27時間テレビ バスケットボール事件とは、2011年のFNS27時間テレビ内のバスケットボールのコーナーで、『いじめ』を彷彿とさせるシーンを放送したことにより、ネットが炎上した事件である。
概要
事の発端は、フジテレビ系列で2011年7月23日~24日に生放送された『FNS27時間テレビ めちゃ2デジッてるッ! 笑顔になれなきゃテレビじゃないじゃ~ん!!』である。
その番組内のコーナー『すぽると! 美女アスリート合コンSP』にて、美女アスリート3人(片岡安祐美、伊藤沙月、中山明日実)と男性タレント3人(ナインティナイン・岡村隆史、SMAP・中居正広、ジャルジャル・福徳秀介)により、「ランチミーティング風合コン」として3on3(スリー・オン・スリー。6人で行うバスケットボールのミニゲームのこと)を行った。ただし合コンとは名ばかりで、「岡村をないがしろにし、その後岡村にバスケットボールを投げつける」というコントを行うというものだった。
そのコーナーの放送後、「いじめを彷彿とさせて不快だった」という抗議が一部の視聴者から発生。ネットでは「内容がひどすぎる」と炎上状態になった。特に、コントのきっかけを仕掛ける役を担当した福徳に対するバッシングは激しいものとなった。さらに、騒動とは関係のないはずの、コントに参加してくれた女性アスリートのブログまで炎上したり、本当は言っていないような罵声を編集によってあたかも言ったかのように見せた、悪質な捏造動画も出回った。
騒動後、岡村をはじめとした出演者がラジオなどの媒体で、当時の詳細を釈明している。詳細は後述するが、概ねまとめると、「コントをしようとして失敗した。そのため暴力的な表現になってしまった。」と語っている。
放送上の流れ
(この節は初版作成者の見たままを書いたつもりですが、多分に主観的な内容が含まれているかもしれません。その点はご了承ください。)
- 試合開始。岡村がパスを要求しても他のチームメイトが岡村にパスを出さない、いわゆる岡村を『無視』する状況が発生する。
- 岡村のパスを要求する「ヘイヘイ!」という声に対して、中居がゲームを中断。「うるさくて邪魔」と岡村に言う。「いや、パスが来ないから」と反論する岡村。
- 反論している岡村の背後から、福徳が思いっきりバスケットボールを投げつける。(1回目)
- いきなりのボール直撃に戸惑っている様子の岡村を無視し、ゲームが再開される。
- 再びゲーム中断。中居が再び「うるさくて邪魔」と岡村に言う。
- 再び岡村の背後から、福徳が思いっきりバスケットボールを投げつける。(2回目)
- コートの傍で試合を観戦していた、加藤浩二もボールを投げつける。それを皮切りに、観戦していためちゃイケメンバー全員が岡村にボールを投げつけ始める。
- 岡村は、戸惑いながらもボールを投げ返したりするも、多勢に無勢、大量のボールをさらに投げつけられる。
- 試合再開。こぼれたボールを岡村がついにキャッチ、そのままシュートするも外してしまう。そんな岡村に中居は「何やってんだ。入れろよ。」と厳しい言葉を投げかける。
- 再び岡村がボールをキャッチ。しかし、岡村はボールを持ったまま3歩以上歩いたため、トラベリングにより再び試合中断。
- 言い訳する岡村の背後から、再び福徳が思いっきりバスケットボールを投げつける。(3回目)
- それを皮切りに、めちゃイケメンバー全員が再び岡村にボールを投げつけ始める。今回は岡村にどんどん近づいて、強めに投げる。
- そんな中、濱口優はペットボトルを岡村に叩きつける。
- CM明けに、試合再開。「ヘイヘイ!」と叫ぶ岡村に、中居がキレ気味に「チッうるせーな」と呟く。
- シュートを強行するも、外す岡村。そんな岡村にチームメイト、及びめちゃイケメンバーから罵声が飛ぶ。
- 17.が数回繰り返される。
- めちゃイケメンバー全員が再び岡村にボールを投げつけ始める。
