2014Jリーグ ディビジョン1 第34節 アルビレックス新潟 vs 柏レイソルとは、Jリーグ ディビジョン1(J1リーグ)の最終節で始めて中止・延期が発生した試合である。
概要
試合中止がめったに発生しないJ1リーグで、最終節が始めて中止・延期になってしまった試合である(ちなみに2014年のJ1リーグは珍しくこれ以前に2回も試合中止による代替試合が開催されている)。
最終節が延期になったことによる経緯をここでまとめることにする。
試合概要
2014Jリーグ ディビジョン1 第34節 アルビレックス新潟 vs 柏レイソル
- ホームチーム:アルビレックス新潟
- アウェイチーム:柏レイソル
- 開催日時:2014年12月6日(土) 15:30キックオフ(13:30開門)
→2014年12月8日(月) 19:03キックオフ(17:00開門) - 会場:デンカビッグスワンスタジアム(新潟県新潟市中央区)
→茨城県立カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)
経緯
中止になるまで
2014年12月6日。J1 第34節。最終節であり、当時の上位3チームに優勝の可能性があったことから注目が集まった、徳島ヴォルティス vs ガンバ大阪(1位)、浦和レッドダイヤモンズ(2位) vs 名古屋グランパス、鹿島アントラーズ(3位) vs サガン鳥栖の3試合を含めた9試合が開催される予定となっていた(ちなみに最終的にガンバ大阪が優勝するのだが、3試合とも後味悪い結果となってしまった)。
そんな中で、デンカビッグスワンスタジアムにて開催されるはずだったアルビレックス新潟 vs 柏レイソル戦(15:30キックオフ予定)。当日は降雪の予報であったが、前日12月5日18時時点では入場導線を変更して試合を開催するとしていた。しかし、当日あまりにも雪がひどくなったことから、試合中止が決定する事態となった。
ここまでなら単純に「中止になりました。延期して代替試合をしましょう」で話が片付く。しかし、非常に厄介な問題があった。そう、この試合最終節である上に延期になった理由が大雪なのである。
最終節で延期になっただけなのなら、迅速にデンカビッグスワンスタジアムで代替試合を開催すればいい話であるし、最終節以外で大雪が理由で中止になったのなら、ホームとアウェーを入れ替えるとか雪が収まるまで待って除雪するとか考えつくだろう。しかし、最終節が大雪で中止になったと言うことは、スタジアムの除雪をしない限り、迅速に別会場で開催しなければならないと言うことになった。
翌日12月7日以降は新潟は降雪の予報がでており、近日中にデンカビッグスワンスタジアムで代替試合を開催するのは困難であると判断。また、新潟も柏も迅速に代替試合を開催してほしいと意向を示したことから、迅速に別会場で代替試合を開催することになった。
代替会場決定まで
とりあえず、12月8日に開催させることは決まり、降雪の可能性が0に近い、スタジアムへのアクセス環境がよい、新潟および柏のサポーターが来場しやすい、J1リーグが開催可能と言う条件を満たすスタジアムを探すことに。これら4条件が出揃ってるのは関東のスタジアムぐらいなので、関東のJ1リーグ開催可能なスタジアムに片っ端から調整を進めていたが、本来の最終節開催日の後と言うこともあって既に別の予定を入れてしまったり、自治体や警察への手続きが短期間に終わらないと言う問題が発生し、調整は困難であった。
そんな中で、茨城県立カシマサッカースタジアムおよび指定管理者である鹿島アントラーズから全面協力を得ることができ、新潟と柏双方がカシマサッカースタジアムでの開催を認める意向を示したため、カシマサッカースタジアムにて12月8日に開催されることが決定した(19:00キックオフ予定)。
なお、代替会場発表当初はこれら決定までの経緯が掲載されていなかった上に、カシマサッカースタジアムが関東のスタジアムの中でも交通アクセスが悪い所であるのに(これに関しては後述)、キックオフが19時と遅いことから、一部サポーターから会場決定に関して批判が起きていた。
代替会場での開催による交通アクセスの問題点・解決まで
さて、代替会場が決まったところで、カシマサッカースタジアムの交通アクセスの問題点が浮上する。
まず、カシマサッカースタジアムの最寄り駅は、試合開催時のみ列車が停車するJR・鹿島臨海鉄道の鹿島サッカースタジアム駅である。また、試合開催時のバスについてはJR鹿島神宮駅からシャトルバスが運行されるほか、東京と鹿嶋市を結ぶ高速バス「かしま号」がスタジアムまで延長運転を行い、臨時ダイヤで運行することになっている。
