Dragonrajaとは、韓国のネット界隈で連載されていた長編ファンタジー小説である。
本稿では、同小説を原作とし現在では日本でのサービスが終了したMMORPGについても併記する。
概要
上述のように、元々は韓国のネット通信「ハイテル」において、作家「イ・ヨンド」が連載していた小説である。
全12編、130話から成る長編小説であり、韓国国内ではこのシリーズによりファンタジーブームが巻き起こった。
日本では岩崎書店が日訳版単行本を1~12巻まで発刊している。
上述のように重厚なストーリーを展開するため、ファンも多い。
ストーリー
ヘルタントのロウソク職人候補、フチ・ネドバルは17歳のキレ者。ある日、近くの灰色山脈に住むブラックドラゴン・アムルタット征伐軍の援軍として、首都からホワイトドラゴン・カッセルプライムとそのラージャ(主人)、デートリヒ・ハルシュタイルがやってきた。
そして、フチの父も参加した第9次アムルタット征伐軍は灰色山脈へと向かったのだった…。数日後、フチの友・サンソンを含む一部の隊員が虫の息で帰ってきた。アムルタットからの伝言を預かってきたという。その内容は、多額の身代金の要求だった。
要求をバイサス国王に伝えるため、フチは親友サンソンと読書家カールと共に、首都バイサスインペルを目指し旅をすることになった。
原典は北欧神話や指輪物語などと考えられている。また、ラージャはヒンディー語で「藩王」という意味である。
(ラージャに比較上級語の「マハ」がつくと「マハラージャ」…つまり「マハラジャ」となる。)
Dragonraja online
edelweroi of cosmos and the great storm
大嵐とコスモスのエデルブロイの名のもとに
for the name of orem of red rose and justice
赤いバラと正義のオレムの名のもとに
以上の小説の世界観を元に、韓国で作成されたMMOが存在する。(以下DRと表記)
インターフェースなどが当時では珍しくなりつつあった完全2D表示であり、自キャラが画面の中心に据え置きではないなど、非常にクライアントの動作を快適にするように設計されている。というのもこのゲームの目玉が総勢百人以上で行うRvR(国家間戦争)のためであり、これがため数百人がぶつかる多人数戦でも比較的動作が軽い。
極めて対人バランスが練られたゲームであり、特に「局地戦」「国家戦」における対人戦闘バランスは、現在でも比肩しうるPvPゲームは存在しないとさえ言われるほどの魅力を放っている。戦争に参加できるLv30の頃から戦争に役立つことができ、また広大な戦場にて自国への侵入を防ぐ「結界石」を破壊するために、各国が巡らす熱い戦術や奇襲作戦はさながら本当の戦争のようであり、ユーザー間の「指揮官」が存在するほどであった。
また、魔法は「ウィザード」と「プリースト」に分かれており、それぞれ独特の詠唱時間が存在する。この際に「力を招聘する神やドラゴンの名前」+「(英語の)詠唱文」という詠唱がフルボイスで再生される。こういうMMOできちんと声つきの詠唱をするというのは厨臭い珍しいのではないだろうか。少なくとも筆者は大好物でした。
例(Wiz):「Dhonol!」「darkness, blast like the fire.」
例(Pri):「oh,father!」「please our people seving from the pain.」
しかし、あまりにも古いゲームであったためチート対策が全くなされておらず、また海外製ということもありバグフィックスやチート対策パッチが全くなく、GMも介在しにくいシステムであったため、NGC(現ロッソインデックス)、YNKJapan・KESPIと運営会社が代替わりし、400人以上がDR存続に署名しつつも、そのたびに中華業者の介入とチート、マクロツールによってユーザーが離れ、運営会社は有効打を打てずにサービスが終了したという、不遇なゲームでもある。
また、対人バランスは良好なものの、対NPCにおいては良好なバランスとは言い難く、所謂冗長な「狩りゲー」である。特に基本無料、アイテム課金の形態を取っていたため、非課金では非常にレベルが上がりにくい。
そして今やMMOに必須とも言われる生産システムも、大量生産をしなければスキルレベルが上がらず、マクロツールを使用する者も現れるほど時間と手間がかかる。また、いわゆる「レア」品であるグレード品は生産に物凄い手間と膨大な時間を要求され、ほとんど廃人専用のアイテムとなっている。
余話
あまりにも人気が高く、そのくせセキュリティ対策がおざなりであったため、早々にサーバプログラムが流出している。そのため、サービス終了後もエミュ(略)ったが、現在では休止している。
また、「アジア版」を標榜するマレーシア語版は運営会社が比較的厳格であり、時差やラグなどの問題があるものの良好なプレイ環境となっている…らしい。実際、日本語版終了後もDRの独特な戦争が忘れられず、独力でマレーシア語版(ただし基本英語)をプレイする強者もいた。
余談だが、NGC時代のDRはハングルを直訳した部分があったために、重力語のようなものが多かった。
「コロサスアレナ」「ゴアーアエナ」「インディエオランス」「デッグストリチ」など。
関連動画
バイサス国(青)vsジャイファン国(赤)の局地戦動画。操者は投げナイフ使いの盗賊である。
局地戦においても、0:22~頃に現れる「結界石」をより多く破壊した国家の勝利となる。
バイサス、ジャイファン、イルス(黄)三国入り乱れての大乱戦。バイサス本陣での国家間戦争ある。
ひたすら隕石や爆風などの魔法が飛び交い、矢と投げナイフが乱舞する、これがDRでの戦争である。
イルス国セドレス国境地帯にて、猛進撃するジャイファン軍を抑えるためイルス軍が弾幕を張り封鎖している。
イルス国はバイサス・ジャイファン両軍に侵攻できるため、時にこのように集中攻撃を受ける場合もある。
関連商品
関連項目
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