- そんな中、濱口優は硬いヘルメットを岡村に叩きつける。
- CM明け、めちゃイケメンバーと対峙する岡村。乱れ飛ぶバスケットボール。
- コメンテーターとして参加していた江本孟紀も、なぜかバスケットボールの投げつけに参加。
- 最終的に、岡村が心配になったのか、江本が岡村にヘルメットをかぶせてコーナー終了。
そもそもどんなコントがしたかったのか
放送後、出演者がラジオなどで語ったところによると、以下のようなコントになる予定だったという。
美女アスリートとの共演に、はしゃぎすぎる岡村。面倒くさくなったチームメイトの中居と福徳は、岡村に厳しい態度を取り始める。それを不服に思った岡村は文句を言って、チームメイトや観戦しているめちゃイケメンバーらと口論になる。そんな中、岡村の背中にバスケットボールが軽く当てられる。岡村はすぐに振り向くも、だれが当てたかは判らない。
その後、試合再開するも、
⇒ 美女にはしゃぐ岡村
⇒ 岡村にいちゃもんがついて試合中断
⇒ 岡村に対して厳しい態度のメンバー
⇒ 岡村とメンバーの口論が激しくなり、収拾がつかない
⇒ 岡村に後ろからボールが当てられる。でも犯人は誰かわからない
⇒ 強制的に試合再開
のやり取りが繰り返される。最終的に、はしゃぎ続けるばかりで、怒られても言い訳ばかりの岡村にしびれを切らしたメンバーは、岡村に勢いよくボールをぶつける。
どこで失敗したのか
後にラジオで岡村、及び別のラジオでオアシズ・光浦靖子が語った失敗の原因は共通しており、『フリが浅かった』というものである。
このコントでは、「岡村にボールを投げつける」という結果に繋げるために、「岡村はボールを投げつけられても仕方がない」という状況にする必要があった。今回は、美女アスリートとの共演にテンションが上がったせいで、岡村が他の出演者に迷惑をかけるという描写、「岡村ウルサイ」「何カッコつけとんねん」などと他のメンバーがイライラする描写、めちゃイケメンバーと岡村が口論になるという、岡村とめちゃイケメンバーは対等であるという描写(岡村が弱者ではないという描写)、何度も注意をされたのに岡村が態度を改めないという描写が入るはずであった。しかし実際の放送ではその描写は無視され、いきなりバスケットボールをぶつける描写が挿入されてしまった。要するに今回のコントでは、段階を踏んで説明するというお笑い用語で言うところの『フリ』が丁寧に描けていなかったのである。
上記の『フリ』が無視された重要なポイントとして、「福徳の1発目が強すぎた」ということに尽きる。放送では、岡村とメンバーの最初の口論後、いきなり福徳が1発目から勢いよくボールを投げつけていた。このせいで、視聴者には「岡村が理由なくボールをぶつけられた」という印象しか残らず、視聴者を不安に気持ちにさせてしまった。
また、「めちゃイケメンバーがたくさん居て誰が投げたのか判らないという状況で、『投げたの福徳ちゃうんか?』『いや、僕ちゃいます』って言っているうちに、またどこかからボールが飛んでくる」というやり取りもしたかったようだが、福徳のボールが来た時、岡村が振り返った先には福徳しかいなかったため、すぐに犯人が分かってしまった。この時岡村は、「犯人が福徳だとわかっているのに『誰や?』って言うの恥ずかしかった」と語っている。
福徳の1発目がもっと弱いボールだったら、1発目が岡村には犯人が分らないような位置から投げていれば、こういう結果にはならなかったかもしれない。しかしこれは、「福徳がお笑いをわかっていない」「福徳の実力不足」というだけが原因ではない。その原因を否定するわけではないが、その様な系統の批判に終始するのもまた違うといえる。福徳がこのような行動をとってしまったのは別の原因があるという。
打ち合わせの不十分