問題はこの代替試合は急遽決定したものである上に、試合自体がホームである鹿島アントラーズと全く関係無いと言う問題があった。このため、これら列車の最寄り駅への臨時停車やバスの運行が行われないのでは?と不安視するサポーターが表れた。実際、これらの措置がなければ鹿島神宮駅から徒歩でスタジアムに向かうか(30分程度はかかる)タクシーを利用することになり、交通面ではかなり不便となってしまう。
このため、本来のホームチームである新潟はこれら交通面の改善に努力したようである。
努力の結果、12月7日23時時点で高速バス「かしま号」は通常ダイヤで運行と決定したが(鹿島神宮駅21:20発 東京駅行が最終)、鹿島神宮駅とスタジアムの間の無料シャトルバスの運行(往路13:30、復路後半開始から運行開始)と鹿島サッカースタジアム駅への臨時停車(時刻表)は実施されることになった(最終列車の1本前で柏駅まで、最終列車で東京駅まで移動できることになる)。
また、駐車場については通常の試合開催時は有料となるが、今回はA・B・C・E駐車場が無料開放されることになった(14:00使用開始)。
しかし、いくら臨時対応するとは言え、カシマサッカースタジアム自体の場所が茨城県の東端と交通面で問題がある場所で、新潟はともかくとして、柏ですら公共交通機関で移動するのが厳しい場所である。それに19時キックオフとなると終了は大体21時前となるため、公共交通機関で来場した場合、帰宅するのに急いで行動しなければならない問題点が想定できる。しかも、高速バスが通常ダイヤのため、高速バスの最終が過ぎた後は、JRに頼るしかない状態となってしまう(東京駅まで帰れるのは1本だけである)。果たして帰宅難民が発生しないかがとても心配になってくるが・・・
試合当日
試合当日は、新潟に対して、鹿島アントラーズが練習場所としてクラブハウスの使用を許可したほか、スタジアムでの選手バナーなどの掲出を許可している。まさに今試合は鹿島アントラーズの協力がなければ成り立たないものであった。
また、カシマサッカースタジアムに行くことができないサポーターがチームへの寄付として、代替試合のチケットの購入が続出。スタジアムでは鹿島のホームスタジアムでありながら、今試合のホームである新潟のコールが聞こえるという不思議な状態となった。
公共交通機関については前述した通りの体制で試合への対応が行われた。なお、通常ダイヤとなった「かしま号」は補助席を使っても満席となってしまい、積み残しが出る事態となった。
新潟では急遽新潟日報メディアシップでパブリックビューイングイベントが開催され、多くのサポーターが観戦した。
試合結果
20:54終了。0-2で柏レイソルの勝利。シュートは66分にレアンドロ、92分(ロスタイム2分)に鈴木大輔。入場者数2,104人。
この試合により、柏レイソルは4位に浮上し、ACLへの出場に望みを繋いだ(ガンバ大阪が天皇杯で優勝すれば、ACLに出場できることになる)。
なぜこの問題が起きたか?
この問題は本来なら前もって解決できるはずだったものである。問題点として考えられるのは次の通り。
- Jリーグの最終節に予備日が存在しない
- 今回は別会場を探す事態となったが、多くのスタジアムで予定が埋まっている状態であった(ちなみにカシマサッカースタジアムも予定があったのだが、好意で予定変更してもらったものである)。予備日が設定されていれば、スタジアム側が予定を入れることはなくなり、利便性の良いスタジアムで代替試合を開催できたはずである。
- また、今回は延期したのは1試合だけであったが、これが複数試合延期となり、かつ使用予定会場が近日中に使えないような事態であれば、予備日が無い現状では代替試合の問題に直面することになるだろう。
- アウォーズが最終節の延期を考慮していない
- 国立霞ヶ丘陸上競技場が使用できないことによる代替会場の未考慮
- 国立霞ヶ丘陸上競技場はJ1リーグが開催可能な競技場でありながら、Jリーグの方針でホームグラウンドとするチームは存在しない。このため、会場が使用できない状態となった2004年10月の新潟 vs 柏(新潟県中越地震の影響)や、2014年3月のヴァンフォーレ甲府 vs 鹿島アントラーズ(大雪の影響)では、国立霞ヶ丘陸上競技場が代替試合の会場となっていた。しかし、国立霞ヶ丘陸上競技場は新国立競技場への建て替えのため、2014年5月に閉場してしまったことから、今回の試合で代替会場として使用することは不可能となってしまった。
- ただし、これは想定できたはずで、国立霞ヶ丘陸上競技場に代わる会場を考慮しておくべきだろう。
関連動画
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関連項目
外部リンク
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