Cars Tokai Dream28は、SUPER GT GT300クラスに参戦しているレーシングチームである。
概要
2014年のチーム体制 | ||||
エントラント | Cars Tokai Dream28 監督:後藤 誠 チーフエンジニア:渡邊 信太郎 |
|||
---|---|---|---|---|
カーナンバー | 2 | カテゴリ | GT300 | |
マシン名 | シンティアム・アップル・MP4-12C | |||
ドライバー | 加藤 寛規 / 高橋 一穂 | |||
ベース車両 | マクラーレン MP4-12C | |||
搭載エンジン | マクラーレン M838T V型8気筒 3.8L ツインターボ | |||
タイヤ | 横浜ゴム ADVAN |
ムーンクラフト・紫電
2006年より、マシンはレーシングカーデザイナーである由良拓也氏のデザインした“紫電”。企画開発も、同じく由良氏が運営する“ムーンクラフト”である。
外見はプロトタイプ・レーシングカーそのものであるが、公道走行をコンセプトとして企画されている。ただし、現在までのところ市販はされていない。
その外見から、SUPER GTに参戦した外国人選手からは「なぜプロトカーが走ってるんだ?」と疑問に思われたとか。
ちなみに、現在のSUPER GT GT300クラスのレギュレーションでは、プロトカーの出場は認められてはいる。ただし相応の性能調整が加えられる。
紫電はこの為、SUPER GT GT300クラス参加車両のうち最も大きいハンデを背負わされている。
空力、コーナリング性能は抜群。テクニカルコースでは大きく力を発揮する。
レギュレーションの変更によって2013年以降の参戦が不可となったため、2012年で引退となった。
チーム
チームの母体となっているのは、ホンダのディーラーである「ホンダカーズ東海」(旧:ホンダベルノ東海)である。SUPER GTには前身のJGTC時代、2001年から参戦。創業者で現在は親会社となっているVTホールディングス社長の高橋一穂が参加している。
もともとホンダのディーラーである関係で、2004年まではGT300仕様のNSXを使用していた。その後はホンダ以外の車種を使用している。
2005年はヴィーマック、2006年より上記の紫電で参戦。紫電はデビューイヤーから強さを発揮し、2006・2007年は総合ランキング2位となった。
紫電を走らせる2006年からはフォーミュラ、GT500などで経験豊富な加藤寛規をパートナーに迎え入れる。
加藤寛規がスタートから規定の3分の2近くまで走り、残りのドライブを高橋一穂が務めるという作戦で、この光景は「名物」と称されていた。
2009年シーズンの第1戦までは変わらず高橋一穂・加藤寛規のコンビであったが、会社経営者である高橋が「本業に専念する為」にシートを降り、以降は代わりに吉本大樹が就いた。シーズンは6位(加藤)の成績で終える。
2010年シーズンは加藤寛規と、SUPER GT初挑戦となる濱口弘のコンビ。
濱口は、本格的にレースを開始してまだ2年と言う超・ルーキーであるにもかかわらず、レースでは積極的、かつ高い素質を持った走りを見せ、第5戦では優勝を果たし、最終戦までチャンピオン争いに食らいついた。
2011年に高橋が復帰、スポンサーにエヴァンゲリオンが付き、初号機のカラーリングをまとった痛車となった。
成績の方は第2,3戦で他車にぶつけられてドアが開いてしまった不運もあったが、完全にFIA-GT勢に力負けしてしまって表彰台1回という紫電参戦以来ワーストの成績になってしまった。
2012年もエヴァカラーの紫電で戦うことが発表された。ドライバーなどのチーム体制は変更なしである。
第2戦で2位表彰台に上がったものの、菅生からはポイントを上げられず、紫電最後の年を飾ることはできなかった。
2013年からは、海外で高い結果を残しているマクラーレンMP4-12Cを採用、引き続き初号機のカラーリングで挑むこととなった。
開幕戦から注目されているが、第2戦までトラブルによるリタイヤなどでポイントを上げられていない。
余談であるが、レースクイーンがキャラクターをイメージしたコスプレをしておりサーキットでも異色の存在である。
また、ピットクルーのスーツなどもエヴァをモチーフしたものであり非常にかっこいいものとなっている。
2014年シーズンは、ペトロナスのエンジンオイルのブランド名を冠した「シンティアム・アップル・MP4-12C」とマシン名を改め、MP4-12Cの2シーズン目を戦う。
2015年からマザーシャシーを使用したロータス・エヴォーラで参戦し、6シーズンを戦った。2019年限りで高橋が高齢のためSUPER GTを引退し、1年間の猶予を経て2020年限りで参戦を終了した。
