『Dororonえん魔くん メ~ラめら』とは、週刊少年サンデーに連載されていた永井豪の漫画版『ドロロンえん魔くん』をベースに作られたアニメ作品である。
舞台設定が原作である昭和版の放映されていた年代という事で、ニコニコ生放送や日曜アニメクルーズでの放映時には、30代未満=未成年 平成生まれ=胎児 呼ばわりという愉快なイタズラコメントが開始時に飛び交う。
(注:ネタバレになりかねない箇所は反転文字にしてありますのでご了承ください。)
概要
『マジンガーZ』や『デビルマン』等で広く知られる漫画家・アニメ企画者である、永井豪の代表作の一つ『ドロロンえん魔くん』を、平成の世に甦らせたアニメ作品。
1973年(昭和48年)のアニメ放映時に、今で言うメディアミックス作品として連載されていた、原作者の永井豪によって描かれたギャグ要素の強い漫画版を元にしており、昭和ネタをふんだんに盛り込みながら、現代風にリファインがなされている。
なお、旧アニメ版・漫画版では、洋海学園に通う小学生の少年ツトムが「えん魔くんたちに協力する人間」という立場の主要キャラクターであったが、旧作でツトムの女友達であったハルミが今作では主要キャラとなり、ツトムはその男友達という位置付けになっている。
あらすじ
西暦1970年代の東京……オイルショックによる価格高騰や、排気ガスによる公害問題が人々を悩ませていた時代。
その夜、一人銭湯に浸かっていた小学生のハルミは、値上がりしたフルーツ牛乳を我慢し、「夜の学校には妖怪が住んでいる」と語る噂好きのお婆ちゃんを適当にあしらって、家路を辿ろうとしていた。
そこへ、夜の学校にトイレットペーパーを盗むため忍び込もうとするクラスの仲間たちと遭遇し、ひょんなことからハルミは渋々同行することに。
忍び込んだまま帰ってこない仲間たちを心配し、自らも学校へ忍び込むが……そこで見たのは、顔の無い仲間たちの姿。
恐怖で逃げ惑う最中、プールに足を滑らせ溺れてしまうハルミ。それを助けたのは、なんと言葉を喋るカッパだった。
彼に連れられ、学校の地下に密かに構えられた〔地獄別荘〕へ案内されたハルミは、そこでえん魔くん率いる〔妖怪パトロール〕の面々と出会う……。
人間界を脅かす悪い妖怪を退治するために、今日もえん魔くんたちが大暴れ!
コミカルで熱い、ちょっと(?)エッチなハイテンション群像劇。
登場人物
メインキャラ
- えん魔くん(CV:山口勝平)
悪い妖怪を捕まえるために地獄から派遣された妖怪パトロールの隊長であり、閻魔大王の甥っ子。自らを「火炎のえん魔」と名乗る。
おじの閻魔から「妖怪を捕らえて地獄へ連れ戻せ」と言われているのに、いつも勢いでブチのめしちゃう暴走男児。でも、正義の心はちゃんと持ち合わせている。
ステッキを用いた閻魔(火炎)妖術を得意としており、止めを刺す際にはステッキをゴルディオンハンマー閻魔槌に変形させ、〔火炎地獄送り〕で文字通り相手を地獄送りにする。
同じ妖怪パトロールのメンバーで、幼馴染みの雪子姫のハダカが大好き。 - 雪子姫(CV:能登麻美子)
妖怪パトロールの紅一点。地獄界の名門・雪女家のお姫様。
えん魔くんとは幼馴染みで、よくケンカもするが仲は良い。が、いつもえん魔くん(その他諸々)にハダカを見られるのが悩みのタネ。けしからん
戦闘の際には雪子妖術を駆使し、相手を凍らせたり氷柱を落としたりするなど、えん魔くんに負けず劣らず戦闘能力は高い。
公式がはいてない。 - カパエル(CV:子安武人)
妖怪パトロールの諜報員。関西弁で喋るカッパ。
人間界の情報収集を主に行っている、らしい。
人間から見ればへんてこ(?)な顔だが、なんと彼はカッパ界の西○秀樹と言われている、らしい。
ホンマかいな。 - シャッポじい(CV:稲葉実)
妖怪パトロールのお目付け役。しゃべる帽子。
妖怪の情報や怪奇現象に精通しており、その博識っぷりは「地獄界の生き字引」と言われるほど。
一番の常識人と思いきや、意外とエロオヤジ。 - ハルミ(CV:川澄綾子)
今作の語り手となる人物。洋海小学校に通う小学生。
