ASAYANとは、1995年~2002年にテレビ東京系列で放送されていた、夢のオーディション番組である。
概要
そもそもは、1995年10月に前身番組である『浅草橋ヤング洋品店』をリニューアルした事から始まった。
当初は前半が『浅草橋ヤング洋品店』の過激な企画を継承した浅草キッド司会の「浅ヤン」、後半はナインティナイン司会で小室哲哉プロデュースでのデビューを目指すオーディションコーナー「コムロギャルソン」であった。
この背景には、「浅草橋ヤング洋品店」時代から番組の主導権を握っていたテリー伊藤率いる番組制作会社の「ロコモーション」とナインティナインが所属する吉本興業との間で主導権を争っていたという事情がある。
結局、1996年3月をもってロコモーションが番組から手を引くこととなり、同年4月からは「コムロギャルソン」をリニューアルさせる形で完全にオーディション番組へと転換した。
大きな特徴としては赤を基調とした句読点付きテロップの多様や独自の編集であろう。この演出は自局は勿論(例:ビーストウォーズメタルス)、他局でもパクられていた。
番組の最盛期を迎えたのは1997年。「シャ乱Qの女性ボーカリストオーディション」が行われ、女性ボーカリストには平家みちよが選ばれたものの、シャ乱Qのつんくが「最終選考に残った5人も捨てがたい」として、彼女たちは別個のアイドルグループを結成させた。これが「モーニング娘。」と命名され、1990年代末~2000年代前半を代表するビックアイドルグループとして大きく羽ばたくことに。
モー娘。の活動をバックアップした「ASAYAN」も人気番組となり、この勢いに乗って続けてCHEMISTRYなどもデビューさせることに成功した。
しかし、ASAYAN独特の演出の要たるスタッフが降板し、番組制作会社が読売テレビ系の番組制作会社「ワイズビジョン」に変更されリニューアル。さらに新たなるスターを輩出できなかったことやモーニング娘。の人気低迷、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)や「発掘!あるある大事典」(関西テレビ)などの裏番組の台頭などが重なり、「ASAYAN」は衰退。
2002年3月に「ASAYAN」として6年半、「浅草橋ヤング洋品店」から数えると丸10年に渡る歴史に幕を閉じた。
余談だが、テレビ東京系列で放送している後発のオーディション番組では、ロードオブメジャーといった大当たりを引き当てた実績がある。
主なASAYAN出身者
- dos(音楽ユニット)
番組にとっては記念すべき、コムロギャルソン合格者による3人組ユニット。コンセプトは和製TLC。現在はひっそりと解散したとのこと。taecoは元の西野妙子名義で女優として、asamiは小室との結婚・離婚をしつつも音楽活動を継続、kabaはKABA.ちゃんとして振り付けやタレントとして活躍中。 - 天方直実
当時は小室哲哉ではなく、弟子だった久保こーじに見出されてデビュー。現在は留学を経てシンガーソングライターとして音楽活動を継続している。留学前は小室哲哉プロデュースを受けていた時期もあった。 - Say a Little Prayer
河村隆一がЯK名義でプロデュースした3人組。メンバーは番組内デビュー予備軍AISから選ばれた。今後の活躍が期待された最中、1999年には惜しまれつつも解散。現在、メンバーはそれぞれの道をしっかりと踏みしめて活動中。 - 松澤由美
今でこそ『YOU GET TO BURNING』『Dearest』等のアニソン歌手として有名だが、この人も実はこの番組のコーナー、コムロギャルソン出身者である。この人もm.o.v.eのyuriと並んで、別口でデビューしたASAYAN出演者の例として名前を挙げられる事が多い。 - 池脇千鶴
実はこの番組出身だった女優。三井不動産との共催オーディションにて、所謂リハウスガールに選ばれ、現在の女優としての道が開かれた。その後の軌跡は公式サイトやWikipedia等に詳しい。 - yuri(m.o.v.e)