2021年、トヨタカローラ山口を母体とするインギングにジョイントし「muta racing INGING」として参戦。車番「2」とエヴォーラMCを継承し、タイヤはブリジストン。加藤と阪口周平がコンビを組んだ。
戦績
参戦年 | カテゴリ | No. | 車両名/ベースマシン(タイヤ) | ドライバー | 優勝 | 順位(D/T) |
2001 | GT300 | 2 | ベルノ東海ARドリーム28NSX ホンダ NSX (YH) |
高橋一穂/木村博(Rd.5)/渡辺明(Rd.6) | - | 20(渡辺)/- |
2002 | GT300 | 2 | BOSS ベルノ東海・AR NSX ホンダ NSX (YH) |
高橋一穂/渡辺明 | - | 16/12 |
2003 | GT300 | 2 | リニューカー・インターリンク・ベルノ東海NSX ホンダ NSX (YH) |
高橋一穂/渡辺明 | - | 14/11 |
2004 | GT300 | 2 | プリヴェチューリッヒ・クムホ NSX ホンダ NSX (KH) |
高橋一穂/渡辺明 | - | -/- |
2005 | GT300 | 2 | Prive e Zurich アップル RD320R ヴィーマック 320R (YH) |
高橋一穂/渡辺明 | - | 14/11 |
2006 | GT300 | 2 | プリヴェ チューリッヒ・紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹(Rd.6③) | 1(Rd.8) | 2/3 |
2007 | GT300 | 2 | プリヴェKENZOアセット・紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹(Rd.6③) | 1(Rd.6) | 2/1 |
2008 | GT300 | 2 | プリヴェKENZOアセット・紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹(Rd.6③) | - | 4/5 |
2009 | GT300 | 2 | アップル・K-one・紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
高橋一穂(Rd.1)/加藤寛規/吉本大樹(Rd.2~9) | 1(Rd.4) | 6(加藤)/7 |
2010 | GT300 | 2 | アップル・K-ONE・紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
加藤寛規/濱口弘/高橋一穂(Rd.6③) | 1(Rd.5) | 4/5 |
2011 | GT300 | 2 | エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
高橋一穂/加藤寛規 | - | 10/7 |
2012 | GT300 | 2 | エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電 ムーンクラフト 紫電 (YH) |
高橋一穂/加藤寛規/濱口弘(Rd.5) | - | 11/10 |
2013 | GT300 | 2 | エヴァRT初号機アップルMP4-12C マクラーレン MP4-12C (YH) |
高橋一穂/加藤寛規/カルロ・ヴァン・ダム(Rd.5) | - | 25/19 |
2014 | GT300 | 2 | シンティアム・アップル・MP4-12C マクラーレン MP4-12C (YH) |
高橋一穂/加藤寛規 | - | 33/33 |
2015 | GT300 | 2 | シンティアム・アップル・ロータス ロータス エヴォーラ MC (YH) |
高橋一穂/加藤寛規 | - | 24/24 |
2016 | GT300 | 2 | 高橋一穂/加藤寛規/牧野任祐(Rd.6) | - | -/- | |
2017 | GT300 | 2 | 高橋一穂/加藤寛規 | - | -/- | |
2018 | GT300 | 2 | 高橋一穂/加藤寛規 | - | -/- | |
2019 | GT300 | 2 | 高橋一穂/加藤寛規/濱口弘(Rd.5) | - | -/- | |
2020 | GT300 | 2 | 加藤寛規/柳田真孝 | 1(Rd.2) | 10/10 | |
備考: タイヤ YH=ヨコハマ KH=クムホ 2001年の渡辺のドライバーズポイントは9号車で獲得したもの |
関連項目
外部リンク
- 1
- 0pt