概要
東京・大阪の都心部での輸送力増強用として登場。
1963年~1984年にかけて3,447両が新製された他、101系の付随・制御車や旧型72系の車体更新車の編入があり、総両数は3,503両に上る。
性能
先に投入されていた101系の全電動車構想の断念を受け、電動車:付随車が1:1での運用が可能な性能となった。
形式一覧
両数は新製された数値を記載する。
増備による変化と番台分け
名称・分類は、筆者の判断によるもので、標準的な分類では0番台の量産冷房車Ⅱ、及び1200番台の改良型の各a・bは同一グループとなる。
900番台
1963年に製造。最初に登場したグループで、試作車。部分的に101系の要素を残す形態で、車体の裾が長いのが特徴。
- モハ103-901・902(2両)
- モハ102-901・902(2両)
- クハ103-901~904(4両)
廃車まで関東を離れることはなく、冷房改造も施行されることはなかった。
0番台
量産車であり、形式の中核を占めるグループ。投入時期に応じて仕様が異なる。
初期量産車Ⅰ
1964~1966年製造。主に山手線(使用期間 1963~1988。以下同じ)や京浜東北線(1965~1998)に投入されたグループ。
- クモハ103-1~133(133両)
- モハ103-1~159(159両)
- モハ102-1~292(292両)
- クハ103 (230両)
- サハ103-1~225(225両)
初期量産車Ⅱ
1967~1970年製造。高速運転に対応するため、制御車・付随車の台車が変更されているのが特徴だが、それ以外は初期量産車Ⅰとはこれといった違いはない。編成単位では常磐線(1967~2006)・阪和線(1968~)・京阪神区間(東海道・山陽線)(1969~1994)・大阪環状線(1970~)に投入された。
910番台
1967年製造。加減速性能の向上を狙って、新型制御機を搭載した試作車。取扱の面から全般的に量産されることはなかったが、システムは後述の地下鉄乗り入れ対応車に採用された。特殊性が強いこともあって山手線に留まって運用されていたが、最終的に冷房化されたモハ102の2両を除いて付随車に改造されている。
試作冷房車
1970年製造。初期量産車Ⅱと同時期の投入だが、冷房装置を試験搭載したグループ。冷房装置自体や電源確保の面で、量産冷房車や冷房改造車と大きく異なり(その後他車同様に改造)、クハ103に専用の電源装置を搭載した。ユニット窓が採用された最初のグループでもある。前後する番号が関西に集中投入される中で、山手線で使用されていたが、結局関東を離れることはなく(運用離脱後に、仙石線(1979~2009)の試運転用に貸し出されただけ)、最終的には別編成に散っていった上で廃車となっている。
- モハ103-279~281(3両)
- モハ102-434~436(3両)
- クハ103-178・179(2両)
- サハ103-306・307(2両)
改良増備車
1970~1972年製造。シートピッチの拡大や、前照灯に1000番台同様の豚鼻型シールドビームを採用するなど、設計変更が目立つグループ。通常は1次改良型と呼ばれることが多い。製造期間が短く、京阪神区間(東海道・山陽線)への投入がほとんどだったこともあって、関東への投入は少数に留まっている。
- モハ103-282~330(49両)
- モハ102-437~486(50両)
- クハ103-180~212(33両)
- サハ103-308~323(16両)
量産冷房車Ⅰ
1972・1973年製造。改良増備車を基本に集中型冷房装置を搭載して新製されたグループ。試作冷房車からは冷房装置への給電方法を改め、冷房駆動対応の電源装置をモハ102の床下に搭載している。側面の方向幕もこのグループから。山手線・中央線(東京口)(1972~1983)・大阪環状線へ投入された。
- モハ103-331~413(83両)
- モハ102-487~569(83両)
- クハ103-213~268(56両)
- サハ103-324~359(36両)
量産冷房車Ⅱa
1973年~1977年製造。先頭車の運転台構造が変わり(いわゆる高運転台。運転台の位置が高くなっている)、前面のデザインが大きく変わったグループ。山手・京浜東北両線へのATC導入に備えて、制御車はATC搭載準備工事車として両線に集中投入されたが、既存の制御車を活用するべく、中央線(東京口)・京阪神区間(東海道・山陽線)・大阪環状線にも中間車各形式が直接投入された。
- モハ103-414~647(234両)
- モハ102-570~803(234両)
- クハ103 クハ103-269~460・462・464~499・702・704~720・722・724(249両)
- 番号が飛んでいるのは、方向別の製造数に差が生じたため。投入の都合上、本来の組み合わせとなるべき番号が別年次で新製されていたりということもあり、非常に覚えにくい。
- サハ103-360~446(87両)
量産冷房車Ⅱb
