鼎の一種であり、丸みを帯びた中空の足を3つもつ。穀物を煮るのに用いた。
漢字として
鬲
- Unicode
- U+9B32
- JIS X 0213
- 1-82-15
- 部首
- 鬲部
- 画数
- 10画
- 意味
- 〔説文解字・巻三〕には「鼎の屬なり。五觳を實(い)る。斗二升を觳と曰ふ」とある。 〔爾雅・釈器〕には「鼎の款足なる、之れ鬲と謂ふ」とある。ほかに、握る、むせぶ、という意味がある。金文では身分を表すのにも使われている。
- 字形
- 三足の鼎の象形。〔説文〕に「腹の交文と三足に象る」とある。
- 音訓
- 音読みは、1.の場合、レキ(漢音)、2.の場合、カク(漢音)、訓読みは、かなえ、へだてる。
- 規格・区分
- 常用漢字でも人名用漢字でもない。JIS X 0213第二水準。
- 部首
- 鬲は部首鬲部を作る。鬲は鼎や釜、煮るという意味の意符として用いられる。
- 声符
- 鬲を声符とする漢字には、隔、搹、槅、膈、翮などがある(カクと読むものが多い)。
- 語彙
- 鬲如・鬲絶・鬲閉・鬲塞・鬲蔽
異体字
- 䰛は、〔説文〕に「鬲、或ひは瓦に從ふ」、〔集韻〕に「或ひは䰛と作す」とある異体字。Unicodeに鬲に同じとある。
- 㽁は、〔説文〕に「漢令の鬲、瓦に從ひ厤聲」、〔玉篇〕に「瓦器なり。今、鬲と作す」とある異体字。Unicodeに鬲に同じとある。
- 䰜は、〔集韻〕に「鬲、―古、䰜と作す」とある異体字。 →䰜
- 𩰲は、〔正字通〕に「鬲に同じ」とある異体字。 →䰜
- 𩱔は、〔集韻〕に「鬲、―或は、𩱔と作す」、〔正字通〕に「鬲・㽁・䰛並びに同じ」とある異体字。
- 鬴は、〔集韻〕に「鬲、―或は、鬴と作す」とある異体字。釜の異体字と同形。JIS X 0212補助漢字。
- 鎘は、〔集韻〕に「鬲、―或ひは、鎘と作す」とある異体字。〔広韻〕に「鎘鎗なり」とある。镉はその簡体字。現在の中国ではカドミウムを表すのにも使われる。JIS X 0212補助漢字。
- 䥶は、〔広韻〕にある「鎘に同じ」、〔正字通〕に「𨬑に同じ。本、鬲と作す」とある異体字。Unicodeに鬲に同じとある。
- 𨬑は、〔字彙〕に「鬲と同じ」、〔集韻〕に「鬲、―或ひは、𨬑と作す」とある異体字。〔康煕字典〕に〔集韻〕を引いて「鎘に同じ」とある。
- 𨯱は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 𩱇は、〔正字通〕に「俗鬲字」とある異体字。
互換文字
- 2
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