ひょんなことからカパエルに助けられ、ひょんなことから地獄別荘へ招待され、そしてひょんなことから妖怪退治を手伝うことになる不憫な子。
サブキャラ
- ツトム(CV:宍戸留美)
ハルミと同じ洋海小学校に通う小学生。ハルミの男友達。
原作(昭和版アニメと漫画)では彼が語り手なのだが、今回は脇役に回っている。 - スポコン(CV:中村大樹)
ハルミの男友達の一人。72年に永井豪が少年週刊誌連載五誌制覇を成し遂げたときの一作で、少年キングに(短期)連載されていた漫画『スポコンくん』の主人公。 - ガリベン(CV:伊藤舞子)
同じく男友達の一人。その名に恥じないメガネ男子。『ドロロンえん魔くん』連載直前に週刊少年サンデーに掲載された、永井豪の読み切り漫画『ガリベン』の主人公。 - レンコンマン(CV:梅津秀行)
同じく男(?)友達の一人。『ドロロンえん魔くん』連載直前に週刊少年サンデーに掲載された永井豪の読み切り漫画『レンコンマン』の主人公。 - ちィ子先生(CV:井上喜久子)
洋海小学校で保険体育を教える美人女教師。ボインちゃん。
名門女子大をトップで卒業という経歴を持つ才色兼ね備えた先生で、子供たちからの信頼も厚い。
上記の短編や『ドロロンえん魔くん』の他に、『あばしり一家』『バクラツ教室』『おいら女蛮』など数々の作品に登場する名キャラクターの一人。天変地異子。
第三炎で怒黒の黒い息を吸い凶暴になってしまうが、えん魔くんたちの手により無事救出される。 - トバッチリ先生(CV:中村大樹)
洋海小学校の教師の一人で、ハルミたちのクラス担任。某無能力者もビックリの不幸体質。
毎度のように妖怪による被害に合ってしまう、まさにとばっちりキャラ。
トバッチリ先生マジとばっちり。 - ダラキュラ(CV:梅津秀行)
第二炎から登場。見るからにダメそうな妖怪。
えん魔くんたちより先に妖怪パトロールとして人間界に派遣されていたが、悪い妖怪から賄賂を貰って結託してしまうなど、なかなかのダメ妖怪っぷりを見せる。
いつも酒に酔っている。 - 艶靡ちゃん(CV:宍戸留美)
第三炎で密かに登場し、第四炎から本格的に物語に関わる、ほぼ全裸の妖怪。
公害だらけで住みにくい人間界を、エッチで楽しい世界にするのが目的。お願いします。
元は永井豪のセルフパロディ漫画『ドロロン艶靡ちゃん』の主人公であり、リメイクにあたり作品の垣根を越えて競演することとなった。
おんぷちゃn
悪しき妖怪
- 面食い(CV:石丸博也)
第一炎で登場した妖怪で、のっぺらぼうを作り出した張本人。デリシャスが口癖。
人間の顔を舌で舐め取ることができ、取り込んだ顔は自らの頭部に現れる。それなんてジンメn
序盤こそえん魔くんを追い詰めはしたが、舌を氷柱で貫かれ、焦熱地獄で溶かされ、挙句の果てに最終兵器(tnk)をステッキで折られ地獄送りにされた、何とも可哀想な妖怪。
「ラーメンソーメン冷やソーメン」 - ワルターゲッソーイカ妖怪(CV:伊藤健太郎)
第二炎で登場した妖怪。イカ娘の親類。
無数の触手(ゲソ)で相手を捕まえ、締め上げることができる。
雪子姫を人質に取り、えん魔くんに武器を捨てさせるまでに至らせたが、折り曲げて投げ捨てられたステッキから繰り出された閻魔妖術〔火炎車〕によって触手(ゲソ)を全て切り落とされ、「ゲソの足も出ねえ」状態にされた挙句地獄送り。
落とされたゲソは、全て上手に焼けました。
「あ、お達者で~」 - しびれ柳(CV:芝原チヤコ)
第二炎で登場した妖怪。ヘビ壷と共に登場。
柳の枝で相手を絡め取り、電気を流して攻撃する。
えん魔くんの火炎攻撃を風起こしで返すなどして強敵さを見せ付けたが、真下から現れたえん魔くんの(恐らく)焦熱地獄により、結構早い段階で倒された妖怪。後にヘビ壷と共に地獄送り。
「オラ達、」 - ヘビ壷(CV:飯塚昭三)
第二炎で登場した妖怪。しびれ柳と共に登場。
巨大な壷の中に無数のヘビを有しており、それらを飛ばして攻撃する。
