魔化魍とは、特撮作品「仮面ライダー響鬼」に登場する怪人の総称である。
概要
自然界には我々が知らない変化(メタモルフォーゼ)の力がある。
例えば、不思議な実を食べたら強くなった、などという伝承は古来より数多い。
魔化魍とは、そんな不思議な力を使って、童子と姫が作り育ててきた異物。
魔物・妖怪・魑魅魍魎といった類をモデルとしており、多くはそれと同じ名称を与えられている。
劇中においても妖怪などとして伝承が残されており、古くより存在していたことが伺える。
多数の種族に分かれており、また同じ種族でも発生地の環境によって外見に多少の差異がある。
そのため、各個体は「屋久島のツチグモ」のように発生地と種族によって呼び分ける。
複数の生物の性質を持っているため、一種のキメラと言っても良い。
基本的には童子と姫と呼ばれる人間の男女に似た存在を伴って出現する。
幼少期は童子たちに餌となる人間を与えられているが、成体になると数メートル級の巨体となり自力で狩りを行う。
成体の魔化魍は鬼たち「清めの音」を叩き込むことでのみ浄化することができ、枯れ葉や土塊として自然に戻る。
中には人間と同程度のサイズにしかならない代わりに高い繁殖能力を持つ種族もいる。
彼らは夏になると頻繁に出現することから「夏の魔化魍」と呼ばれており、不思議な能力を使える場合が多い。
管や弦による音撃は受けると増殖を促す作用があるため、夏の時期になると鬼たちは太鼓の修行を行う。
現代では自然破壊により珍しい存在となっているものの、童子たちを伴わずに発生・成長する種もいる。
また、物語後半では人工的な改造によって本来は持たない能力を付与された個体もいた。
オロチ現象
物語終盤において発生してしまった魔化魍の大量発生現象。
地域や季節を無視して様々な種類の魔化魍が現れ、破壊の限りを尽くす一種のカタストロフィである。
出現した魔化魍のほとんどは響鬼たちと交戦したことのある種であり、着ぐるみとCGの使い回しとも言われた。
しかし、実はオロチ現象による魔化魍は以前とは出現地域が異なっているため、微妙に姿は違っている。
…と言い訳しておこう。
劇場版では、この現象と同じ名前を持つ魔化魍が登場しているが、関係があるかは不明である。
登場した魔化魍
巨大魔化魍
ツチグモ
屋久島地方に登場(ただし、本来はこのような南の島には生息しないらしい)。
虎ようなの胴体と蜘蛛のような手足を持った魔化魍。
山小屋に潜んでおり、童子達がおびき寄せた人間を粘着性の糸で捕まえて喰らっていた。
人間の肉を好み、柔らかい肉を持つ女子供を選別して狙っている様子。
伝承によると、平安時代の武将・源頼光を倒そうとして、逆に退治されたといわれている。
音撃棒の修復のために島を訪れていた響鬼と交戦し、新しい音撃棒による音撃打・火炎連打の型を受けて敗れた。
ヤマビコ
猿のような毛深い身体にオウムのような顔を持った魔化魍。
人間の声を好み、童子によって木の実のように変化した喉の部分を餌とする。
普段は猿のような声で鳴き、周囲の植物を腐らせてしまうほどに危険である。
餌となる人間を見定めるため、山に響いた人間の声を真似て鳴くことがあるという。
この行為が、妖怪・山彦の仕業として伝承され、やまびこ現象の由来になっている。
奥多摩では自慢の怪力を武器に響鬼を攻撃しようとするが、足を狙われて転倒したところを音撃打を受けて倒れる。
小菅では弾鬼が倒そうとしていたが、乱入してきた乱れ童子に捕食された。
バケガニ
作中で最も出現回数が多い魔化魍で、房総半島を筆頭に関東各地で確認されている。
甲殻類のような硬い殻と大きなハサミを持つほか、背中の突起から溶解性の泡を放出して身体を覆っている。
高い防御力を持つが、泡に覆われていない腹部が弱点であり、反転させれば完全に無防備な状態になる。
