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99式自走155mmりゅう弾砲とは、日本の陸上自衛隊の自走榴弾砲である。
防衛省の略称は「15HSP」、愛称は「ロングノーズ」。
概要
75式自走155mmりゅう弾砲の後継として開発された最新の自走榴弾砲。
89式装甲戦闘車の車体を延長したものに、最大射程が約30ｋｍの52口径155ｍｍ榴弾砲を搭載。発射速度は1分当たり6発以上である。更には専用の99式弾薬給弾車と連結することで、この高い発射速度を長時間発揮し続けることも可能である。また75式と異なり装填は固定角度式でなく任意の自由角度で可能となった。
射撃指揮システムも75式から大幅に進歩しており、三菱電機の開発した155ミリりゅう弾砲からMLRSまで統制できる野戦特科射撃指揮装置とデータリンクが可能。指揮装置から標定・照準・装填・発射を中隊・特科隊単位で全自動で行うことも可能で、これまで職人芸も含まれていた精密射撃をシステマチックに可能としている。
近年の長射程装備の通例として99式も最大射程射撃演習は、米国のヤキマ演習場まで船舶輸送で運び込んだ上で実施している。実のところ装薬に至るまで完全な自動装填を達成した自走砲は非常に少なく、99式はその一つであり装填システムは諸外国から注目され、現在は英国が共同開発・技術供与を求めている。
このように野戦特科装備としては概ね高性能であり1999年から調達が開始されたが、1両当たり9億6000万円と高価なことから、完全に75式を置き換えるには至らず、現在は北海道を中心とした部隊に配備されている。本州以南の特科部隊は重装輪回収車をベースに本車の主砲を搭載した装輪自走砲（旧称火力戦闘車）で、FH70の更新を行うとされている。
なお本車そのものではないがクラスター弾に関する条約に調印するまでは、国産の03式155ミリ多目的弾が使用可能であった。対人だけでなく対軽装甲能力を持つ子弾を広域散布することで、通常のりゅう弾よりも高い破壊力を達成したが、上記の条約の調印に基づき全て爆破処分された（何とも勿体無い話である）。
性能
| 99式155ｍｍりゅう弾砲 | |
| 全長 | 11.3 m |
| 全幅 | 3.2 m |
| 全高 | 4.3 m（積載状態） |
| 重量 | 40 t |
| 最高速度 | 49.6km/h |
エンジン |
三菱6SY31WA 空冷4ストローク直立6気筒ディーゼルエンジン （600馬力） |
| 武装 |
52口径 155ｍｍりゅう弾砲 ×1 |
| 乗員 | 4名 |
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関連項目
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