鶴瓶上岡パペポTVとは、1987年から1998年まで放送された伝説のトーク番組である。
天井から落ちてきた概要
笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎の二人で送る深夜の雑談番組。
読売テレビ製作の関西ローカル番組としてひっそりと始まった番組だったが、深夜枠としては異例の高視聴率(5%以上)をキープし、番組観覧希望者が収録日に読売テレビで行列を作るという人気番組となる。噂が噂を呼び、番組開始1年半後の1988年10月に日本テレビでのネットを開始する。(背景には関東地区の地上波テレビ24時間放送の開始に伴い、ちょうど流す番組が不足していたという追い風もあった)
これを期にその他の日本テレビ系列局でもネットを開始する局が増えて、絶頂期には日本テレビなど同系列で全国20局近い放送局にネットされた。
キャッチコピーは「見てるあんたも同罪じゃ」(考案:糸井重里)。
筆頭スポンサーは郵便局(近畿郵政局、関西圏のみ。途中で降板している)。
この関係で、番組最後にゆうパックによる、ふるさと小包プレゼントコーナーが存在した。後にスポンサーが変わって中納言(料理店)の伊勢海老プレゼントに変わり、中~後期は番組特製テレホンカードのプレゼントへと変わっていった。
1998年春に、本番組の制作に欠かせないスタッフ(プロデューサー)が吉本興業系の番組制作会社へ出向することとなり、松竹芸能が制作に絡んでいる「パペポTV」の担当から外されることとなったため、「パペポTV」としてはいったん終了する。その後、スタッフを全面入れ替えし3ヶ月のブランクを置いて「LIVE PAPEPO 鶴+龍」(らいぶぱぺぽ·つるとりゅう)という、スタジオ収録からロケ収録に切り替わったほぼ同内容の番組にリニューアル。2000年春に上岡龍太郎が芸能界を引退したため、足かけ13年にも及んだ「パペポ」の歴史に幕が下ろされた。
日本一感じ良い番組の特徴
本番組は、トークの内容に関して一切の台本が事実上存在しない(簡単な段取りだけが記され、二人の発言に関する部分が白紙となっている台本は存在していた)。鶴瓶と上岡がひたすら観客の前で行き当たりばったり、ぶっつけ本番の雑談を1時間続けるだけである。放送時間もCMを除いて50分程度であったため、ほぼ「撮って出し」の状態でオンエアされた。
筋書きの一切が無いことで、ひとたび話題がシモネタや反社会的な会話、差別・中傷発言を誘発する会話に及ぶと放送禁止用語を連発することも少なくなく、その際は口元、または画面全体がマル禁(○の中に漢字の「禁」)のスーパーで覆われ、サイレンの音でかき消された(初出は1988年11月25日、美空ひばりの「リンゴ追分」の歌詞の一部「無情の雨こさ」の「雨こさ」の部分を上岡が一字違いの卑猥な言葉に言い換えた部分に被されたものである)。このため二人が何の話をしているのか視聴者には全く分からないものの、マル禁のマークが出ること自体が状況の深刻さを十分に窺わせる説得力を持っていたため、それだけで視聴者の大きな笑いを誘った。また過激な話題や発言が連発しているにもかかわらずオープニング~座りトークまでの収録を僅か50分程度で打ち切ることも多かったため、エンディングに入る前に鶴瓶が(収録時間が短いことを感じ取って)「どこ使うの?こんなん放送できへんで」と言うこともしばしばあった。
中でも伝説と言われている回が第6回の放送である。番組途中で黒木香が登場して2人のトークに割って入った回である。黒木は「ペニス」「ヴァギナ」というなんともアレな言葉を連呼したのに加え、上岡が黒木に「そんなヴァギナ!」とツッコんだところ黒木はすかさず「お見事で御座います」と返し、この言葉は一時期番組内で流行語となった。
なお、スポンサーの郵便局は放送内容を問題視したためかこの回に限り降板し、当日の放送のCMは全てスポットCMだったというオマケつきである。