人間の骨を好んでおり、泡で肉体を溶かして骨だけを食べる。
硬い甲羅を持つため、音撃斬による攻撃が有効であるが初登場時は斬鬼が負傷したため、響鬼が出動する。
響鬼を一度は退け腕を負傷させたが、片腕だけで放った音撃打・火炎連打の型で倒された。
以降は本来の担当である斬鬼や轟鬼の他、装甲響鬼や威吹鬼に倒されている。
劇場版では戦国時代に出現しており、ゲストライダー3人(煌鬼・西鬼・羽撃鬼)の同時攻撃で倒れている。
また、『仮面ライダーディケイド』では響鬼の世界に封印されていた変異体が登場している。
伝承における化け蟹は僧侶や侍に扮して人間を襲うとされている。
イッタンモメン
エイのような横長の身体にツバメのような翼を生やした魔化魍。
水中で育成される魔化魍であるが成長すると空を飛ぶようになり、高速飛行による突風攻撃と長い尻尾を武器に戦う。
人間の体液を好み、尻尾を使って人間を締め上げて体液を絞り取る。
完全に成長していないと、身体が乾いてしまうため長時間飛行することはできない。
奥久慈に出現した個体はこのために有事以外は桧枝湖の湖底に身を隠していた。
完全に成長した後にニジイロヘビに発見され、彼らのを集中攻撃を受ける。
耐えきれずに水中から浮上したところを威吹鬼の音撃射・疾風一閃を受けて倒される。
高萩では童子・姫を伴わずに出現するものの、竜巻を運転しながら威吹鬼が放った音撃射で倒れる。
九州などでは布のような身体で人間を絞め殺す妖怪・一反木綿として伝承されている。
オオアリ
蜘蛛のような身体に蟻のような顔を持った魔化魍。
土の中に潜んでおり、人間を落とし穴で地中に落として捕食する。
単眼と複眼を組み合わせることで暗闇でも活動できる視野を持ち、鋭い大顎と口から放つ蟻酸を武器に戦う。
暗い洞窟の中で響鬼と交戦するが、片側の足を音撃棒で折られて横転し音撃打・一気火勢の型を受け倒される。
大蟻の伝承は現実にも諸説あり、ほとんどは黒蟻の妖怪との記述が多い(ただし、上記の個体の体色は白色)。
オトロシ
100年に1度しか現れない珍種の超大型魔化魍で、サイのような身体にカメのような甲羅を持っている。
重量な身体を活かした突進攻撃が武器であり、幼体の頃は岩に擬態して山道を転がって人間を押し潰していた。
背中の甲羅は相手の攻撃をはね返すだけでなく、手足を仕舞う事で黒煙を噴射して飛行することが可能。
伝承では神社の鳥居の上から人を襲う怪物と伝えられ、神の使いとも言われる。
長い黒髪を持つ姿とされることもあるが、これは噴射した黒煙を見間違えたものと考えられている。
甲羅の目が弱点であり、そこを威吹鬼の音撃射で狙われて横転する。
身動きがとれなくなったところを響鬼の豪火連舞の型を受けて倒れた。
ヌリカベ
カタツムリのような頭を持ち、全身がミノムシの巣のような殻で覆われている魔化魍。
普段は森に同化した状態で催眠性の花粉を放って人間などの動物を誘い込んでいる。
人間が近づくと殻を開いて体内に取り込んでしまい、粉砕ローラーのようにして一瞬でバラバラにする。
木の根のような足を持ち、巨木のような外見からは想像もつなかにようなスピードで移動する。
しかし、この足は弱点でもあり、幼体の頃は突かれただけで逃げ出していまう。
童子たちがいなくなると人里に下りて人間を襲おうとしたが、響鬼に応戦され下腹部に猛火怒涛の型を受けて倒れた。
伝承では道に迷った人間の前に立ち塞がる妖怪・塗壁として伝わっている。
一部では姿は見えないものの、下方をなぎ払うことで追い払うことができるともいわれている。
ウブメ
深海魚のような身体に鳥のような羽を生やした魔化魍。
イッタンモメンと同じく水中で育つ飛行型の魔化魍で、人間の子供を好んでいる。
伝承では妊婦が出産を前にして死ぬと赤子を抱いた妖怪・産女として現れるとされている。
