単語記事: 顧客が本当に必要だったもの

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今週のおすすめ この記事は第198今週のオススメ記事に選ばれました!2012年4月3日
よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。

概要

顧客が本当に必要だったもの」とは、ITビジネスにおける多難なシステム開発プロジェクトの姿を刺した絵に登場する、オチの部分のフレーズ。顧客が期待した通りのシステムとして完成しなかった原因は、開発側の勝手な思い込みや都合の押し付けだと思いきや、そもそも最初に顧客が説明した要件からしてズレていた、というオチ
つまり、顧客自身にも自分が必要とするものが分かっていなかったということ。(さらに踏み込んで言えば、開発者側もそのことに気付けず摘できなかったということ。)

以下のような場面に分けられており、ブランコが設置された木のイラストが(IT業界向けとしては)オリジナルだが、絵を差し替えてIT以外のシーンでも使われている。ブランコの形態はソフトウェアシステムの構造・機・使い勝手・規模などを喩したものである。


顧客が説明した要件

プロジェクトリーダーの理解

ナリストの設計

プログラマコード

営業の表現、約束

プロジェクトの書類

実際の運用

顧客への請

得られたサポート

顧客が本当に必要だったもの

この類の刺画は他にも様々な業界向けのバリエーションが存在するが、大元をたどると1970年代アメリカの産業界で既に広まっていた有名な刺画(作者不詳、モノクロ線画ブランコは6種類描かれている)から説明文変するなどして生み出されたパロディのようである。
その当時の風刺画をIT以外の業界で引用していた有名な(書籍の)例としては、建築都市計画についての解説書『The Oregon Experiment 』(1975年・邦題:『オレゴ大学実験』)がある。後に(本人は意図していなかったが)ソフトウェア業界において「デザインパターン」を生むきっかけを作ったことでも有名な建築家クリストファーアレグザンダーの著書のひとつでもある。

解説絵参考リンク

それぞれの絵が意味するところ

これらの絵から読み取るべき意味については、これといった公式で厳密な答えは存在しない。
以下は勝手な解釈のほんの一例。
※他にいい解釈・補足などございましたらしたら掲示板でご教示願います。

