漢字として
- 意味
- 雨が降る、(令と通じて)善い。
- 霊と通じて使われる。
- 〔説文解字・巻十一(段注本)〕には「雨𩂣(ふ)るなり」とある。また〔詩経・豳風・東山〕から「霝雨其濛」を引用する。なお現在の〔詩経〕のテキストでは、霝が零になっている。〔段注〕は、雨については霝𩂣といい、草木について零落といって区別があると指摘している。
- 字源
- 雨+𠱠(三つの口が並んだ漢字)の会意。〔説文〕には「雨、𩂣形を象る𠱠に从(したが)ふ」とあり、𠱠が雨粒の象形であるとする。ほかに「𩂣形」ではなく「雹形」であり雹の象形とする説もある。
- ほかに、白川静は、口は祝禱に使う道具を表すもので、霝は雨乞いの儀式を表すとする。霝が雨乞いで、そうして降るのが𩂣・零だという。
- 金文では、霊の意味で霝や霝+心、霝+玉、霝+示という形の字が使われており霊の初文にあたる。
- 音訓
- 音読みはレイ、訓読みは、あめふる、おちる。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0212補助漢字。
- 意符
- 霝を持つ会意字に靈(霊)、孁がある。
- 声符
- 霝を声符とする漢字に蘦、酃、櫺、𧕅、𦉢、麢、醽、𩖊、龗がある。
- 語彙
- 霝雨・霝冬・霝命
異体字
- 2
- 0pt