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C寝台とは、次の2つの意味が存在する。
1.の概要
1955年（昭和30年）に、従前の一等寝台車と二等寝台車の区分を再編した際に新設された区分である。
3等級運賃時代の一等寝台車の料金は当時の航空運賃よりも高く、利用率が低迷していた。その反面、二等寝台車は利用率が非常に高かったことから、1955年（昭和30年）7月1日に一等寝台は廃止され、従来の一等寝台車は二等寝台車に編入の上統合されることとなった。
このとき、旧一等寝台区分室（現在の個室寝台に準じるもの）を「2等A寝台」、旧一等寝台開放室で冷房がついている車両を「2等B寝台」、旧二等寝台開放室で非冷房のものを「2等C寝台」とした。しかし当時は個室でも非冷房の車両があったりしたため、その区分においてはまちまちであったと言われている。
それから5年後に当たる1960年（昭和35年）7月1日に3等級制運賃が廃止され、新たに2等級制運賃が導入された際に「2等A・B・C寝台」はそれぞれ「1等A・B・C寝台（Aロネ・Bロネ・Cロネ）」へと変更された。1等C寝台に該当する車両は当時のナロハネ10形のロネ部分と、マロネフ38形（格下げ後はマロネフ58形)の2種類が該当したが、その後1964年にマロネフ58形は廃車、ナロハネ10形は冷房改造と同時にCロネ部分がBロネへと区分変更されたため、「1等C寝台」と呼ばれる設備を備えた車両はこのとき消滅した。
なお、当時実在した「2等→1等C寝台」はあくまでも現在の「A寝台」のうちの1区分（「Cロネ」）であったことから、非冷房である以外は現在の「B寝台」よりも格上の設備であったことに留意する必要がある（もちろん現在の「B寝台」も旧「Bロネ」とは全く別物であるが）。
2.の概要
その後、寝台車を連結しない夜行列車の座席に寝る様子を、「B寝台より劣る場所で横になって寝る」といった意味で「C寝台」という俗称が作られ、一部の鉄道マニアの間で広まることとなった。その背景には「C寝台」という区分が過去にあったものの、車両数が極めて少なかった上に、実在した期間が10年足らずという短命であったことや、区分消滅してから既に半世紀近くが経っていることも原因にあると考えられる。要するに「知らずに使うのも無理がない」状況が出来上がっていた、と言うことが出来るであろう。
類例として、網棚や床など座席より更に劣る場所で寝ることを「D寝台」、逆に新幹線の座席などやや優れた場所で寝ることを「特C寝台」などと言うこともある。
日本鉄道史上最上級と思われるC寝台はJR北海道がかつて走らせていた『快速海峡（青森 - 函館）』の14系のびのびカーペット車上段28番。構造上、ドラえもん海底列車の寝室（のび太の部屋の押し入れ）の気分を味わえる「特C寝台個室」で、専用の出入階段があり、ドアの開閉音だけ我慢すれば、ほぼ個室寝台のようであった。それでも自由普通席扱い。この車両は『夜行急行はまなす（青森 - 札幌）』としても使われ、この車両の上段指定券はもちろん人気であった。
D寝台については更に区別して網棚を上段、床を下段とも言う。
なお、583系の座席はできるからといって寝台転換してはいけない。車掌さんからやんわりと下段A寝台券の購入の案内をされ、余計な出費になり意味がない。
ちなみに、これらを踏まえたのかどうかは定かではないが、関東鉄道が2021年にイベント列車として本当にC寝台・D寝台を銘打った列車を走らせるという奇行に出た。通常の車両のロングシートを寝台として提供し、夜行運行して撮影会なども行うというイベントで、D寝台というのは客を床に寝かせるわけではなく、あくまで寝台として用意される席のうち大きいのがC寝台で小さいのがD寝台ということだそう。
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