鳴門わかめとは、鳴門の荒波に揉まれた独特の食感を有するワカメである。しかし、悲しいことに相次ぐ産地偽装に揺れる海産物でもある。
食品偽装が相次いでいるが、今のところ外国産わかめによる目立った健康被害は報告されていないのでその点においては安心していただきたい。
10年間近く続く食品偽装
2008年日本わかめ協会の会長、花面崇保が社長である徳島県鳴門市の海産物加工会社「鳴門海藻食品」と「花面商店」「吉田敏治商店」の三社が外国産ワカメを国産のワカメとして販売した。花面商店は2006年10月~2007年9月に中国、韓国産塩蔵ワカメ約442トンを鳴門産と偽って鳴門海藻食品に販売したとされている。
2009年、原料の大部分に中国産を使いながら「鳴門産」と偽装表示したワカメを6都府県の11業者に約458トン販売したとされる「マルナガ水産」は、この時販売したわかめの半数以上が中国産だったと県から発表があった。同社の伊藤社長(当時)は徳島地裁により懲役2年、執行猶予5年(求刑懲役2年)の判決を言い渡されている。
2008年頃に表沙汰になってからも現在(2016年)に至るまで定期的に偽装販売の報告が相次ぎ、疑いのあるものも含めるとその数は十数社以上と噂されている。
「鳴門わかめブランド対策部会」部会長による産地偽装。
2016年1月。鳴門わかめをめぐる産地偽装問題を受けて、 地元の加工業者などが信頼回復に向けた取り組みを進めている「鳴門わかめブランド対策部会」の部会長が専務を務める「半田聖治商店」が中国産わかめを国産わかめとして販売していたことがあきらかになった。
しかも同社は二度目である。
業者は「悪いことだと感じていたがやった」と自供してるにも関わらず、商品を自主回収したのみで営業取り消し処分はうけていない。(2016/2/7現在)
通販サイトのレビューはおおむね高評価のわかめだが、二種類以上のワカメが混ざったようなものがあると書かれたレビューも見かけることが出来る。
今まで偽装表記をした業者の多くは注意勧告や罰金刑を受けただけで営業取り消しをうけていない。
漁師に罪はない
間違えないでほしいのは、悪いのは主に上述した加工業者、食品表示を巡る法整備や、関係者の問題を改善しようとする意識の低さであり、冷たい海の中を潜ってワカメを収穫している漁師さんたちには何の落ち度もない。
偽装ワカメの大部分は乾燥させたりした加工わかめであるため、ちゃんとした本物を食べてみたいという方は現地の漁師から買い付けたり、現地の飲食店での飲食を記者はおすすめする。
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