ASH -ARCHAIC SEALED HEAT-(アルカイック シールド ヒート)とは、2007年10月4日に任天堂より発売されたニンテンドーDS専用のシミュレーションRPGである。
概要
『ファイナルファンタジー』(『FF』)の生みの親・坂口博信が率いるミストウォーカーが開発したシミュレーションRPGで、彼はエグゼグティブプロデューサーとシナリオ、ゲームデザインを務めた。
プロデューサーはスクウェア・エニックスが提供するPlayOnlineシステムの作者の田中謙介。
音楽は『伝説のオウガバトル』、『ファイナルファンタジーXII』が代表作の崎元仁。
キャラクターデザインは『ファイナルファンタジー』シリーズのアートディレクターを務めてきた皆葉英夫。
ストーリー
ミリニア王国の王女アイシャは17歳となったその日に、王位継承の儀式を受けていた。王位の証であるミリニアの腕輪を受け取ったその時、突如として火炎蛇が現れ、ミリニア王国を焼き尽くしたのである。そして、その火炎蛇はアイシャにも襲い掛かるのだった。アイシャを庇った仲間たちは火炎蛇の炎によって焼かれ、唯一生き残ったアイシャは絶望に襲われるが、その後、仲間たちは灰の体で蘇り、その体の謎を解き明かす為に一同は冒険の旅へと出る。
ゲームシステム
本作はシミュレーションとRPGを組み合わせた独特のシステムを持つ。3人1組がチームとなり、最大で3対3の激しい戦闘となる。戦闘はコマンド型のバトルで、DSの上画面に味方のビジュアルやステータスが表示され、下画面に敵側のビジュアルとHPが表示される。フィールドではチームごとに行動し、「AP」と呼ばれるポイントが行動力となり、APを消化しきるまでプレイヤー側のターンで移動や戦闘ができる。APが0になると敵側のターンとなる。
登場人物
チームリーダー
劫火によって国を失った17歳のミリニア王国王女。
接近戦、遠距離攻撃もこなす万能型。
武器は「シミター」「カービン」、防具は「ベスト」
サムネルシア王国の上級魔導師。自信の属する国がエミュを戦争の道具にすることに疑問を抱く。
敵の能力を奪い、自分の物にするブレイク系の技を得意とする。
武器は「クレイモア」、防具は「ベスト」
森の民。人間以外の生物と心を通わせる能力を持つ。ダンと共にアイシャの仲間となる。
エースシン国の皇女。かなり強気な性格。アイシャと同じく火炎蛇を追っている。
サムネルシア王国の傭兵。複数の剣を操る能力を持つ。謎に包まれている人物。
スポット
ミリニア王国の摂政であり、アイシャの傅役。火炎蛇により消滅後、灰の戦士として復活。
序盤のメンバーでは戦士として申し分ない高い戦闘能力を誇る。
未来から来た、感情・思考を持つ機導兵。機導兵のプログラムを書き換えるマシン「ロジック・ボム」により、正義感を持ち、未来を変えるためにアイシャたちと共に戦う。
強力な魔導士であるとともに、エースシン国の女王であり、マリティの母。時には自らも戦闘に参加する。
エンゲージシステム
炎によって焼かれた人間は灰の戦士として蘇り、ユニットキャラクターとしてプレイヤーが取り込んで仲間として育てることが出来る。
- バトラー
主に前衛を担当し剣術や接近戦を得意とする。魔法による攻撃が使えないため、敵とはなれると攻撃手段が無い。
多少ではあるが、回復魔法を使うことが出来る。敵の攻撃を無力化する能力もある。 - ロングソード
バトラーと同じような立ち位置だが、多少距離が離れていても攻撃できる手段を持っている。
2つの剣を合わせたような長い剣が特徴的。複数の敵に攻撃できるが、その分打たれ弱い。 - アイテマー
戦闘はアイテム次第で、回復薬にも攻撃役にもなれる。防御力は弱め。
通常近距離にしか届かないアイテムを背中に背負っているポッドで広範囲に打ち出すことが出来る。 - スティーラー
肉弾戦担当。アイテムを盗むことも出来る。素早さが高いが、打たれ弱い。 - ホワイトマジック
回復魔法担当。接近戦は不向き。初期から仲間にできる。 - ブラックマジック
攻撃魔法に長ける。接近戦は不向き。初期から仲間にできる。 - モンスターマジック
召喚魔法を使う森の民の職業。味方を強化したり、支援したりするのが得意。ホワイトマジックやブラックマジックとは異なり、特殊な魔法を使う。
灰の戦士の中で唯一、通常攻撃が出来ない。
備考
- 「ARCHAIC SEALED HEAT」とは「古(いにしえ)に封印された炎」という意味であり、その炎に焼かれた人が灰になっても心や記憶が蘇って、それによって謎を解いたり、未来から来た人間が現れたりするなど、壮大なスケールのゲームに仕上がっている。
- ニンテンドーDSソフトの中では、最高レベルのグラフィックであり、多くの場面でプリレンダムービーが挿入されている。そのためニンテンドーDSとしては初めて大容量2ギガビット(256メガバイト)のDSカードを採用した。
- 本作のテーマは坂口博信の死生観に基づく「世界のエネルギー循環(輪廻)」で、FFVIIやFFIXと基本のテーマ、そのベースは同様であると説明している。
関連動画
関連項目
外部リンク
- 0
- 0pt