CBR1100XXとは、ホンダが製造していた大型オートバイである。「スーパーブラックバード」のサブネームを持つ。
概要
CBR1100XXは1996年、CBR1000Fの後継車種としてデビュー。俗に言う「メガスポーツ」マシンの最先駆者として名高いマシンである。速さを追求したこととあり、PVでは米空軍とのコラボでサブネームの由来となったSR-71との共演も果たしている。
最高速度は287~303km/h程度。
1999年、2期型にモデルチェンジし、燃料噴射装置が採用される。 イモビライザー搭載によりセキュリティ向上。
2001年、3期型にモデルチェンジ。メーターがデジタル化。排ガス規制の影響で最高出力が152PSにダウン。なお、3期型だけは2003年まで日本国内仕様が存在していた。海外仕様との違いは、大幅なパワーダウン・ブレーキキャリパーが金色(海外仕様は黒色)・180km/hで発動するスピードリミッター搭載・ハザードランプ追加。
2007年生産終了。
スペック
車両型式名 | BC-SC35 |
製造年度 | 1996年~2007年 |
フレーム形式 | ダイヤモンド(アルミニウム製ツインチューブ) |
エンジン型式名 | SC42E型 |
排気量 | 1137cc |
気筒数 | 直列4気筒 |
冷却方式 | 水冷 |
ストローク数 | 4ストローク |
吸排気弁構造 | DOHC |
内径×行程 | 79mm×58mm |
最高出力 | 164PS/10000rpm(最初期型) 164PS/9500rpm(2期型) 152PS(3期最終型) 100PS(日本国内仕様) |
最大トルク | 12.7kgmf/7250rpm(最初期型) 10kgmf(日本国内仕様) |
燃料供給装置 | CV型4連キャブレター(最初期型) PGM-FI燃料噴射装置(2期型以降) |
トランスミッション | 常時噛合式6速MT |
駆動方式 | チェーンドライブ |
サスペンション | 前:テレスコピック式 後:スイングアーム式 |
ブレーキ | 前:310mmダブルディスク 後:256mmディスク 前後連動システム標準搭載 |
燃料タンク容量 | 22L(最初期型) 24L(2期型以降) |
燃費(60km/h定地走行テスト値) | 21km/L |
タイヤサイズ | 前:120/70ZR17 後:180/55ZR17 |
全長/全幅/全高 | 2160mm/720mm/1170mm |
地上最低高 | 130mm |
シート高 | 810mm |
ホイールベース | 1490mm |
乾燥重量 | 223kg |
車両重量 | 256kg |
乗車定員 | 2名 |
歴史
時は遡り、1996年。バイク世界最速の座には「カワサキ・ZZR1100」が絶対王者として君臨していた。
圧倒的な高速性能と高品質も相まって、世界各国のスピード狂は挙ってこのマシンを追い求めた。
約6年に渡るZZR1100の世界最速支配を奪還するため、ホンダは総力を挙げて新しいマシンを開発した。
それがCBR1100XXである。最高速・加速力・パワー・スタイリング・快適性に至るまで一所懸命頑張った。
プレスリリース時には、記者たちが「俺に乗らせてくれ!!!」と詰め掛けてきたと言う。
そんなわけで、見事「世界最速」の称号を得たスーパーブラックバード。おめでとう。
しかし、その世界最速の座も長くは続かなかった。
1999年、「鳥類最速はハヤブサだろww」というスズキが総力を挙げて開発した「GSX1300R」に世界最速の座を奪われると、翌2000年、「世界最速は俺のもの」というカワサキが総力を挙げて開発した「ZX-12R」が登場。
ホンダ・スズキ・カワサキの本気マシンが出揃ったところで、ヨーロッパのお偉いさんに「自重しろ!」と怒られてしまい、世界最速という称号はこの世界から消えることとなった。
それに懲りたのか、はたまたメガスポーツの極致をCBR1100XXに見出したのか、ホンダからこのマシンの後継機の話は全く聞かない。CBR1200XXなるものが出るのでは?とも噂されたが、どうやら本当に噂だったらしい。
特徴
1.スピード
概要にも書いてある通り、最高速度は287km/h~303km/h(実測値)。メーター読みでは条件さえ揃えば330km/hのフルスケールメーターを振り切るらしいが、それには超に超が付く超ロングストレートが必要と思われる。
260km/h~280km/hくらいまではスムーズに加速をするが、それ以降はとても伸びが悪い。
世界最速の栄誉もすでに十余年前、基本設計に至っては20年近く前のモデルであるため、現行メガスポーツや現行リッターSSに比べると後手にまわざるを得ない。しかしながら、その辺の車やバイクよりも速いので特に問題は無いと思われる。上記のマシン達がおかしいだけなんです。
2.加速
CBR1100XXにはキャブレター仕様(初代)とPGM-FI仕様(二代目、三代目)があり、若干特性が違う。
キャブ仕様はパワーバンドに入った途端に、キャブ車らしくドッカーンと弾け飛ぶ感覚が味わえる。
路面状況やアクセル開度によっては、1速フル加速中にホイルスピンすることも。タイヤ仕事しろ。
しかしながら、普通に回す分には至極おとなしいというツンデレっぷりである。
PGM-FI仕様はその名の通り、キャブレターではなく燃料噴射装置を使用している。キャブ車と違い、CBR1100XXの中にあるECUというユニットが電子制御をしてくれているため、現行大型車のようなスムーズかつ暴力的な加速が味わえる。
3.耐久性
※ソースは2chなのを留意して頂きたい。
CBR1100XX開発時、ホンダのエンジンオイル「G2」を入れ、280km/hで20,000km走行の耐久テストをやったらしい。その結果は全く問題なしとのこと。これは通常に使用した場合の200,000kmに相当するらしい。
どういう計算方法か不明だが、オドメーターが999,999kmまで刻めるため、あながちウソではない・・・気がする。
4.最小回転半径
CBR1100XXの中で偶に話題になるのが、ゴールドウィングより大きな最小回転半径である。
CBR1100XXの最小回転半径は3.4m。
ゴールドウィングの最小回転半径は3.3m。
ワルキューレの最小回転半径は3.3m。
当然だが、ホイールベースはゴールドウィングやワルキューレのほうが圧倒的に長い。一説には、CBR1100XXを超えるのは新型V-MAX(3.5m)だけじゃないか?という話もある。
CBR1100XXは、乗りながらUターンなどでハンドルを全開で切る時、少々コツがいる。
ハンドルをギュッと握ったままでは難しい。理由は簡単。手が挟まるから。
フル装備のゴツイ兄ちゃんが足を地面に着きながら、うんしょ!うんしょ!とUターンしている姿を見ても笑ってはいけない。これは仕方の無いことなのである。
5.前後連動ブレーキ
CBR1100XXには、D-CBSと呼ばれる前後連動ブレーキが搭載されている。
オーナーの間では賛否両論に分かれるこのブレーキシステムであるが、一体どういうものかというと、
Fブレーキを「ギュッ!」と握ると、Rブレーキも一緒に「クンッ!」と掛かる。逆も同様。
超高速域からのブレーキングや街乗りでの急制動などに大きな力を発揮するが、峠では(ry
同様のシステムがVFR800に搭載されているが、なぜかVFR800Pには搭載されていない。
わざわざ取り外しているとかなんとか。どういうことなんだろうね。
そのため、この前後連動ブレーキを愛する者も居れば、連動を解除したり社外品のブレーキシステムに変更するオーナーも見受けられる。
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関連項目
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