また、人間の子供を自分の子供として育てようとする姑獲鳥という鳥の化物と同一の存在とも言われている。
初登場の鎌西湖では自らを育てた童子が変貌した乱れ童子に幼体のまま捕食されてしまう。
その後はオロチ現象で出現したのみに留まり、魔化魍の中でも扱いが酷い。ウブメたん(´;ω;`)カワイソス・・・
続く浅間山ではクグツの策略でヤマアラシと同士討ちになってしまう。
その後はオロチ現象で登場するのみに留まっており、…
ヤマアラシ
牛のような頭を持ち、背中に動物のヤマアラシような無数の針を生やした魔化魍。
背中の針は飛ばして攻撃するができるが、一度抜けると再生に時間がかかるのが弱点。
腕が退化している代わりに、太く発達した尻尾を使って戦う。
初登場の足尾では新人の戸田山登巳蔵の変身する鬼と交戦。
音撃を放とうとする戸田山を何度も弾きとばずが、彼が自分流の型を見つけると音撃斬・雷電激震を受けて倒れた。
この戦いにより戸田山は、正式に鬼として認められ轟鬼の名前を与えられた。
浅間山ではクグツの策略でウブメと同士討ちになった。
伝承では山の木々をなぎ倒す音を立てる妖怪・山嵐として伝えられている。
その姿は身体に針を生やしており、動物のヤマアラシが元になっているのではと言われている。
オオナマズ
地下の水脈を住処とする魔化魍。
ナマズのような髭を持ってこそいるが、全体的にはチョウチンアンコウに近い姿をしている。
成長すると全身の震動波によって局地的な地震を発生させることができるが、機動力が乏しいのが欠点。
そのため、普段は消化管で繋がった胃袋を体外に排出して操っている。
胃袋は強力な溶解液で地面を溶かして、餌となる人間を地下に落としている。
また、自ら意思を持つような振る舞いを見せ、触手を使って相手を捕えることもある。
地下水路で威吹鬼と交戦すると彼を苦戦させたが、加勢に来た響鬼の攻撃を受けて逃亡。
胃袋は潜んでいた本体の元へ戻ろうとしたが、水中から威吹鬼の追撃を受けて倒れた。
結局、本体は姿を見せることは無く、オロチ現象で出現した際も胃袋のみが地上に姿を見せていた。
地底に潜んだ大ナマズが暴れることで大地震が起こるという伝承はこの魔化魍が元になっているとされる。
アミキリ
ザリガニのような身体に、トンボのような羽を生やした魔化魍。
バケガニに近い姿の魔化魍であるが、昔から発生条件がはっきりしなかった。
しかし、クグツの実験で大量のバケガニが発生したことで、バケガニの変異体であることが判明した。
バケガニ同様に硬い身体と大きなハサミを持ち、背中の羽で飛行することが可能。
バケガニを何体も倒した轟鬼を苦戦させたが、低空飛行中に響鬼の鬼棒術・烈火剣で羽を切られる。
すると形勢が逆転し、轟鬼の音撃斬を受けて消滅した。
伝承では、人間のいない間に蚊帳を切る妖怪・網切りとして伝わっている。
ヨロイツチグモ
榧ノ木山に登場。
強化されたクグツに生み出されたツチグモの亜種で、武者童子と鎧姫によって育てられる。
外見はほぼツチグモと同じだが、胴体が真っ赤に変色している点が異なる。
ツチグモに比べると凶暴化しており、 人間を無差別に襲っている様子。
ツチグモのような粘着糸で絡め取る戦法も可能だが、鋭い牙で直接喰らい付く攻撃を多用する傾向がある。
装甲が強化されており、成体時には威吹鬼・轟鬼・鋭鬼の3人の鬼の音撃を受け付けない強さを見せた。
また、響鬼との戦いでは変身の隙をついて彼を咥えてみせたが、響鬼紅への強化変身の衝撃で口を開けてしまう。
最後は、新技の爆裂真紅の型を受けて倒された。
カマイタチ
奥多摩に登場。
鎌を持ったイタチのような三つ首の魔化魍。
洋館の男女によって生み出された魔化魍であり、それまでの魔化魍とは一閃を画すような外見となっている。
自身をつむじ風に変換することで高速で移動することができ、大きな鎌で次から次へと人間を襲っている。
