黒鉄一輝とは、ライトノベル『落第騎士の英雄譚』及びそれを原作としたアニメの主人公である。
概要
【伐刀者ランク】F 【攻撃力】F 【防御力】F 【魔力量】F 【魔力制御】E 【身体能力】A 【運】F
【能力】身体能力倍加 【固有霊装】陰鉄 【伐刀絶技】一刀修羅、一刀羅刹
【通り名】《落第騎士(ワーストワン)》、《無冠の剣王(アナザーワン)》、《七星剣王(しちせいけんおう)》
魔導騎士育成学校・破軍学園の一年一組(留年しているのでクラスメイトより一つ年上)。
生まれもった魔力量が伐刀者平均の十分の一と極端に低く、身体強化系能力「身体能力倍加」も、魔力制御をある程度習得している伐刀者なら誰でも同じことができるために、全く意味が無いという伐刀者としての才能に全く恵まれていない少年。
ついた仇名が《落第騎士(ワーストワン)》。
伐刀者としての能力がことごとく悲惨な代わりに、極限まで鍛えぬいた超人的な剣技と身体能力を持つ。
騎士の才能は無くとも容姿は恵まれており、シルエットは全体的に細身ながら、鍛え抜かれ引き締まった肉体と、柔和な笑顔が印象的な甘いマスクから、かなり女性にモテる。
真面目で誠実、非常に諦めの悪い強固な精神力を持つが、反面アリスには「自分の痛みに慣れ過ぎている」と警告されるなど、ある意味行き過ぎたストイックさを持つ。
剣に全てを捧げてきたため女性には不慣れで、大胆なステラやブラコンの珠雫に圧倒されることは多いが、意外と鈍感ではなく、人並みに性欲はある模様。気が付けばハーレムができてることの多いこの手の主人公には珍しく、恋愛ではステラ一筋である。
生家である黒鉄家は、伐刀者の名門であり、彼のような落ちこぼれが魔導騎士となることを良しとせず、
妹である黒鉄珠雫以外の家族全員から見放されて育つ。
耐えかねて冬の山に無謀にも家出した時に、曾祖父であり、先の大戦の英雄である黒鉄龍馬と出会い助けられる。
彼に送られた言葉に感銘を受け、「自分の価値を諦めない」ことを決意、
小学校を卒業したあたりから実家を出奔して中学に通いながら道場破りなど武者修行を行い、
現在の彼の担任であり、当時試験官だったCランク騎士折木有里を決闘で下し、破軍学園に入学する。
しかし、黒鉄家と通じていた前理事長一派の策略により、授業自体受けられず留年してしまう。
だけどもその間も元プロリーグ世界ランキング三位のAランク騎士である新宮寺黒乃をハンデ戦で倒して、
彼女が理事長となった際に打ち立てた改革により「七星剣武祭で優勝すれば卒業できる」と契約し、
ようやく授業がまともに受けられるようになり、魔導騎士への道を再び歩み始めたところ、
新宮寺理事長の方針によりステラ・ヴァーミリオンとルームメイトとなった。
鳴り物入りで入学したステラを決闘で打ち破ったことから次第に注目を浴びるようになり、七星剣武祭出場選手選抜戦の第一戦で《狩人》桐原静矢を下したことから、紛れもない出場最有力候補《無冠の剣王(アナザーワン)》として学内や全国の強豪から一目置かれるようになる。
波乱万丈の七星剣武祭を勝ち抜き、決勝戦でステラを打ち破った事で遂に優勝を果たし、見事《七星剣王(しちせいけんおう)》の称号を獲得する。
戦闘能力
前述の通り、伐刀者平均の十分の一の極端に少ない魔力量と評価の低い身体強化系能力と魔導騎士としては全く才能がないが、それを補って余りある剣術と、攻撃力の評価が貰えなかったが魔力を使わなくてもAランク級になる超人的な身体能力を持ち、ハンデ戦とはいえ元プロリーグ世界ランキング三位のAランク騎士である新宮寺理事長にも勝利するほどであり、学生としては無類の実力をもつ。
9巻ではステラとの激戦によって自己の可能性を突き詰めてしまい、限界に突き当たるが、ステラへの想いを糧に運命の限界を突破し《覚醒(ブルートソウル)》を経て、魔力すら訓練次第で引き上げることができる運命の外の存在たる《魔人(デスペラード)》に至る。
- 伐刀絶技「一刀修羅」
一輝のもつ「身体能力倍加」を発展させたもの。
