龍狼伝とは、山原義人による漫画作品。『月刊少年マガジン』にて1993年8月号より連載開始。後述するように、連載中に「〇〇編」という形で何度かタイトルを変えている。
概要
三国志演義を題材にした作品で、現代の日本から三国志の時代へとタイムスリップした天地志狼と泉真澄を主人公に、三国時代の動乱を描く。題材は三国志演義だが、実質的に演技をなぞっているのは18巻まで。それ以後のストーリーは完全オリジナルで、三国志演義ではあまり触れられなかった漢や匈奴についても描かれている。また最新の話ではなんとローマ帝国とキリスト教まで登場し、三国志どこ行ったといわんばかりのフリーダムさである。
ごく序盤以降は中華風ファンタジーの作風となっており、バトル重視やファンタジー要素に比重が強く置かれている。超人的な技が多数出るなど武官が優遇される一方で、文官や軍師の立ち位置が非常に低くなっている。実際に文官・軍師の不遇は魏陣営で特に顕著……というか諸葛亮を除くと終始優遇されている軍師は数えるほどしかいない上、一時的に優遇された軍師も後に大抵酷い扱いを受けることが多い。(呉も割とひどく、特に正史・演技ともに関羽に勝った呂蒙なんかは活躍もしないままモブ武将扱いで焼死というあんまりな扱いをされている。いくら元が演義で蜀びいきとはいえここまで酷いと逆にすがすがしい)
タイトル変更
本作は連載中に何度かタイトルを変えている。各タイトルと連載期間は以下の通り。
- 「龍狼伝」(1993年8月号 - 2006年12月号、全37巻)
- 「龍狼伝 中原繚乱編」(2007年4月号 - 2016年7月号、全17巻)
- 「龍狼伝 王霸立国編」(2016年8月号 - 連載中、既刊6巻)
また、2015年から2016年にかけて舞台化されており、「龍狼伝」(2015年5月)、「龍狼伝 第二章」(2016年4月)の2作品が上演されている。
登場人物
- 天地志狼
本作の主人公。通称「竜の子」「竜の軍師」。幼馴染の真澄と共に龍に飲み込まれ、三国時代へタイムスリップした。
厳しい修行の果てに様々な仙術を会得する。
実はコーエーの「三國志」や「信長の野望」の大ファンで、そのこともあって歴史に詳しいという設定がある。
なお、お約束というか、真澄以外の女性から好意を向けられることに関しては極めて鈍感。
歴史知識と生来の直感から来る洞察力から、軍師としても活躍する。
母親が中国人のハーフで、そのこともあって漢語が話せる。 - 泉真澄
本作のヒロイン。通称「竜娘々(ロンニャンニャン)」。志狼とともに三国時代へとタイムスリップした。
高校では学校一の才女で、漢語も話せるというスーパーガール。
メインヒロインではあるのだが、序盤で早々に敵陣営に攫われたため、志狼とはほとんど離れ離れの状況を強いられている。
そのこともあってか、三国志の知識がなくとも一般知識に裏付けされた見識は時に曹操も舌を巻くほど。 - 蓮花
本作のもう一人のヒロインで徐庶の義妹という設定。タイムスリップ直後にいきなり徐庶が○んだために志狼達とは最初はあまり友好的ではなかったが、以後は一番の理解者となっている。ごく序盤以降は志狼に誰が見てもわかるほどの好意を寄せているのだが、真澄一筋の志狼には友人としか思われていない。ぶっちゃけ志狼が真澄以外の女性の好意に鈍いというのも勿論あるのだが。 - 仲達
本作最大の敵。破凰の相を持つ男で、五虎神を率いて全てを滅ぼそうとしている。 - 虚空
かつて仲達に破れその配下となった男。武力では関羽・張飛をも上回ると言われる。本作では呂布の実弟。
仲達配下の筆頭武将で、その立場と武力は五虎神とは別格扱いされている。
志狼との死闘の末に敗れた後は強さの物差しにされることもあるが、仲達の呪縛から逃れたことでその配下から協力者に近くなったためか志狼に敗れる以前よりも強くなっており、強さの基準にされているのは仲達の呪縛を受けていて実力を出し切れていなかった頃の話だと思われる。事実として志狼が辛勝した妖術使いの李カクを瞬殺しており、仲達には及ばないものの高い実力を見せている。 - 五虎神
仲達配下の中で最も優れた5人の将を指す。5人全員が許チョ以上の実力の持ち主と言われている。……が青龍と黄尸虎は虚空ともまともに戦える実力があるものの、それ以外の3人は武力面より一芸に長けているといった感じが強い。 - 左慈
志狼の仙術の師。いわゆる善の仙人の代表格で、志狼のよき理解者でもある。 - 大幻
仲達の仙術の師で左慈の元同門。破凰に魅入られ邪仙と化す。
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