顧客が説明した要件
ちょっと機過剰(?)なブランコの製造依頼。一度に3人乗るつもりだろうか。
明らかにピントのズレたシステムを提案する顧客。どこかで似たようなものを見聞きしたのだろう、素人考えレベルシステム提案といったところか。問題解決をめている当事者でありシステムを使う立場なのだから、と自信を持って提案しているのかもしれない。もちろんを払う立場でもあるのでシステム開発を請け負う側もあまり批判的なことは言えない状況が多いかもしれない。
それでも顧客自身に最終的な問題解決策を提案させてはいけない。それは開発者側が行うべき仕事である。
重要なのは、本当に解決すべき問題の本質とその理由が正しく見極められているのか何度も問い直すことである。だれかがいつの間にか提案した「解決策」らしきものに考えなしにいきなり飛びついてはいけない。
プロジェクトリーダーの理解
木にぶら下がったブランコが欲しいという顧客の要なんとか理解できた。そして顧客の提案にある非現実的な部分は専門として排除したつもりだが、それでもまだ動くかどうか疑わしいブランコの構想。ちょっと技術を知る人が側にいればその妥当性を検できるのだがそういう体制はないようである。
顧客にいちばん近い位置で開発に必要な情報を取り入れ、顧客のためのシステムを提案し、開発チーム完成品のビジョンを共有させる立場(のはず)。ここで既に顧客との意思の疎通に齬が発生している。また実際に動くかどうか分からないシステムが構想されているが妥当性を検する手段を持っていないということなのか、検している時間がないのか、それでなければ自信過剰というところか。
ナリストの設計
プロジェクトリーダーの構想のままではブランコが動かないことに気づいたのでブランコなんとか揺れることができるように良(?)されている。
プロジェクトリーダーの意図はとりあえず反映するが、そもそも当初の見通しが間違っているため顧客の要と両立させるために不自然んだシステムが設計される。妥当性を検し上流工程に差し戻してやり直しを要することは立場として難しいのか、あるいは腕の見せ所とり切った結果か。
また、意味に新技術を導入したがる設計者が多いのも問題かもしれない。
プログラマコード
木の幹にブランコが繋がれている状態。第三者のにはかなり異様なに映るがさっさと仕事を終えたいプログラマは気にしない。一昔前なら「ステップ数でこれだけの進捗がありました」と報告するような職場での仕事ぶりだろうか。
これがブランコの設置だからまだ見た分かりやすいが、プログラマの労働の成果であるプログラムの構造や動作を第三者が手く評価したり欠陥を見抜くのは容易ではない。 設計者の意図は正しくプログラマに伝わっておらず、まともに動かないシステムが生まれゆく状況である。木とブランコが「とりあえず繋がっている」ので、「間違ってはいない」レベルで設計が実現された状態。プログラマが顧客の要を知る術もない。ここでも成果物の妥当性を検する機会はないようだ。成果は見かけ上増えていくが後々捨てられる部分が大半を占める。
営業の表現、約束
ファを搭載した無駄に豪ブランコ。第三者のにはかなり異様なに映るが売り込みに熱心な営業担当者は気にしない。
本質的でない上に過剰な機の搭載を売り込む営業。製品はまだできていないんだから何とでも言える。また、顧客の要望が廉価なタイヤなど、枯れた技術の水平思考で代用実現できる可性に仮に気づいていても、絶対に営業側から顧客に言い出すことはい。顧客側から「もっと安く代替できるのでは?」と摘されても「でもこちらのソファの方がお尻が痛くないですよね。」と誘導していく。なるべく高価で大量に機を盛り込んだプラン契約を取るのが彼らの仕事だからである。顧客が技術的なことを理解できない場合はなおさら有効なのだろうか。
ところで営業担当者たちは実際の開発現場とどんな交流があるのだろうか? たぶんほとんどない。というよりも、営業本人が技術的なことを全く理解できてない場合も多く、マネジメントの知識すらないこともある。つまり、「こんな凄いことがたったこれだけの工数でできてしまうんです!!」「変更(追加)ですか?任せてください!簡単なことですよ!!」となんの根拠もなく豪するのだ。競合他社がいる場合、知ってても投げ捨てることすらある。とりあえず取れれば自分の手柄になるのだから後のことは知ったこっちゃない。当然開発現場は阿鼻叫喚である。もちろん彼ら自身は定時後及び休日を有意義に楽しむ。

プロジェクトの書類
ブランコの開発に関する記録が何もない。なにかしらそこに存在した跡はあるようだが・・・という状態。
振り向けば開発に関するドキュメントの類が一切残っていない。仕様コロコロと変わるため記録しても意味がないのかもしれない。しかも顧客から次々とやってくる追加要を安請け合いして情報量的には膨らんでいるかもしれない。また開発スタッフも、仕様書を丁寧に書いたところで開発成果に直接繋がらない上に上からもそんな仕事は評価されないためも書きたがらないのだろう。後々開発メンバーが交代したりするとシステム保守良がやり難くなる一因にもなるはずだが。
仮に設計段階において綿密に仕様が検討されドキュメントがしっかり整備されていたとしても、当初の設計では想定していなかった振る舞いがシステムの動作試験の段階になってから発見されることがある。そうなると、システムは再設計を余儀なくされコードも書き直されていくため、オリジナルの設計書の内容は覆され陳腐化してしまう。そもそも「設計書、仕様書は物ができたあとに、物が動くとおりに書くものである」ということが、ごく普通稀によくある

実際の運用
ロープ一本だけが枝からぶら下がっている。とりあえず、枝からぶら下がって揺られて遊べる。辛うじて遊具の体をなしている状態。腕のが弱い人・体重の重い人には厳しい遊具である。
当初の設計案をすべて盛り込むには納期に間に合わないと判断され、予定よりも大幅に縮小された機だけを載せて納期に間に合わせて顧客へ渡った状態。約束されたシステムとは程遠い不全で使い勝手の悪い状態で顧客は運用を強いられることとなる。顧客の日常業務がこのシステム依存・維持させるために、システム導入前とは別の手間とコストかかるものにならないか心配である。この時点で、一体何のためにシステム導入を検討していたのかを覚えている人も少なくなっているのではなかろうか。
顧客への請
ジェットコスターらしき遊具。
ブランコの設置なのに遊園地アトラクションの建造費用レベルの法外な請額ということか。初期の設計にあった仕様すら満たしていないというのに。
もしくは、『高速で乱高下する』ジェットコスターの様を請額に例えて、「別途料追加の連続で、当初の見積額からうなぎ登りに上昇」→「運用開始した顧客や世間に実態がバレてかれだした途端、運用自体は何も変えてないのに急に安くなる」という手の平返しを皮っているのかもしれない。