乱発オーディションを見ていたt-kimuraに見出され、move(現m.o.v.e)のメンバーとしてデビュー。m.o.v.e加入前はavexによるユーロビートコンピレーションアルバム『EUROBEAT FLASH Vol.12』にて、「PARADISE」という曲でボーカルを担当していた。 - 寿里
この番組にてパリコレ出演を果たす。現在もモデル・俳優として活動中。ニコ動的にはテニミュの白菜で有名。 - 弓削智久
寿里と同じオーディションに出ていたが、惜しくもパリコレに出れず。しかし、『仮面ライダー龍騎』で役者としての知名度を上げた。現在は役者を中心に据えて活動中。 - pool bit boys
浅倉大介プロデュースでデビューした2人組男性デュオ。2001年には解散し、現在はどちらもソロで音楽活動を継続。 - 鈴木早智子
スタッフのせいで嫌なキャラを演じなければならなかった人。本人的には黒歴史に入れたい参加履歴である。 - 平家みちよ
シャ乱Qのはたけに見出されてソロデビュー。途中でハロプロシンガーに転向したが2002年にハロプロを卒業。現在は一児の母となり、シンガーソングライターとして復帰。 - 鈴木亜美
小室哲哉に見出されてデビュー。鈴木あみ時代は肉親が暴走するまでトップアイドルだった。現在はクラブ系サウンドを主軸とした音楽活動に転向。中田ヤスタカらのトラックを歌い上げている。 - 太陽とシスコムーン(T&Cボンバー)
ハロプロきってのお姉様枠として人気だった4人組。実力派故にファンも多かったが2000年に惜しまれつつも解散。現在は全員が芸能界で活動を続けている(正確に言えば、小湊のみが伝統芸能との二足のわらじだが)。 - ごあきうえ
泣き虫キャラとして人気を博したファッションデザイナー。現在は本業の他、青山芸術祭審査員を務めている。 - CHEMISTRY
男子ヴォーカリストオーディション合格者。その後の活躍は言うまでもないだろう。 - NESMITH、ATSUSHI(EXILE)
男子ヴォーカリストオーディションファイナリスト。後にEXILEとして活躍中。ただし、NESMITHはソロ→EXILEという経歴の持ち主である。 - 藤岡正明
男子ヴォーカリストオーディションファイナリスト。こちらはシンガーソングライターとして地道に活動中。 - 椛田早紀
敗者復活オーディション出身。こちらも地道に活動中。 - Heartsdales
m-floのVERVALに見出されてデビューした姉妹ラッパー。人気があったにもかかわらず2006年に活動終了。 - 加藤ミリヤ
実は番組の「超歌姫」オーディションに参加していた。結果的には女子高生のカリスマとしてブレイク。 - 茂本ヒデキチ
世界標準オーディション優勝者。墨絵イラストレーターとして現在も活躍中。 - 佐咲紗花
「超歌姫」オーディションファイナリスト。以前にもavex dream 2000ファイナリストだった経歴を持っていた。時を経て2009年、ついに第3回全日本アニソングランプリにて優勝し、念願の歌手デビューを果たす。 - 浦田直也
後のAAAの一人である。その前はオーディションを受けては落ちる日々であった。 - 岡山一成
ラモスに見出された逸材だったが、途中で横浜マリノスが彼をゲット。ラモス涙目状態に。岡山劇場で有名。 - 高木成太
落選はしたがヴェルディ川崎に拾われる。現在は後進育成を経てFC鈴鹿ランポーレ監督として活躍予定。
モーニング娘。とASAYAN
この番組で外すことができないのはやはりモーニング娘。(またはハロプロ)との関係だろう。デビュー前より番組では彼女らに密着、その様子を見た男性達の人気を集め、ついには国民的アイドルにまで上り詰める。事実、この頃にはミリオンセラーやオリコン1位獲得、紅白歌合戦出場と輝かしい経歴を刻んだ。
しかし、番組を彩ったスタッフが交代したことでその関係は一気に冷めてしまうことに。いつの頃からか、モーニング娘。の様子をASAYANのカメラが追う事はなくなり、その役目は、同じテレビ東京系でレギュラー出演していた「ハロー!モーニング」や「MUSIX!」に引き継がれていった。彼女らを追わなくなった理由は不明だが、コレが番組転落の原因の一つであることは間違いないだろう。
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