脅威的なパワーとスピードで威吹鬼を圧倒するが、装甲響鬼の初陣の相手となり装甲声刃の斬撃で両断された。
伝承における鎌鼬は高速で人を切り裂くイタチ妖怪とされるが、その多くは三匹で連携して人を襲うと言われている。
そのため、魔化魍のカマイタチに分離・合体の能力があり、三匹で行動する場合もあると考えられている。
ノツゴ
10年に1度しか現れない希少種の魔化魍であり、朱鬼にとっては両親の仇にあたる。
アリジゴクのような強靭な顎とハサミを持ち、サソリのような尻尾を武器とする。
地中に身を潜めながら成長するタイプの魔化魍で、そのためか目撃例が少ない。
あわゆる音撃を無効にするほどの硬い装甲を全身に持ち、劇中では装甲響鬼の攻撃すら通用しなかった。
口から放つ糸で人間を絡め取って食べるが、その際に一瞬だけ開く口が弱点である。
過去に出現した際は、復讐の鬼となった朱鬼の音撃によって半ば強引に倒された。
このときの出来事が戦いに同行していた斬鬼さんとの師弟関係を崩すことになる。
現代では朱鬼の攻撃で怯んだ隙に、斬鬼さんの音撃斬・雷電斬震を受けて倒された。
伝承では妖怪とも山の神ともいわれ、山の中で人間の動きを封じるとされている。
これは地中に潜んだノツゴの放つ糸で縛られていたためと考えられている。
カエングモ
ツチグモやヨロイツチグモの近種の魔化魍と思われるが詳細は不明。
ツチグモたちの能力に加えて、口から高温の火炎を放つことができる。
オロチ現象によって大量のバケネコを率いて出現。斬鬼・轟鬼師弟の同時攻撃によって倒されるが…
なお、オロチ現象で出現した魔化魍では唯一の新規に登場した魔化魍である。
ロクロクビ
長い胴体で相手を締め付け、鋭い牙で噛み砕く攻撃を得意とする。
劇中での登場個体は本来の能力に加えて、オオムカデという魔化魍の能力を付与した改造体であるという。
そのため、本来はムカデのような姿ではない可能性もある。
威吹鬼や轟鬼を圧倒するパワーを見せたが、装甲響鬼との死闘の末に音撃刃・鬼声覚声で倒された。
伝承では長い首を持ち、行灯の油を舐め取る妖怪・ろくろ首として伝わっている。
等身大魔化魍
ドロタボウ
旭村に登場。
草の生えた泥人形のような身体をした魔化魍。夏の魔化魍に分類されるが、例年よりも早く出現した。
等身大の魔化魍の中でも特に人間に近い姿をしている。
身体から猛毒の泥を放って人間を溶かし、溶け出した養分を泥ごと吸収している。
背中にはタニシの殻のようなコブを持ち、太鼓以外の攻撃を受けるとここから子供を生み出す能力を持つ。
生まれた子供の方には新しい個体を生み出す能力はない様子。
大軍勢となるまで子供を増やすが、音撃打の修行を積んだ響鬼紅・威吹鬼・轟鬼の音撃打によって一掃される。
また、親も響鬼紅の必殺技である灼熱真紅の型を受けて倒れた。
伝承では泥だらけで田んぼに現れる妖怪・泥田坊として伝えられている。
一説では泥田を棒で叩いて子を増やすことから、この名が付けられたとも言われている。
カッパ
空気に触れると硬化する粘液を放って餌となる人間を捕獲する。
硬化した粘液の重さで人間を溺死させると、内臓だけを吸い取って食べる。
この粘液は凝固するとヘリウムガスに似た性質の気体を放ち、吸った人間の声を変えてしまう。
ある程度成長すると頭に毛を生やした姿になり、首を分離することによって分裂する。
ドロタボウとは異なり、どの個体にも分裂能力が備わっているため加速度的に増殖することができる。
童子たちを退治した裁鬼の元から逃亡し、響鬼紅に撃破されるが寸前に子供を生み出すなど往生際の悪さを見せる。
残った個体も響鬼紅を苦戦させたが、最終的に灼熱真紅の型によって全滅した。
日本全国で出現が確認されており、伝承における妖怪・河童のように皿のような器官を持った個体もいるらしい。
バケネコ