得られたサポート
切りだけが存在する。あるいは、ブランコが設置された木が根本から切り倒されてしまった状態。「実際の運用」にあたって顧客からの「ロープに腕だけでぶら下がるのは余りにも辛いので、とりあえずは『掛けて』楽に使えるようにしてほしい」という要望に、サポート担当者が場当たり的に対処した結果にも見える。
このように、システムの存在を根幹から台なしにするような不適切なサポートが行われた結果か。あるいは、顧客が実際に受けることのできたサポートの質や量・期間がこの程度のショボいものだったということか。もっと最悪の場合、「木画(企画)倒れ」「サポート打ち切り」「システム運用自体の打ち切り凍結・放置」という事態とも受け取ることができる。
顧客が本当に必要だったもの
タイヤをぶら下げたブランコ。本物のブランコほどではないが、木にぶら下がって(腕に負担をかけず体重を預けた状態で)揺れて遊ぶという本来の要を十分に満たす機を持った遊具。おまけに本物のブランコよりも安上がりな実現方法である。もちろん材料のタイヤも新品である必要はない。顧客がパンダであろうと申し分ないはず。
顧客には見えていなかった理想的製品像。ひょっとしたら開発者側も見えていなかった可性も大きいが、開発者側が探り当てて提示すべき到達点。
それでも現実問題として、タイヤを使ったブランコ遊具(顧客に必要な機は十分に盛り込んでいるシステム・最新技術とは言い難いがお値段お手頃)を顧客が、「これで十分、わが社に導入するには最適」ときちんと理解・納得して受け入れるのか?という疑問は残るのであるが。

どうすればよかったのか?

このように、「顧客が本当に必要だったもの」を実現するのはとても難しい。実際、この寓話が示すにハマって「失敗を達成」したり、デスマーチに陥るプロジェクトは後を絶たない。

システム開発の本質的な困難さは、関係者の意思疎通(コミュニケーション)にある。必ずしも、開発側の分析や技術の不足だけが原因ではないのだ。

では、どうすればよかったのか?

一つの回答は、「顧客が本当に必要なもの」をあらかじめしっかりと分析して顧客と合意すると共に、プロジェクト関係者の間でそれを共有すること。正しいゴールが設定され、共有されていれば、全ての関係者がそれに向かって作業すれば良いだけなのである。

しかし、現実には、その「正しいゴール」を見極めるのが最も難題だったりする。特に、予見可性の低いビジネス分野においては、全関係者が一丸となって「誤ったゴール」に向けて邁進する、という羽になる可性は高い。また、過去の開発・運用経験や他者の成功事例の見聞に引きずられて、現在解決すべき独自の問題を(意識に)それらに理やり当てはめて解決を図ろうとする恐れもあるだろう。

そのため、もう一つの回答として、近年アジイル開発と呼ばれる手法が提唱されている。一口に「アジイル」といっても厳密な定義はないのだが、だいたい、以下のような原則に沿った開発手法の総称だと思ってくれればいい。

「顧客が説明した要件」が製品になるまでの期間が長くなるほど、それが顧客が本当に必要だったもの」とズレていた時の被も大きくなる。そもそも、「顧客が本当に必要なもの」は、開発が進んで製品が形になってきた段階で初めて分かることも多い。

これを避けるために、機を一つずつ完成させて短い期間でリリースしていき、その度に顧客からフィードバックを受けて方向修正していく。こうすることで、「顧客が必要としないシステム」を作ってしまうリスクを減らそうというわけだ。

余談だが、ニコニコ動画のようなウェブサービスの開発についても似たような議論があって、トヨタ自動車の「トヨタ生産方式」にインスパイアされた「リーンスタートアップ」という手法が提唱されていたりする。

