高機動型ゲルググ(MS-14B)とは、メカニックデザイン企画『MSV』『MSV-R』に登場するMSである。
この記事ではMS-14BR 高機動型ゲルググR型も解説する。
概要
GELGOOG HIGH MANEUVER MODEL 高機動型ゲルググ |
|
---|---|
型番 | MS-14B |
頭頂高 | 19.2m |
重量 | 53.5t / 76.8t(全備) |
出力 | 1,440kw |
推力 | 79,900kg |
搭乗者 | ジョニー・ライデン ヘルベルト・フォン・カスペン ユーマ・ライトニング エリク・ブランケ 他 |
兵装 | ビーム・ライフル |
ビーム・ナギナタ | |
ロケットランチャー | |
ジャイアント・バズ | |
ラッツリバー3連式ミサイル | |
シールド |
MS-14「ゲルググ」の背部に増速ブースターパックを装備し、初期加速性能を強化した高機動バリエーション。
背部オプション・ラッチに備えたパック(パネル)の取り外し一つで改修が済む等、ゲルググのユニット構造を活かしている。ジオンのバリエーション機の中では最も簡略的かつ単純な改修工程である。
増速ブースターパックはMS-06R「高機動型ザク」の設計を踏襲し上部にプロペラントタンク、下部にメインノズルを配置。更に両サイドにスラスター、上部にフィックスド・スラスターを搭載している(パックはスイッチ一つでパージ可能)。
最初期に作られた12機のゲルググB型はYMS-14「先行量産型ゲルググ」をベースにした先行量産試作機で、エースを集めた突撃機動特別編成大隊「キマイラ隊」に配備された。キマイラ隊の稼働データはゲルググ量産型に随時フィードバックされ、完全に反映される頃には83機のA型、67機のB型がロールアウト済みだった。
代表的な搭乗者に挙がるのは≪真紅の稲妻≫ジョニー・ライデンをはじめとするキマイラ隊所属パイロットや、インビジブルナイツのエリク・ブランケ。また≪赤い彗星≫シャア・アズナブルがB型に乗ってア・バオア・クーから脱出している。
なおヘルベルト・フォン・カスペン機は資料だとMS-14と記載される事が殆どで、高機動型ゲルググという分類に含まれない可能性もある(後述)。
『MS IGLOO』に登場したものは出力を多くランドセルに回すためか、ビームライフルの代わりにミサイルランチャーやジャイアント・バズを装備した。
主な専用機
- ジョニー・ライデン
>『MSV』に登場。先行量産型からの改修組であるジョニーのB型が1号機とされる。時代が時代なら赤いゲルググというワードで真っ先に名が挙がるのはシャアではなくこのキャラだろう。0090年のレッド機については後述。 - ユーマ・ライトニング
>『MSV-R』に登場。ライトブルーのカラーが特徴。映像(写真)ではジャイアントバズ、ラッツリバー3連ミサイルポッド、ビームライフルを装備。頭部センサー、脚部はC-1A型のそれだが頭部デザインが微妙に異なる。MS-11時点の試作品の流用、もしくはFDE(全機能開発試験機)部品の流用、レトロフィック説がある。
>搭乗者のユーマはキマイラの中でもイングリッド0同様の年少組だが、後の強化人間の先駆けとなった第一世代強化人間と呼ぶべき人物である。強力な感応波こそ無いが身体能力は強化されている。 - ヘルベルト・フォン・カスペン
>『MS IGLOO』に登場する本作屈指のツンデレおじさん、ヘルベルト・フォン・カスペン大佐のゲルググ。増速パックと呼べる物はメインスラスター以外が省略され、簡易的な高機動型ゲルググになっている。MS-14Bの型番は与えられておらず、一説によるとあくまでゲルググA型の追加装備扱いとか。
>ア・バオア・クーから脱出する友軍を援護する為にヨーツンヘイムから出撃。機体を盾にして味方を守り、全身に実弾の直撃を受け、爆発するという壮絶な最期を遂げた。待たせたな、ヒヨッコ共! - ファラク
>『ブレイジングシャドウ』に登場する白銀のB型。一年戦争後のジオン残党「ファラク」が使用。脚部バーニアを増設して後部にプロペラントタンクを装備している。脚部の仕様だけ見てみれば後述するBR型に近い。
>宇宙海賊「シュテンドウジ」との戦闘で破損した機体は右腕をズゴックの様なコンバットネイルに換装した。シュテンドウジ側はこれまでトサカと呼んでいたが、こちらはシオマネキと区別される。
ゲルググR(高機動型ゲルググ改)