文字通りネコ型の魔化魍であり、太陽の光を嫌い薄暗い場所に潜み夜間を中心に活動する性質がある。
人間の血液を好み、素早い身のこなしで相手に飛び掛かると、鋭い牙で噛み付き生き血をすする。
成長すると尻尾が9本にまで分れていき、この尻尾がちぎれることで子供のバケネコになる。
伝承では長く生きたネコの尻尾が分かれると化け猫になるといわれ、猫又と呼ばれることもある。
轟鬼と響鬼紅の音撃打で子供が一掃された後も怯まず二人を苦戦させた。
最終的には灼熱真紅の型を受けて童子達を巻き添えに爆死した。
テング
榧ノ木山に登場。
高い知能とかなりの怪力を誇り、背中に生えた翼で空を飛ぶこともできるという。
人工的に作り出すことが難しいタイプであり、自然発生した個体が大半であるらしい。
伝承における天狗は猿の類が変化した妖怪とされており、そのためかヤマビコによく似た姿をしている。
威吹鬼の疾風一閃に続けて、響鬼紅の灼熱真紅の型を受けて倒された。
カシャ
四谷に登場。
全身に刻まれた文字の力で姿を消すことができ、突然姿を現しては次々に人々を襲う。
炎を操る能力を持ち、周囲にいる人間を問答無用で焼き尽くしてしまう。
劇中では洋館の男女によって生み出されており、幼少の頃から自ら餌をとって自力で成長することができる。
また、巨大な車輪に化けて移動することもでき、ワニュウドウという魔化魍の特性を持った新型と考えられる。
威吹鬼を寄せ付けず響鬼紅を翻弄したが、最後は灼熱真紅の型を受けて倒れた。
伝承では墓地や斎場を襲い、人間の遺体を奪って食べると言われている。
なお、火車と輪入道は混同されることの多い妖怪である。
ウワン
港区に登場。
昆虫のような姿をしており、虫さながら変態能力で成体と幼体で姿が大きく異なる。
幼体では地中で活動しており、人間を地底に落として捕食する。
成体では飛行できるようになり、分裂して個体を増やすようになる。
胸の共鳴器から放つ超音波や、両手の爪や伸縮自在の嘴など多彩な戦法をとる。
なんとか三体に分裂することができたが、装甲響鬼・威吹鬼・轟鬼からそれぞれの音撃を叩き込まれて敗れた。
伝承では「うわん」と鳴き声を上げて相手を驚かせる妖怪として伝わっている。
ヨブコ
餌となる人間を攫うと、口から吐き出す糸を使い住処の洞窟に吊るし上げて体液をすする。
戦闘では両手の爪や、舌を自在に操って戦う。
東筑波では装甲声刃のデータを元に洋館の男女によって改造された個体が登場した。
この改造体は音撃を打ち消す隔壁音波を放つ能力が追加されていた。
この音波は鬼たちの音撃を防ぐだけでなく、装甲声刃による強化変身を妨害することができる。
装甲響鬼を筆頭とする関東の鬼たちの攻撃をことごとく防ぎ、撤退に追い込む活躍を見せた。
しかし、明日夢に音波の存在を見抜かれてしまい、発生装置を破壊されると装甲響鬼に倒された。
伝承では呼子または呼子鳥などといわれ、山彦に近い存在ではないかと言われている。
『仮面ライダーディケイド』ではアマゾンの世界にて十面鬼ユム・キミルのビームを浴びた人間がヨブコに変化している。
サトリ
人の考えを読み取る能力を持っており、相手の攻撃を読んで避けることができる。
劇中では洋館の男女による改造体が登場。
性格が好戦的に変化し、相手の行動を読んで大きな刀による攻撃を的確に命中させてしまう。
明日夢や京介を翻弄させたが、加勢に来た威吹鬼と轟鬼の連携の前に敗れた。
伝承では、相手の心を見通す妖怪・覚として伝わっている。
特殊な魔化魍
ナナシ
浅間山で同士討ちとなった2体を元にしてクグツによって人工的に合成された。
外見はヤマアラシとウブメを彷彿とさせ、高速飛行や無数の針など両魔化魍の能力が共に備わっている。
人工的に作られた存在であるためか猛士側には一切のデータがない名無しの魔化魍となっている。
