CamTwist とは、Web ストリーミングに適した Mac OS X 用仮想カメラデバイスとメディアミキシングアプリケーションのパッケージアプリケーションである。
概要
Mac OS X の機能の特徴である Quicktime Components や Quartz Extreme 等の技術をベースにしているため、CPUの負荷が殆ど無く、複数カメラデバイスのミックス(PIP = ピクチャー・イン・ピクチャー)機能や豊富なリアルタイムエフェクト、ネット上の様々な情報を画面にプロットできる同梱エフェクト等が豊富に用意されているのが特徴。
海外でも Ustream.tv や Stickam.com などの有名ストリーミングサービスでもユーザーが多く、その提供映像のクオリティはプロ並みのデザイン・構成を実現している。
主な機能
CamTwist に含まれる機能は非常に豊富で、使い方によって初心者から中・上級者まで満足できる機能が多数存在する。ここではその一部を紹介する。
仮想カメラデバイス機能
現行の Mac ラインナップ製品は、Mac mini / Mac Pro シリーズを除き全ての製品に Web カメラ(iSight)を標準搭載しているので、何も用意せずともすぐにストリーミングを開始できるが、CamTwist を用いれば、仮想カメラデバイスとして機能するので様々な形式の画像・映像を直接ストリーミングに配信できるので、Web カメラを搭載していない旧型の Mac や Mac mini / Mac Pro シリーズでも容易にストリーミングのコンテンツを充実させる事が可能になる。機能としては以下のものがある。
- Webcam
Mac 上で認識できる映像機器を読み込む事ができる。複数台のカメラの切換えができる。 - Desktop
デスクトップをキャプチャする機能。画面上の操作を配信できる。 - Desktop+ (Ver.2.0 Later)
特定のウィンドウをキャプチャする機能。見かけ上、他のウィンドウの裏側にまわっても、指定したウィンドウだけがそのまま配信される。 - Slide Show
複数の画像ファイルをリストで取り込み、スライドショーを展開できる。対応フォーマットも豊富。 - Movie
複数の動画ファイルをリストで取り込み、配信できる。複数の動画をシームレスに再生できるのが特徴。 - Flickr Sets
Flickr で作った Set の URI から画像ファイルのリストを読み込んでスライドショーを展開できる。
Quartz Composer エフェクト
CamTwist の最大のメリットであり、Quartz Composer 形式の様々なエフェクトを上記の様々な映像ソースに多重で付加できる。デフォルトでも非常に多数のエフェクトが同梱されており、それらを駆使すれば非常にクリエイティブな映像配信が可能になる。
また、Quartz Composer ファイルを後から任意で追加する事も可能なので、自作エフェクトや Web 上で公開されている様々なエフェクトも追加できる。同梱されている代表的なエフェクトは以下のものがある(一部のみ紹介)。
- iTunes Song
iTunes で再生しているアーティスト名/曲名をリアルタイムに表示する。ジャケットアートも表示可能。 - Image Overlay
映像ソースの上に画像を重ねて表示する。画面のフレームデザイン等に用いると便利。 - Text / Scrolling Text
映像ソースの上に文字を重ねて表示する。放送タイトルやテーマなどの表示をする時に便利。 - Telestrator
映像ソースの上にフリーハンドで描画ができる。画面上でのプレゼンテーションに使うと便利。
エフェクトセットの保存
様々な映像ソースやエフェクト類を用いて画面構成をデザインしたものに名前を付けて保存できる。コンテンツが複数のテーマにわたる場合、それぞれのテーマに即したデザインを保存しておく事で、ストリーミング開始前に画面を再構成せずとも、保存したセットを呼び出す事で瞬時に設定した内容が適用できる。
CamTwist Studio
CamTwist には、画面構成をするメインウィンドウの他に、画面構成をプレビューする Preview、そして画面の切換えに特化した Studio というツールがある。Studio では前述で保存した画面構成のセットを複数組み合わせて、より複雑な画面構成をリアルタイムに作ったり、遷移前画面をストリーミングとは別の画面で構成して、トランジションをかけながら画面を遷移させたりする事ができる。トランジションの種類は以下の通り。
- CopyMachine
その名の通りコピー機の光るスキャンヘッドが画面を通り抜けると同時に画面が遷移する。 - Dip
一度画面が暗転し、次の画面へと遷移する。 - Dissolve
遷移前と遷移後の画面がクロスフェードする。 - Flash
中央から放射状の光が現れた後、次画面へと遷移する。 - Mod
格子状の楕円の穴から次画面へと遷移する。 - PageCurl
ページをめくるように次画面へと遷移する。 - Ripple
画面に波紋が広がりながら次画面へと遷移する。 - Swipe
左から右へ境目が移動しながら次画面へと遷移する。
その他の機能
上記のような様々なエフェクトや機能が搭載されているが、その他にも細かな便利機能が存在する。
- Timeline
CamTwist Studio の動作を半自動化するツール。定期的に複数のカメラデバイスを交互に表示したり、特定のムービー(ex.オープニング/エンディング)を流した後に通常ストリーミング画面へと遷移させたりといったことを細かな時間指定を用いて設定できる。 - 環境設定
ムービーの音声出力先デバイスの選択やフレームレート、ピクセルサイズ等も細かに設定できる他、特定のアプリケーションに適用する/しないという出力先アプリケーション毎の設定も可能となっている。 - ユーザーメニュー
主にエフェクトの適用、マージ、CamTwist Studio の画面遷移動作や AppleScript を走らせるショートカットキーを設定できる。例えば複数のカメラデバイスとデスクトップをテンキーで切替えたりなどが可能。
64bit化に伴う注意事項
CamTwsitは2012年2月現在、32bit版のみがリリースされている。そのため64bit版のアプリケーションではCamTwistをカメラデバイスとして認識することができない。
公式フォーラムにおいて作者は「64bit版をリリースしたいとは思っているものの、アップルが64bitに対応したAPIを公開していないため開発できない。アップルに問い合わせたところ、公開の予定はあるという返事だったが、その後長い間反応がない。」という趣旨の発言をしている。(2012年1月)
アプリケーションが32bitなのでCamTwistが利用できるもの
- Chrome と FlashPlayer によるニコ生のかんたん配信
※FlashPlayer 11,1,102,62 で確認(今後使えなくなる可能性もある) - Flash Media Live Encoder 3.2
- QuickTime Player 7 (もしくは OSX 10.5 Leopard 以前のQuickTime Player)
アプリケーションが64bitのためCamTwistを認識できないもの
関連商品
C615とC910はMac正式対応。C210とC905mはUVC(USBビデオクラス)で対応。
関連コミュニティ
関連項目
- CamTwist Studio (CamTwist公式サイト/英語)
- ニコニコ生放送
- ユーザー生放送
- Macでニコニコ生放送
- cam twist frame
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