イカ妖怪と同じように雪子姫を人質に取り、えん魔くんに武器を捨てさせた(この時、えん魔くんは火炎車を習得していなかった)が、自らを凍らせる雪子姫の妖術〔氷化粧〕によりヘビを封じられ、雪子姫を人質に取られたことにより激昂したえん魔くんに滅多打ちにされた挙句、しびれ柳と共に地獄送り。
「死んじまっただー」 - 怒黒(CV:家弓家正)
第三炎で登場した妖怪。地獄界では「無冠の帝王」と呼ばれ恐れられている。
黒い息を操り、それを吸い込んだ女性を三日かけて熟成させた後に食らうという恐ろしい妖怪。
登場時間およそ二分。戦闘においては特に見せ場も無く、一分程度で片を付けられてしまった。敗因は長時間に及ぶ正座待機。不憫すぎるよ怒黒さん。
「さらば涙と言おう」 - 百手(CV:三ツ矢雄二)
第四炎で登場した妖怪。タッちゃん。
別名「妖怪彫刻家」と言われており、無数にある手は茹でた物の形を自由に変えることができる。
人間を妖怪彫刻の材料にするために猫夢と結託し、無数の妖怪を使役して計画を実行するまでに至ったが、猫夢の妖術が解かれたことにより夢から覚めたえん魔くんたちと死闘を繰り広げ、最終的には雪子妖術〔氷礫(ひょうつぶて)〕を受けて倒れ、猫夢と共に地獄送り。
「芸術は爆発だ!」 - 猫夢(CV:日高のり子)
第四炎で登場した妖怪。南ちゃん。
可愛らしい子猫に化けて相手を誘惑し、妖力を秘めた尻尾から放たれる妖術によって相手を夢の世界へ誘う。
妖怪彫刻の材料集めを手伝うために百手と結託し、えん魔くんたちや無数の人間を眠らせることに成功したが、夢の世界でえん魔くんに尻尾を千切られたことにより妖術が解かれ、戦いの最中にシャッポじいと戯れていたせいで雪子妖術〔氷礫(ひょうつぶて)〕をまともに受けてしまい、百手と共に地獄送り。
「猫灰だらけ~」
主題歌・挿入歌
主題歌
- オープニングテーマ「魂メラめら一兆℃!」
歌:遠藤正明とムーンライダーズ
作詞:米たにヨシトモ/作曲:鈴木慶一/編曲:鈴木慶一とムーンライダーズ - エンディングテーマ「みんなくたばるサァサァサァ」
歌:ムーンライダーズ feat.yoko
作詞:米たにヨシトモ/作曲:鈴木慶一/編曲:鈴木慶一とムーンライダーズ
挿入歌
- 「ふりむかないで」(第一炎)
歌:ハルミ(CV:川澄綾子)/ポカスカジャン
作詞:池田友彦/作曲:小林亜星 - 「老人と子供のポルカ」(第一・三炎)
歌:雪子姫&ハルミ(CV:能登麻美子&川澄綾子)
作詞・作曲:早川博二 - 「学生街の喫茶店」(第三炎)
歌:ちィ子先生(CV:井上喜久子)
作詞:山上路夫/作曲:すぎやまこういち - 「時代」(第三炎エンディング)
歌:雪子姫&ハルミ(CV:能登麻美子&川澄綾子)
作詞・作曲:中島みゆき - 「えん魔のほんとにほんとにご苦労さん」(第四炎)
歌:えん魔&カパエル&シャッポじい(CV:山口勝平&子安武人&稲葉実)
作詞:野村俊夫/補作詞:米たにヨシトモ/作曲:倉若晴生 - 「ふれあい」(第四炎)
歌:カパエル(CV:子安武人)
作詞:山川啓介/作曲:いずみたく
スタッフ
- 原作:永井豪「ドロロンえん魔くん」
- 監督・シリーズ構成:米たにヨシトモ
- 脚本:北嶋博明
- キャラクターデザイン・総作画監督:木村貴宏
- エフェクト作画監督:才木康寛
- 美術監督:中村隆
- 色彩設計:伊東さき子
- 編集:池田康隆
- 音楽:鈴木慶一/ムーンライダーズ
- 音楽製作:スターチャイルドレコード
- 音響監督:高寺たけし
- 音響製作:HALF H・P STUDIO
- アニメーションプロデューサー:木川田清一
- アニメーション製作:ブレインズ・ベース
関連チャンネル
関連項目
MBS木曜深夜アニメ枠 第2部 | ||
---|---|---|
2011年1月~3月・4月 (ここまで毎クール1枠) |
2011年4月~6月 | 2011年7月~12月 |
魔法少女まどか☆マギカ | Dororonえん魔くん メ~ラめら | 輪るピングドラム |
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