美とは、美しいこと、またはそのさま。それゆえ、人に快を与える。
人物(美人)や絵画などに限らず、スマートな機能や、声・音などにも「美しい」と感じることがある。
概要
ただ単に色彩などが洗練されていることは「綺麗」などの表現も適用されるが、「美」はさらに深く、哲学的な意味も併せもつ。
美的なものは、その度合いにもよるが、たいてい誰もが「美しい」と感じ、心を揺さぶられ、歴史に残るほどならばそれは「美」の代名詞として共通のものとなる(ジョコンダの微笑など)。それゆえに「良」「善」「正義」の象徴となる。逆に、尊敬する存在および主観的に善である存在を美しく思い描くこともある(描かれる例:神、声優、金正日、同じ思想の持ち主)。
漢字として
- 意味
- うつくしい、かわいい、きれい、善い、立派な、優れた、好む、色を好む、讃める、という意味がある。
- 〔説文解字・巻四〕に「甘きなり」とある。
- 字形
- 諸説ある。
- 〔説文〕に「羊に從ひ大に從ふ。羊、六畜に在りて主として膳に給するものなり。美と善と同じ意なり」とあり、羊+大の会意で羊の大きいものは善いもの・立派なものだ、という意味としている。ほかに羌と同じく羊の頭の飾りをつけた人とする説、羊の全身の象形で、羊の肥えて美しいことをいうとする説(白川静)などがある。
- 音訓
- 音読みは、ビ(漢音)、ミ(呉音)、訓読みは、うつくしい。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校3年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符・意符
- 美を声符とする漢字には、媄などがある。美を意符に持つ会意字に躾などがある。
- 語彙
- 美観・美姫・美形・美酒・美醜・美術・美女・美称・美食・美辞麗句・美人・美談・美徳・美味
異体字
- 媺は、〔広韻〕に美と同じとある異体字。〔周礼〕で使われている。JIS X 0213第四水準。JIS X 0212補助漢字。
- 嬍は、〔韻宝〕に美と同じ、或いは媺に作るとある異体字。
- 𡠾は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
- 羙は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
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関連項目
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