公開収録においても観客に対する仕込みはほぼゼロであり(事前に大笑いする練習をしておく、というのはあった)、番組観覧は当日の朝に整理券を配布して先着順に入場、出来る限り視聴者を詰め込む(100坪のスタジオに舞台を設置し、毎回300人前後の観覧者を縦10m×横15m程度の観覧スペースに余すことなく詰め込んでいた。テレビカメラの前では小さな座布団を敷き、後ろはパイプ椅子に座って観覧するスタイルであった。)、本番中もフラッシュさえ焚かなければ写真撮影OKという、今では考えられない入場方法や太っ腹なファンサービスを行なっていた番組であった。
時事問題を語ることもしばしばあったため、皇室や暴力団、新興宗教などの話題に触れた時も上岡の過激な発言によってマル禁マークが頻繁に発動した。台本は無いものの「上岡が何か過激なことを言って、それを必死になって咎めようとする鶴瓶の狼狽ぶり」は一種の番組のお約束と化し、これを期待してスタジオ観客者として読売テレビに通う者も少なくなかった。なおスタジオ収録では上岡を咎めるだけでなく、逆に鶴瓶自ら放送禁止用語(「キ○ガイ」など)を連呼してそのトークの部分を丸々カットさせようと誘導するシーンも見られた。
元来、落語や台本に沿うトークを得意としない鶴瓶の持ち味を最大限に生かした番組の一つである。
笑顔で車線変更する放送時間
関西地区(読売テレビ)
1987年4月~1988年3月 火曜深夜0:50 - 1:45
1988年4月~1997年9月 金曜深夜放送 当初は1:10 -2:05 → 後に1:25 -2:20 → 1:40 - 2:35と繰り下がる。
1997年10月~1998年3月 火曜深夜1:40 - 2:35
1998年7月~1999年3月 火曜深夜0:50 - 1:20(「LIVE PAPEPO 鶴+龍」として放送)
1999年4月~2000年3月 土曜深夜0:55 - 1:25(同上)
関東地区(日本テレビ)
1988年10月~1990年11月 月曜深夜1:10 - 2:05
1990年12月~1991年3月 湾岸危機のため放送休止(91年新春2時間スペシャルは放送された)
1991年4月~1994年9月 水曜深夜2:30 - 3:25 → 後に月曜深夜1:10 - 2:05
1994年10月~1995年3月 木曜深夜1:40 - 2:35
1995年4月~1998年3月 金曜深夜2:15 - 3:10
1998年7月~2000年3月 金曜深夜2:15 - 2:45(「LIVE PAPEPO 鶴+龍」として放送)
当番組はローカルセールス枠の放送であったため、放送時間は地域によりバラバラだったが、テレビ金沢(石川県)では一時期深夜を通り越して土曜日の朝9:30 - 10:25に放送されていたことがある。
今の時代に放送されていたならば、金曜深夜33時半から放送と言われていたことであろう。
関連動画貼ったら殺されんのん?
歌うとおいしい口になる歴代テーマ曲
「パペポTV」の歴代テーマ曲のうち、ニコニコ動画にアップされているものを時系列順に並べています。
「作業用BGM」の動画は20分過ぎあたりに収録(CUT 'N' MOVE - GIVE IT UP)。
Eternal「STAY」はエンディングのみ、他の曲はオープニング・エンディングの両方でかかっていました。
関連リンクから7km
- テレビ番組の一覧
- 読売テレビ
- アニメだいすき!・・・1987年から95年までよみうりテレビで放送されていたアニメ番組、OPに流行の洋楽を起用するなどパペポと共通点があり、パペポと並んで当時のよみうりテレビを象徴する番組であった。
- 笑福亭鶴瓶
- 上岡龍太郎
- パペポ・フォーエバー
- パペポ傑作トーク集
- パペポNETWORK
後継番組のたべに
鶴瓶出演のトーク・バラエティ番組
コンセプトを継承(一部スタッフが共通)
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