1977年~1981年製造。内装の一部がステンレス無塗装化されたグループ。引き続き山手・京浜東北両線へのATC導入に向けて、制御車はATC搭載車が増備された他、編成単位で総武線(1979~2001)・武蔵野線(1980~2005)・阪和線・福知山線(1981~2004)に投入され、ATC搭載に対応しない制御車が改めて新製されている。ATC対応車はほぼすべてが関東に留まっていたこともあり、現存する車両はない。このグループでモハ102が899番まで達し、900番台以降と被ってしまうため899の次は一気に2001まで飛んでいる(仕様変更はなくあくまで0番台なので要注意)
最終増備車
1983・1984年製造。201系量産車の登場後に投入されたグループ。外見上は塗屋根と歩み板の違い、戸袋窓の黒ゴムが目立つ(後天的に同様になった車両もある)。必要最低限の中間電動車のみ新製され、赤羽線(1978~1985)・山手線に投入、関東を離れることなく廃車された。
- モハ103-787~793(7両)
- モハ102-2043~2050(7両)
1000番台
1969~1971年製造。営団地下鉄(現東京地下鉄)千代田線直通用(1971~1986)として投入されたグループ。前照灯に豚鼻型シールドビームを初採用(それまでは白熱灯)し、貫通扉が付いたこともあって印象が変わった。地下鉄線内での運用に対応して、制御機等のシステムを変更したほか、電動車:付随車が4:1となっている。またATCを搭載するため、運転台直後の戸袋窓がない。地下鉄直通用としては、営団6000系に比べて消費電力が大きかったことや、地下鉄線内で熱が床下に籠りやすかったことで、車内環境への影響(鉄板焼き電車)、さらに保守管理面でも手を焼くことになるなど、厄介な存在になっていたために早期に203系と交代して撤退。以降、105系に編入されたり、103系として残った車両は常磐線で引き続き運用されていた。
1200番台
営団地下鉄(現東京地下鉄)東西線直通用(1970~2003)として投入されたグループ。実質的な301系の増備車に当たる。性能は1000番台同様だが、ATC装置の違いから運転台直後の戸袋窓があるのが大きな違い。
- クモハ102 5両
- モハ103 15両
- モハ102 10両
- クハ103 5両
初期型
- クモハ102-1201(1両)
- モハ103-1201~1203(3両)
- モハ102-1201・1202(2両)
- クハ103-1201(1両)
改良型Ⅰ
- クモハ102-1202・1203(2両)
- モハ103-1204~1209(6両)
- モハ102-1203~1206(4両)
- クハ103-1202・1203(2両)
改良型Ⅱ
1500番台
1981~1983年製造。筑肥線(1983~)の電化・一部地下鉄代替(福岡市交通局が運行)用として投入されたグループ。103系では異端の戸袋窓のない張り上げ屋根の車体で、201系や新製105系に近い外観になっている。走行機器は0番台に準拠。1000番台同様、福岡市交通局1000系との極端な機能差があり、こちらではあまり問題にされていないものの、近年は直通運用が減少しつつある模様。
改造車
冷房改造
1975年から、量産冷房車と同じ仕様で改造が行われたが、冷房装置本体を載せる屋根や、補助電源装置を床下に搭載するモハ102の台枠の補強が必要であった。民営化後は、補強を必要としない分散型の冷房が積極的に使用されるようになっている。
3000番台
1985年改造。川越線(1985~2005)電化用に、仙石線で使用されていた72系の車体更新車を改造編入。元々の運用線区から、ドアが手動開閉対応になっているほか、改造種車の車種構成を活かして改造されたため、103系としては特異な点が目立つ存在となった。当初は付随車以外の15両を改造。その後別途改造していた付随車が合流している。
- クモハ102-3001~3005(5両)
- モハ103-3001~3005(5両)
- クハ103-3001~3005(5両)
- サハ103-3001~3005(5両)
3500番台(東日本)
1996年改造。八高線(1996~2005)部分電化用に改造されたグループ。制御車は量産冷房車Ⅱb、電動車は最終増備車から改造。ドアに開閉ボタンが増設される等、防寒対策が施された。3000番台とは共通運用となっていた。
3500番台(西日本)
1997~1998年改造。播但線(1998~)部分電化用に改造されたグループ。2連でワンマン運転に対応した仕様となった。クモハ103は2500番台から改造。運転台の増設のほか、体質改善40Nも受けている。両端クモハなのでJR東日本との重複番号はない。
3550番台
2003~2004年改造。加古川線(2004~)電化用に改造されたグループ。同じく2連でワンマン運転に対応した仕様だが、両方ともに中間車からの改造で、貫通扉をそのまま残す形態。3500番台同様、体質改善40Nも受けているが、こちらは種車時代の施行である。
101系編入車
1972~1986年改造。車齢の低い101系の制御・付随車を編入したグループ。
- クハ103 6両
- サハ103-751~780(30両)
その他形式・番号変更を伴う改造
- サハ103-801~806(6両) (東日本)
