイオミング事件(ワイオミング・インシデント)。「333-333-333 We Present A SPECIAL PRESENT ATION」という文字列に続き、謎のメッセージ、そして男性の頭部のアニメーションが流され、再び「333-333-333…」に戻る、という意味不明な映像が流された。アメリカのワイオミング州で発生したとされているが、具体的にいつ、どこの局がジャックされたのかの情報がなく、その後この映像の作者から創作であり実際に事件は起きていないことが明かされている。