一日に使える体力以上の力を発揮させ、身体能力を数十倍もの爆発的な強化をして、ステラの常時身に纏っている魔力バリアを斬り伏せるほどのパワーと圧倒的な機動性を得るが、魔力を一日かけて満タンにしておかなければならない上に、全ての魔力を消費し体に負担がかかるため一日一回、それも1分間しか使えないとっておきの技。
汎用性に乏しいためランク評価には繋がらないが、魔力無しでもAランク級の身体能力を持つ一輝にとってその身体能力を最大限に生かせる伐刀絶技は非常に強力な切り札となる。
しかし、零巻で当時試験官をしていた折木からは命を削る行為であり、いずれ取り返しが付かないことになると懸念しており、実際8巻で暴走した天音の能力で最悪のシナリオが起こる羽目になった。 - 伐刀絶技「一刀羅刹」
《雷切》戦で「一刀修羅」をさらに発展させた一輝が持つ最強の伐刀絶技。
「一刀修羅」の「身体能力倍加」を一瞬に凝縮し、霊装を容易く破壊するなど鬼神の如き爆発的な強化をするが、「一刀修羅」と同様に一日一回しか使えず、反動も体から血が吹き出るほどに強い。 - 比翼の剣
《比翼》戦を経て模倣剣技で習得し、七星剣武祭で覚醒した新しい力。
短く情報密度の高い戦闘用の脳信号で連動する筋肉を瞬時に動かし筋力を集約することで、0から100への加速の存在しない急激な緩急を可能にし、爆発的な身体能力を得る。
7巻時点ではかつての「一刀修羅」並の身体能力でしかないが、完成すれば無音の斬撃を可能にしたりと圧倒的な身体能力となる。 - 魔力放出
伐刀者なら誰でもできる魔力制御による身体能力強化。一輝は魔力が足りなくて「一刀修羅」が使えない時の代用として使っている。
能力による身体能力強化とは違い非常に効率が悪いが、全魔力を一気に消費することで一瞬だけ「一刀修羅」並に身体能力を強化することができる。 - 模倣剣技(ブレイドスティール)
黒鉄家では誰も稽古をつけてくれなかったため、他流派の研究や見稽古を続けた結果習得した、見た剣術の術理を解析し、さらにそれを発展させ完全なものとして習得する技。
ステラとの決闘直後には、ステラの「皇室剣技(インペリアルアーツ)」を含め127の剣を盗んだという。 - 完全掌握(パーフェクトビジョン)
「模倣剣技」の応用で、相手の剣ではなく、相手そのものの行動や痕跡から、アイデンティティまでも暴き出し、
思惑や感情までも読み取る。
《狩人》戦にて開眼する。 - 秘剣
多種多様な剣技、体術を身に着けた一輝がその極致として独自に開発した必殺剣技。
第一秘剣「犀撃」第二秘剣「裂甲」第四秘剣「蜃気狼」第六秘剣「毒蛾の太刀」第七秘剣「雷光」までが登場。 - 第一秘剣「犀撃」
一輝の超人的な身体制御能力で全ての力のベクトルを切っ先一点に集中して突きを放つ最強の攻撃力を誇る必殺剣技。 - 第二秘剣「裂甲」
相手の攻撃を受けた窮屈な体勢から、下半身のバネと腰の捻りのみで使う零距離斬撃であり、剣で放つ寸勁。 - 第三秘剣「円」
刃で受けた相手の力を円を描くように身体を回して循環させ、自分の斬撃に乗せて返すカウンター技。しかし決勝戦でのステラの猛攻を捌き切れないと感じた一輝は戦いの中で技を作り変え、腕から入った衝撃を上半身のマッスルコントロールで広背筋で交差させるように循環させ、刹那の内に斬撃に乗せて返す技とした。 - 第四秘剣「蜃気狼」
足捌きによる緩急によって残像を作り出すことで相手を誤認させる技。 - 第六秘剣「毒蛾の太刀」
剣から相手に筋伸縮による衝撃波を叩きこみ、内側から破壊する浸透勁。 - 第七秘剣「雷光」
「一刀修羅」の使用が前提の人間の動体視力を遥かに上回る速度で不可視の斬撃をする攻撃力も然ることながら最速でもある必殺剣技。
後にエーデルワイスの剣術で身体能力が格段に向上した事で「一刀修羅」を使わずとも使えるようになった。 - 終の秘剣「追影」
「一刀羅刹」を使用した状態で陰鉄の根本を掴み、居合の格好で刀を振りぬく。その速さは自分の影が追いつけない程。一人の人間が完成させた『斬る』という概念の究極形。 - 旭日一心流
黒鉄家に伝わる剣術。直接教えてもらっていないが、一輝も盗み見てたため全て知っており使える。 - 古流歩法「抜き足」
《闘神》南郷寅次郎が用いていた特殊な呼吸法と歩法で覚醒の無意識に滑り込ませて相手に存在を認識できなくする技。