まずは、このコーナーは綿密な打ち合わせがされなかったということがある。出演者はその他の27時間分のコーナーの打ち合わせに追われ、さらにコントとしては簡単な内容であったため、口裏合わせのみで綿密な打ち合わせは行われていなかった。
また、福徳はコーナー前に、共演者の加藤浩次に「どんな感じにやるのがベストですかね?」と相談したところ、加藤は福徳の目をしっかり見て、「お前が思うタイミングで、全力で思いっきり当てろ」とアドバイスしていたという。
時間の短縮
そして、バスケットボールのコーナーに割り当てられた時間が短くなってしまったということがあげられる。このコーナーの前コーナーは明石家さんま司会の『ホンマでっか!?TV』であり、このコーナーが盛り上がり時間がかなり押してしまった。また、このコーナーの後はスポーツニュースの予定があり、このスポーツニュースの時間は動かせなかったので、結果的にバスケットコーナーの時間が短くなってしまった。
その結果、余りにもの少ない時間に現場のディレクターが焦ってしまう。そんなディレクターは『岡村にボールをぶつけなければ!』ということで頭がいっぱいになって、口論シーンの最初からいきなり「福徳!ボール!ボール!」というカンペを出してしまう。それを見た福徳にも焦りが伝わり、カンペの指示通り、また本番前に加藤にかけられたアドバイス通りに、勢いよくボールを投げつけてしまったのである。
メンバーの対応ミス
上記2つの出来事がありながらも岡村は、自らも含めて出演者の対応のミスがあったことを謝罪している。
バスケットのコーナーは『すぽると!』名義ではあったが、実際はめちゃイケのスタッフにより構成されていた、いわばホームの状況であり、まためちゃイケメンバーの多くが揃っていたにもかかわらず、ホームの雰囲気にできなかった。そして、めちゃイケメンバー、さらに美女アスリートなどの多くのカードがあったにもかかわらず、それを生かし切れなかった。さらに、岡村自身もボールをぶつけられているときに「これ何なん?」と戸惑うようなリアクションをしてしまい、もっと上手い対応があったのではないか、と謝罪した。
この一連の流れに関して岡村は、「卓上の27時間テレビが出てしまった」と語っている。「卓上」とは、「会議だけで盛り上がった内容」という意味である。
批判
コーナーの放送後、ネット上では批判が巻き起こり、炎上する事態になった。しかし「イジメに見えて不快」という批判ならまだしも、「福徳は『めちゃイケのエースは俺だ』と勘違いしている」といったものや、「岡村は福徳にキレている」というような出演者の心情に関する根も葉もないガセも蔓延した。これについて岡村は「あれはコントやから」「俺が福徳にキレているとか、絶対にないから」と否定している。
余談
コーナーに参加していた中居は、このとき流れた不穏な空気を感じ取り、最終的に1球もボールを投げなかったことを後日ラジオで明かしている。また1球目から強いボールを投げてしまった福徳に対し、CM中に「一発目からやっても意味わかんねえから」「お前さ、一発目強いから、意味が分かんなくなっちゃうから、弱めにやれ」と注意したとのこと。CM中とはいえ、福徳にこの件で本番中に注意をしたのは中居だけだったという。それを見ていたナインティナインは、後日ラジオで「アイドルが(笑)アイドルが芸人さんに(お笑いの指導をしている)」と笑った。
岡村は後日ラジオで、「コントに失敗してしまったことは申し訳ない」と陳謝しながらも、「イジメではないのか」という批判、福徳叩きに終始している批判、さらに参加した女性アスリートのブログが炎上したことに対しては、視聴者やネット上で批判をしている人たちを痛烈に批判した。
ただ、関係ないバスケ選手のブログ炎上させてたやつはアホ。
ちょっとあったことで、ブログ炎上させて喜んでるお前らがアホやで。
これこそイジメちゃうん?
関連動画
関連項目
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