- クハ103-2501~2504(4両) (西日本)
- モハ102から改造。偶数向き。
- クハ103-2551~2553(3両) (西日本)
- クモハ103-5001~5016(16両) (西日本)
- サハ102-5001~5013(13両) (西日本)
- モハ102-5001~5013(13両) (西日本)
- サハ102-1~13(13両) (西日本)
- サハ103-2501(1両) (西日本)
- クモハ103-2501~2515(15両) (西日本)
- クモハ103-1512・1514・1516・1518(4両) (九州)
- クモハ102-1511・1513・1515・1517(4両) (九州)
- モヤ102-1~4(4両) (東日本)
分割民営化後の処遇、及び現状
JR東日本
関東の各路線で運用される多数を継承したが、後継車の投入が進み、路線工事の関係で残存していた仙石線を最後に全廃。
JR東海
継承された車両は少数であったものの、非冷房車の冷房改造や本格的な更新工事を受けて中央・関西線(名古屋口)(1976~2001)で活躍。
JR西日本
簡易的な冷房改造(この改造車は関西では全滅)・廃車で非冷房車を整理しつつ、大規模な延命工事を施行しており、ほとんどが何らかの更新工事を受けている。また、かなりの車両の戸袋窓が埋め込まれていることが特徴。現存する車両は、中間車こそ量産冷房車が大勢を占めるが(集中型で冷房化された初期量産車や改良増備車も、数を減らしつつ依然として健在)、ATC対応車と試作冷房車・最終増備車を除く全ての0番台グループが存在しており、多彩な延命工事もあって賑やかな様相を呈している。
関西中南部で主に運用されるほか、岡山・広島近郊でも使用されているが、勢力は縮小しつつある。105系への改造車も継承されており、一部は103系同様に更新工事を受けている。
JR九州
1500番台の全車を継承。運転台の増設やトイレの設置といった改造を受けている。災害で脱線・大破する事故もあったが、依然として全車健在。
KRL JABOTABEK
インドネシアはジャカルタ近郊の通勤輸送を担う鉄道。JR東日本から譲渡された16両が在籍する。
更新工事
特別保全工事
車体の修復を中心に、多くの工場では内装も更新された。
仙石線更新工事(東日本)
ドア開閉ボタンとドアブザーの設置、窓サッシのユニット化(一部未施行)、前面窓を2分割のものに交換、運用番号表示機を拡張の上で種別表示機へと変更。施行と同時に塗色が変更されている。
車両更新工事(東日本)
リフレッシュ工事(東海)
当時増備途上だった211系に準じた内装に更新。ドアの交換や窓サッシのユニット化を受けた車両もあった。
延命N(西日本)
外板の修繕や化粧板の交換、機能回復のための機器交換を施行。製造から30年の使用が目標となる。主に冷房改造車が施行された。
延命NA(西日本)
特別保全工事を受けた車両を、延命N同様に改修。重複部分は省略。
延命NB(西日本)
窓サッシの交換+分散型で冷房化。窓サッシは延命N40と同じもの。
延命N40(西日本)
使用期間の目標をさらに10年延長し、窓サッシや貫通扉の交換なども施行。窓サッシは枠が黒いものになったので、見分けやすい。量産冷房車Ⅰ・Ⅱaに施行。
体質改善40N(西日本)
新型車に近い仕様を目指した更新工事で、系列最大規模の改修。前照灯・雨樋の埋め込みや、逆T字型窓サッシへの交換といった外見ばかりでなく、内装も新型車に近いものへと改装したが、当初は全面的に改修されていたものの、次第に元の部品が流用されるようになっていった。未更新車や他の更新車と混成した場合は雨樋の構造の違いが目立つ。量産冷房車を中心に、一部改良増備車にも施行。車号の書体変更と前面窓の1枚化は体質改善車のみ。
体質改善30N(西日本)
使用期間の目標を30年に戻し、主に内装を体質改善40同等に更新。外観では車号の書体変更と屋上の通風器の撤去が目立つ。量産冷房車に施行。
その他の運用路線
文中に記述がない路線を掲載する。
- 京葉線(1986~2005)
- 埼京線(1985~1990)
- 南武線(1979~2004)
- 鶴見線(1990~2005)
- 横浜線(1972~1989)
-
青梅・五日市線(1978~2002)
- 形態的な動向は南武線とほぼ同じ。
- おおさか東線(2008~)
-
和田岬線(2004~)
- 専用に整備された編成を運用。
- 山陽線(岡山・広島・下関)(1994~ 以下同じ)
- 宇野線
- 呉線
- 可部線
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
http://dic.nicomoba.jp/k/a/103%E7%B3%BB


ページ番号: 652815
リビジョン番号: 1211341
読み:ヒャクサンケイ
初版作成日: 08/10/20 02:14 ◆ 最終更新日: 11/06/26 11:47
編集内容についての説明/コメント: 関連項目一件追加。
記事編集 / 編集履歴を閲覧 / Twitterで紹介







JASRAC許諾番号: 9011622001Y31015
ヘッダー:固定
ヘッダー:追従