3巻時点で既に習得していたが、初めて使われたのは7巻である。
一輝の「抜き足」は対人レベルではなく、南郷や《夜叉姫》西京寧音と同じ対軍レベルであり、軍勢相手に使用可能。 - 綾辻一刀流最終奥義「天衣無縫」
《最後の侍(ラストサムライ)》と呼ばれる非伐刀者の剣士海斗が編み出した奥義。
相手の攻撃を感じ取ることで刀線刃筋の通った一流の斬撃以外をほんの僅かな体捌きだけで受け流す。
海斗の娘である絢瀬の動きから「模倣剣技」で再現し、《剣士殺し(ソードイーター)》との決闘で見せた。 - 夜の一刀修羅
決勝戦後に抜き放たれた絶技。ステラにドラゴンファングされた。一刀と謳われながらも十回振るわれたが
人間関係
- ステラ・ヴァーミリオン
ルームメイト。そして最大のライバルであり最愛の恋人である。一樹は基本的に彼女一筋。
向こうからの第一印象こそ最悪だったものの、どん底の苦境に立たされても決してめげない彼の精神や、あくなき強さの追求を重ねる彼を騎士として尊敬すると同時に、異性としても惹かれ始める。
一輝もまた、誰よりも秀でた魔導騎士の才能を持ちながら更なる高みを目指す彼女を尊敬し、また女性としてとても魅力的だと惹かれていた。
《狩人》戦をキッカケに恋人となるが、ステラの立場を気遣い、密かなお付き合いを続ける。
しかし、学内戦終盤にて突如二人の関係は醜聞としてすっぱ抜かれ、一輝が危機に晒されるも、無事切り抜けた後は晴れて公認のカップルになり、とうとう婚約。もはや人目もはばからずイチャイチャし始める。
末永く爆発しろ。
愛し合う恋人であると同時に、「七星武舞祭の頂点で戦おう」と約束したライバルでもあり、互いにその約束を守るため、修練を重ねている。
9巻にてその約束を果たし、激戦の末に覚醒に至った一輝が勝利し、優勝。来年のリベンジを誓っている。
そしてその夜にヤッた。
末永く爆発しろ。 - 黒鉄珠雫
実の妹。珠雫のように兄妹を超えた思いを抱いているわけではないが、家族で唯一自分を愛してくれた存在ということで、非常に大切に思っている。 - 有栖院凪
学内では数少ないであろう同姓(?)の友人。かなりの人嫌いな妹と親友になってくれたことに多大な感謝を抱き、
自分にない美点を数多く持っているアリスを頼りにすることも多い。 - 折木有里
担任。そして恩人。かつて破軍の入学試験で試験官をしており、入学を賭けた決闘を受諾しながらも、彼の事を思って入学させないつもりであったが、信念に負けて入学を許し、応援するようになった。
決闘を受けてくれた事や自分のことを思っていてくれたことを一輝は感謝しており、慕っている。 - 新宮寺黒乃
理事長。そして恩人。かつて一輝とハンデ戦で決闘しており、理事長に就任した際に、彼がまともな学園生活を送れるように前理事長一派をリストラして改革した。 - 桐原静矢
元クラスメート。そして虐めの主犯格。前理事長一派との密約で一輝を退学にする口実作りのために虐めており、ランク差別などをしたりした。 - 紫乃宮天音
自称ファンと名乗る謎の少年。一輝とは何らかの因縁を抱えており、彼が苦しむ姿を見て喜ぶなど、卑劣で外道な性格をしている。 - エーデルワイス
謎の剣士。決闘では彼女に一矢報いるものの敗北したが、彼女との邂逅が一輝にとって大きな影響を与えた。 - 黒鉄王馬
実兄。王馬からはほぼ見向きもされていないが、一輝は、自分以上にストイックに強さを追い求める王馬を「黒鉄家で唯一尊敬できる人」として敬愛している模様。
単行本6巻のやりとりは結構微笑ましい。 - 黒鉄巌
実父。一輝の困難な人生の元凶ともいえる男だが、一輝は憎からず思っている。
実は巌も、あくまで一輝が魔導騎士を目指すことに反対しているのであって、息子として嫌っているわけではない。
ただ実の父親としてよりも、黒鉄家当主としての立場や彼なりのランク制による騎士社会の安定や秩序を優先させているだけである。
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関連項目
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