Can't Stop!!単語

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概要

曲調はユーロビートとハイパーテクノを折衷したような90年代を強く意識したサウンド^[1]。具体的には、全体的な曲の構成はユーロビートのそれだが、シンセリフ部分はオーケストラヒットを多用したハイパーテクノ風のサウンドに仕上がっている。ただしテンポはユーロビートとしては少し早め（90年代ユーロビートのBPMはおよそ150～160）である。

片桐早苗のゲーム内での行動やファッション、言動の端々から溢れ出るバブル臭を反映し、圧倒的な90年代テイストを漂わせている。個性派揃いのCINDERELLA MASTER シリーズでもこれに比肩するのは、同じく28歳アイドル川島瑞樹のAngel Breezeぐらいのものだろう。

また何もかも90年代風の同曲が収録されたシングルのジャケットも、露出度の高い警察服風ボディコン姿とブレない。しかし彼女の髪型は”おさげ”であり、残念ながらワンレンではない。

この曲の3D ライブの背景にはミラーボールが映し出され、暗めのステージにカラフルなライティングの演出が行われるなど、ディスコやクラブをイメージしたものとなっている。さらに特筆すべきは小道具と振り付けで、うら若きアイドルたちがジュリ扇フリフリ、パラパラを踊る姿はまさに昭和91年^[2]といった趣である。

ここで少し歴史の話をば。この曲（およびデレステの3D ライブ）のモチーフは、バブル時代・ジュリアナテクノ（ハイパーテクノ）・ユーロビート（パラパラ）である。それぞれの要素がどの時期に流行したのかを確認すると、

と、それぞれの要素で時代が前後している。またジュリアナ東京ではあまりユーロビートは流されていなかった。ユーロビートは主にマハラジャなどで流されており、ユーロビートに合わせて踊るパラパラも、ジュリアナ東京、ひいてはジュリアナテクノとは関係が薄かった。よってジュリ扇（ジュリアナ扇子）を持ってパラパラを踊るというのは、歴史的には正しくないことになる。
さらに、いくらシンデレラガールズのアイドルの中でも年長の部類に入る片桐早苗（28）であったとしても、1990年代初めはまだまだピッチピチの小娘で、とてもじゃないがディスコに入り浸るような真似は出来ない。

ではこの曲や彼女の趣味が事実と矛盾した存在なのかというと、そういうことではない。シンデレラガールズ劇場第591話「叶えさせてよー♪」（2015/10/15配信）に、この謎の答えが示されている。ここで彼女はプロデューサーに”なぜヒョウ柄が好きなのか”を尋ねられ、彼女が少女だった（絵から推測すると中学生くらいの）頃に流行していたディスコ文化に憧れていたことが語られている。モバマスサービス開始時（2011年）に彼女が28歳だったとすると、ジュリアナ東京の閉店(閉店後もベルファーレなどがブームを引き継ぐ)時には彼女は12歳であり、時期的にもバブルの余韻が残り、ハイパーテクノ、ユーロビートも共に流行中で矛盾はない。つまり、一見するとバブリーなステレオタイプを寄せ集めたようなCan't Stop!!だが、実際には少女・片桐早苗の憧れを具現化した一曲というのが正しいのである。