ニコニコ動画:Zero に置き換えてみると

当記事掲示板>>63参照。

  1. 顧客が説明した条件:もっとニコニコしやすいサイトにして欲しい
  2. プロジェクトリーダーの理解:「NICONICO:ZERO」とかスタイリッシュにすればいいんじゃね?
  3. アナリストの設計:プレイヤースタイリッシュにしてシャレた機も付けようぜ!
  4. プログラマコード:負荷度外視で言われたの全部盛り込んどいた。
    見れない低スペックは帰ればいいんじゃね?
  5. 営業の表現:ZERO原点回帰!みんなニコニコしようぜ!
  6. プロジェクトの書類:超会議でそれどころじゃない。そのまま運用しとけ。
  7. 実際の運用:生放送マイページ以外爆死
  8. 顧客への請額:有料会員限定で先行体験可です^^
  9. 得られたサポート:話だけならフィードバックで聞いてやんよ(※但しZeroにしないとアクセス不可)
  10. 顧客が本当に欲しかったもの:治外法権

ニコニコでは他にもアイマス9・18事件などのどうしてこうなった、あるいはどうしてこうならなかったという状況を表すタグとして使われることもある。だがこの刺画の意味する所は、顧客が望まない状況を作った原因は顧客自身にもあるという事であり、単に開発側を非難するタグとしては好ましくないかもしれない。

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読み:コキャクガホントウニヒツヨウダッタモノ
初版作成日: 10/09/26 04:27 ◆ 最終更新日: 13/10/11 20:09
編集内容についての説明/コメント: 治外法権に戻してみる
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顧客が本当に必要だったものについて語るスレ

238 : ななしのよっしん :2014/06/15(日) 09:56:32 ID: uR+x+ZY08C
何か必死で「顧客が悪い、組織様にほとんど非はい」って方向に持って行きたがってるが何人か居るな…
どう考えても顧客が本当に必要だったものを聞き出せなかった時点でプロ失格なんだが。
239 : 188 :2014/06/16(月) 23:41:09 ID: EyrP8+IZ6y
久しぶりに見にきたらちょっとレスがついてたので

この話は詰まる所「どう転んでもこの世に皆が幸せになれる楽園なんて来ない。諦めよう」っていう、教訓にもならないニヒルな提言なんじゃないかと思います。
(で、それがどうしても許せない、みんな幸せにしてやるって人は施工側になりましたチャンチャン・・・という・・・ガハハハ)
240 : ななしのよっしん :2014/06/24(火) 04:19:55 ID: cTZJVgmEkC
>>sm9729830
241 : ななしのよっしん :2014/06/26(木) 01:42:57 ID: gGbd0m9u82
たまたま対が「」というモノだから大問題になるわけで
現実には「営業の表現・約束」のデータインチキだった!だまされた!ってのは日常的に起こってるんだろうなぁ
242 : ななしのよっしん :2014/07/17(木) 18:34:48 ID: EK8yxmY8UE
これって所謂BtoB(Business to Business:企業間)取引の話だから
不特定多数の消費者向けの話とはちょっと違ってくるんだよな
顧客からのコミュニケーションが難しいし
243 : ななしのよっしん :2014/07/22(火) 13:33:03 ID: dlpF1S2EZo
「実際の運用」じゃなくて「実装された運用」だろ?
244 : ななしのよっしん :2014/07/24(木) 09:32:43 ID: Ix1/+WDD9D
アニメだったとしたら顧客という言葉をテレビ局とかレーベルとかに置き換えれば同じように考えられるかと
アニメ制作会社にとって最初にお金を出してくれるのは視聴者じゃなくてそういった製作委員会に名前を連ねるような会社だからね
245 : ななしのよっしん :2014/07/26(土) 17:05:57 ID: n+C1DjlRLU
「ちょっと都合で期限大きく減らすから」
と言うのを期間中期で言い放たれるとまず死滅する
246 : ななしのよっしん :2014/07/29(火) 22:44:55 ID: 1MnDvIgwBF
なんだかんだでほしいのは、動画システムじゃなくて悪質ユーザーに対する対処法の強化だよな。
嫌なユーザー動画検索等で表示しないようにするとか。
が嫌でもそのユーザーが好きな人もいるわけだし、
自分だけが見たくないならユーザー個人個人で動画を表示しなくするシステムがほしい。
つまりNGユーザー動画版ってところだな。
247 : ななしのよっしん :2014/07/30(水) 22:21:46 ID: vX5wcJG9wp
何か顧客と企業の対立みたいに話しているのもいるが、
権限持ってたり顧客に直接接する極一部の勝手で、
顧客だけでなく同企業の人間も多大な迷惑を被るって事も考えて欲しいものだ。
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