GELGOOG BR 高機動型ゲルググR型 |
|
---|---|
型番 | MS-14BR |
頭頂高 | 19.2m |
重量 | 53.5t / 76.8t(全備) |
出力 | 1,440kw |
推力 | 79,900kg |
搭乗者 | ジーメンス・ウィルヘッド エメ・ディプロム デビット・チェイスマン ヴィンセント・グライスナー レッド・ウェイライン ユーマ・ライトニング |
兵装 | ビーム・ライフル |
ビーム・ナギナタ | |
ロケットランチャー | |
ジャイアント・バズ | |
ラッツリバー3連式ミサイル | |
シールド |
先行量産型ゲルググの中には本体に改造を施したタイプも存在した。
MS-14BRはキマイラ隊からのオーダーを受け、脚部装甲を一部取り除いて高機動型ザクⅡを想起させる大型スラスター付きに変更し、機動性を更に高めたカスタムメイドである。
ゲルググRは正式名称ではなく高機動型ザクとの類似性から付けられた通称。先行量産型ゲルググ自体が高機動型ザクの発展機みたいな物なのでデザイン的に正統進化とも言えるかもしれない。
高機動型ザクで提起された推進容量不足は相変わらずだったらしく稼働時間は短縮してしまったが、搭乗者は選りすぐりのエースパイロットであるため推進剤を切らせる事例は無かった様子。
ジオニック社で製造された2機とキマイラ隊が受領したB型から改良された1機に加え、『ミッシングリンク』に登場する青いBR型が存在する。
ミッシングリンクの青いBR型は、元々はア・バオア・クー攻防戦に向けてキマイラ隊が追加発注した予備機だったが、ジョニー・ライデンの好意からマルコシアス隊のヴィンセント・グライスナーに譲渡されたという設定である。
キマイラ隊のBR型は、ここから個別チューンが施された状態だった。
キマイラ隊にはとある思惑から整備士、各社の技術者、約三百数十名が集まり最新設備など万全のバックアップ態勢が敷かれているが、BR型のように改修のせいでかえって稼働時間が低下した事例もあった。
武装はグレネードランチャーとビーム・ライフルの複合装備に簡易ミサイルランチャー、腕部ラッツリバー3連装ミサイルポッドといったオプション装備。複合ビーム・ライフル等はゲルググ・キャノンの様に肩に装備出来る。
一年戦争中の搭乗者はジーメンス、エメ、デビットのキマイラ組にマルコシアス隊のヴィンセント。
高機動型ゲルググ改(U.C.0090年仕様)
『MSV-R』の公式派生漫画『ジョニー・ライデンの帰還』にはU.C.0090年の技術でAE社が新規製造したジョニー・ライデン専用機と、既存機を改修したと思われるユーマ・ライトニング専用機が登場する。
ジョニー機はユーマ・ライトニングがジョニー(レッド・ウェイライン)の為に用意した機体。外見は旧式だが、コックピット内は全天周モニターやアームレイカー式の別物となっている。ユーマ機も外見だけ旧式の最新鋭機でジオン系と連邦軍の技術・資材を用いており、マグネットコーティング、フィールドモーターなどを採用している。
ユーマがゲルググにこだわる訳はあくまでも「ジョニーに自分だと気付いて貰うため」で、彼は10年経ってもジョニー・ライデンの帰還を信じていたわけである。
ゲルググ・ウェルテクス
『ジョニー・ライデンの帰還』に登場。
キマイラ隊次期主力機開発計画「ウェルテクスプロジェクト」にて開発されたアナハイム社製MS。リゲルグをベースにBR型のデータを導入してアナイハイム第二研究事業部が設計したMS-14J Plus「ゲルググ ウェルテクス プラス」と呼ばれる機体を原型機とする。
プロトタイプはガンダリウム合金系装甲が採用された他、アクティブバインダーという巨大なスラスターモジュール兼AMBAC肢を装備。このアクティブバインダーのバーニアスラスターが原型機で2基だったのに対し完成機では3基に増設されている。
ウェルテクスはレッド・ウェイライン(ジョニー)にあわせたカスタムメイドの「テスタロッサ」を1号機とし、その後ユーマ・ライトニングの「キュアノス」、ジャコビアス・ノードの「クサントス」という機体がロールアウトした。
立体化
2020年末、Gフレームでゲルググ・ウェルテクス・テスタロッサが立体化。こちらは別売りの高機動型不ゲルググ改のパーツを使えばウェルテクス・プラスを再現可能。
関連動画
関連商品
関連項目
- 3
- 0pt