BASTARD!! -暗黒の破壊神-(バスタード・あんこくのはかいしん)とは、冨樫義博の「HUNTER×HUNTER」と並び、長期間連載が休止する萩原一至原作の漫画である。
概要
『週刊少年ジャンプ』1987年47号に「WIZARD!!」として読切を掲載後、同誌にて翌1988年14号より連載開始。
魔法使いであるダーク・シュナイダーと大神官の娘ティア・ノート・ヨーコを中心に、剣と魔法の存在する世界で繰り広げられるヒロイック・ファンタジーである。
連載当初から過激な性描写が多く、連載していた『週刊少年ジャンプ』としては類を見ない程度の描写だった。
最近の展開ではヨーコの出番がなく、大天使ミカエルやガブリエルなどの活躍などが多い。
キャラクターや呪文、地名、タイトルなどのネーミングにヘヴィメタルのバンド名、ミュージシャン名、アルバムタイトルがモチーフになっている事が多く、あまりにもやり過ぎているのかヘヴィメタル雑誌『BURRN!』誌初代編集長である酒井康に「嫌悪感を覚える」と批判された事がある。
中断・移籍・休載
本作は何度も中断と連載誌移籍を繰り返している事でも知られる。
『週刊少年ジャンプ』での最初の連載が1989年に中断。一度目。
次いで、1990年から1996年までの一時期『週刊少年ジャンプ増刊』へ移籍したものの、中断。二度目。
1997年から『週刊少年ジャンプ』に復帰したが、2000年に中断。三度目。この頃(2000年頃)から完全版コミックスや同人誌を刊行するようになる。
最終的に『ウルトラジャンプ』に移籍し2001年1月号より連載を続けることになるが、やはりというか長期間休載が多く、中々ストーリーが進まない。『ウルトラジャンプ』での休載期間中、何度か成人向け同人誌を刊行をしてもいる。
現在までのところ、『ウルトラジャンプ』における最新の掲載は2010年6月号である。月刊誌だけあって、冨樫の「HUNTER×HUNTER」より長期間休載する場合もある。競ってどうする。
2022年現在、単行本は2012年までに27巻までがようやく刊行されているが、10年以上経った現在でも新刊は出ていない。また、連載中にもかかわらず、完全版が出版されている。
完全版は原稿を全面的にリメイクしているため、ただでさえ多かった休載期間がますます増えることになった。
連載開始から二十数年が経過しているため、キャラクターデザインなども大きく変わってきている。また、何部かに構成されているため、第1巻と最近5年間で発売された単行本では、ストーリーが全くの別物に思えるような内容になっていたりする。
メディアミックス
1994年にアニメ化、ゲーム化がなされている。また、2000年代に入り、ポルノ・ディアノやミカエルなどのフィギュアが壽屋で制作されている。
2009年中についにオンラインゲーム化されることが決定…する予定だった。ダーク・シュナイダーやアーシェス・ネイ、カル=スなどを使ってプレイすることが出来る…予定だった。ミカエルやガブリエルなど天使編のキャラクターやフィギュアが製作されたこともあるポルノ・ディアノの登場はなさそうだ…ってかそれ以前に開発中止した。
ファンにとっては残念な決定ではあるが、下手に漫画以外の収入が安定すると萩原の事だから益々執筆が遅くなることが懸念されるので、これはある意味安定した連載再開を待ちわびるファンにとっては朗報かもしれない。漫画描け、萩原!!
2022年2月3日、Netflixにてアニメ化が発表された。
主要キャラクター
メインキャラ
- ダーク・シュナイダー
- CV:矢尾一樹(OVA・ドラマCD) / 谷山紀章(2022年アニメ)
- ルーシェ・レンレンより変身した伝説の魔導師。本編では「D.S.」と略されている。自らを「超絶美形主人公」と呼んだり、ガラいわく「根拠のない自信だけは百人前」と言うように超オレ様主人公。ヨーコだけには頭が上がらず、「ヨーコさん」と言ったりする。基本的に露出狂全裸。たまに防具を着たりする。背中には翼が生えている。劇中では心臓を自らえぐり出したり、首だけになったりするなど、それでも生きており、不死身である。
- ティア・ノート・ヨーコ
- CV:小山裕香(OVA) / 白鳥由里(ドラマCD4巻) / 楠木ともり(2022年アニメ)
- 忘れ去られたヒロイン。17巻を最後に18巻からは天使達が活躍するために登場しない。メタ=リカーナの大神官の娘。一人称が「ボク」の所謂ボクっ娘。最初は護られるだけの少女にしか過ぎなかったが、次第に癒しの術を覚えたり、自らが戦ったりする。体重が55kgと重く設定されている。他の創作ヒロインたちが軽すぎ…と言ってはいけない
- ルーシェ・レンレン
- CV:渕崎ゆり子(OVA)/ 伊藤かな恵(2022年アニメ)
- 大戦で死亡したD.S.が転生した先の少年。童顔だが、ヨーコと同い年に設定されている。趣味は洗濯で、OVAでは戦いが始まる直前まで洗濯をしていた。美と愛の神イーノ・マータにより魂を封印されている。後にD.S.として復活するが、D.S.の前で幻想に出てきたりと、ただの転生体とは思えぬフシがあり謎が多い人物である。
四天王
- カル=ス
- CV:関俊彦(OVA) / 堀川亮(ドラマCD1~3巻) / 三木眞一郎(ドラマCD4巻)/ 小野賢章(2022年アニメ)
- D.S.に仕えた「四天王」の一人。冷却系の魔法使い。D.S.が滅ぼされた(と見られた)時から破壊神アンスラサクスの復活を企み、各王国を征服して封印を手に入れようとしている。冷静な性格で、かつては暴走しがちなD.S.の抑え役でもあった。
- アーシェス・ネイ
- CV:佐久間レイ(OVA・ドラマCD4巻) / 小山茉美(ドラマCD1~3巻) / 日笠陽子(2022年アニメ)
- D.S.に仕えた「四天王」の一人。雷撃系の魔法を使う魔法剣士で、ハーフのダークエルフ。D.S.の養女かつ愛人であり、彼を「ダーシュ」と呼び彼からも「アーシェ」と愛称で呼ばれている。
- ニンジャマスター・ガラ
- CV:玄田哲章(OVA・ドラマCD)/ 安元洋貴(2022年アニメ)
- D.S.に仕えた「四天王」の一人。ニンジャではあるが筋骨隆々とした男性であり、豪放磊落かつ面倒見のいい親分肌。数多くのニンジャたちを部下に持つ。忍者刀「ムラサメ・ブレード」を使いこなす。
- アビゲイル
- CV:大友龍三郎(OVA・ドラマCD) / 杉田智和(2022年アニメ)
- D.S.に仕えた「四天王」の一人。暗黒の僧侶(クレリック)。特徴的なアゴのかなり怪しい(妖しい)オッサン。カル=スとともに破壊神アンスラサクスの封印を解こうとしている。冷静沈着な悪の参謀タイプ…なのだが、後にある事情でかなりコミカルでひょうきんな一面も見せることになる。キャラの外見は嶋田久作が演じる「帝都物語」の加藤保憲や「スタートレック」のミスター・スポックの要素が入っていると言われている。なお、アビゲイルという名は本来女性の名前である。
関連動画
関連静画
関連項目
関連リンク
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