2体の魔化魍の特性を併せ持つことから音撃射と音撃斬には共に耐性があるようで、威吹鬼と轟鬼を苦戦させた。
しかし、加勢に来た響鬼のアイデアで3人の音撃を共鳴させた合体攻撃で倒された。
コダマ
「コダマの森」という森と共に各地に出現する魔化魍。
植物に似た身体に緑色の鎧を纏った人型の魔化魍。
森に誘い込まれた人間を葉っぱのような2本の剣と木々を操る能力を駆使して襲っていた。
神出鬼没の存在であるためデータはほとんど残されておらず、謎の多い存在である。
ただ、「コダマの森現れたる後、オロチ来たれり」との記述があり、その通りにこの後オロチ現象が幕開けとなる。
実は、上記の魔化魍は戦闘のために操られた傀儡に過ぎず、本体は森の中にそびえ立つ大樹である。
森そのものもコダマ本体が妖術で創り出していたものだった。
圧倒的な戦闘能力で鬼たちを圧倒したが、明日夢たちが偶然本体を見つけてしまい形成逆転。
傀儡は轟鬼と威吹鬼の連続攻撃で敗れ、本体の大樹も装甲響鬼に破壊された。
牛鬼(ギュウキ)
『仮面ライダーディケイド』の「響鬼の世界」に登場した伝説の魔化魍。
とある人物が己の力を制御できなくなってしまい変貌した姿。
暴走状態にあるため非常に好戦的。人間の頃の人格とは別の、闘争本能むき出しの人格が現れる。
大きな二本の角を持ち、強烈な突撃で相手を攻撃する他、口から放つ猛毒で人間を襲う。
迷いを捨てて戦う決意をした響鬼と激突。最後は猛火怒涛の型を受けて倒れた。
名前が漢字表記であり人語を話すなど響鬼本編の魔化魍とは異なる性質を持つ。関連キャラクター
血狂魔党(ちぐるまとう)
『劇場版』において戦国時代の魔化魍たちがオロチを中心に徒党を組んで結成した組織。
海底に沈む「鬼岩城」を根城とし、ある人物を結託して鬼の殲滅に乗り出そうとする。
オロチ
童子や姫を使って村の住民を脅して餌となる人間を差し出させていた。
蛇のような長い身体の他、龍のような顔やオウムガイのような外殻などさまざまな生物を合成したような姿を持つ。
飛行能力を持つほか、高温の火炎弾や太い尻尾などで敵を攻撃する。
伝説で大蛇は巨大な蛇の怪物といわれ、ウワバミ等と呼ばれることもある。
最終的には響鬼らオロチ退治に乗り出した鬼たちと激突する。
この戦いの結末は描かれていないが、猛士の記録によると退治に成功したようである。
現代においても出現した個体がおり、明日夢に装甲声刃を託された装甲響鬼に身体を両断されて倒されている。
『HERO SAGA』では上位種とされるヤマタノオロチという魔化魍が出現している。
ヒトツミ
戦国時代に出現した等身大魔化魍。
甲冑を着た落ち武者のような姿をしており、槍や盾を手にして戦うほか、口から毒霧を放つ能力を持つ。
伝説では二口女といわれ、後頭部に第二の口を持つ女の妖怪として伝わっている。
町娘に化けて人社会に溶け込んでいたが、オロチの童子たちに誘われるまま血狂魔党に加入。
鬼たちに強襲を仕掛けたものの、7人の鬼の必殺技を連続で浴びるというフルボッコ状態で倒された。
『HERO SAGA』では男女の2つの人格を持つとされており、それぞれ独立した命を持つ。
実は落ち武者のように見えたのは男の方の頭であり、女は首元に顔を隠していた。
火焔大将
戦国時代に出現した等身大魔化魍。
赤い鎧を着たような外見であり、豪炎魔剣と呼ばれる大剣を振るう姿は剣豪を思わせる。
また、名前に相応しく炎を操る能力を持っている。
とある村において住民を襲っているところで歌舞鬼と交戦し、撃退されるが・・・
魔化魍忍群
武装兵のような姿をしており、鎖鎌を武器とした集団戦術を得意とする。
狐のような面を付けており、この面の色で紅狐と白狐の2タイプに区別される。
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